今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/05/02 13:17FX取り巻く環境の変化は本物なのか

過去半年程度で、FXを取り巻く外部環境は大きく変化しました。ではこれは、FX投資家の増加や、投資家の利益拡大にどれだけ影響したでしょうか。私はこの外部環境の変化が「本物」なら、影響はむしろこれから本格化するのではないかと思います。


◆環境の大変化もすぐに一般認識されない
半年前といえば昨年11月ですが、当時ドル円は75円でした。それが5月1日の終値は80円ですから、ドル高・円安になったわけです。また、昨年11月、NYダウは一時12,000ドルを大きく下回りました。ところが、5月1日の終値は13,000ドルを大きく上回り、2007年以来の高値となりました。この半年で株高も大きく進んだわけです。


ところが米国では株式投信がこの数カ月でも資金流出が続いているとされます。株価が大きく上昇する中でも、すぐにそれが投資マインドの回復をもたらしているわけでは必ずしもないようです。


これについて私は経済局面の転換期と似たところがあるのではないかと考えています。経済局面の大転換が、バブル破裂ですが、バブル破裂の場合でもそれが一般認識されるまでにはかなりの時間がかかるのが普通で、バブル破裂が始まってからそれに即応した行動になったわけではないのです。


たとえばITバブル破裂は2000年3月から始まりました。しかしそれから5カ月後の2000年8月に日銀はゼロ金利解除に踏み切りました。ゼロ金利解除とは、実質的には利上げです。それに踏み切ったということは、実際にはバブル破裂が始まってからすでに半年近くも経っていた中で、当時の日銀ではそれが認識されていなかったことを示しているでしょう。


このように見ると、バブル破裂のような経済局面の大転換、外部環境の大転換にいち早く敏感に反応するのは決して簡単なことではないということがわかるでしょう。もちろん、それがいつまでも続くわけではなく、やがて外部環境の変化が誰でも認識できるようになっていくのです。


◆変化が一般認識される中でブームが起こる
2001年1月、FRBはバブル破裂を受けた景気対策として利下げに踏み切りました。2000年3月のITバブル破裂から約10カ月が経過していました。これからわかることは、バブル破裂といった外部環境の劇的な変化は、半年から1年過ぎる中で、一般認識化されていったということです。


最近にかけての円安・株高は、逆バブル破裂が始まった結果であるといった見方も一部にあります。もしそういった見方が正しかったら、それを受けた外部環境の大変化はこれからいよいよ一般認識化されることになるのかもしれません。


一部の人しか認識できない中でブームは起こらないでしょう。誰もが当たり前と思う中でブームは起こるわけです。そんなブームが起こる外部環境の大変化が起こっているのかどうか、それがいよいよ試される局面に入っていくということなのかもしれません。(了)

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