今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/04/02 14:514月の為替を予想する

4月が始まりました。そこで今回は4月の為替を予想するといったテーマで考えてみたいと思います。


◆「ドル高は春までに終了」、今年はどうか?
ドルは、過去3年連続で4月に年間高値を記録しています≪資料1参照≫。要するにここ数年、ドル高・円安は春まで、夏以降はドル安・円高が大きく進むと言ったパターンが繰り返されてきたわけです。


≪資料1≫
 出所:BloombergよりMarket Editors作成


今年もそうなる可能性はあるでしょうか。2-3月とドル高・円安が続いてきましたが、これはもう終わりに近く何事もなかったように、またドル安・円高へ戻っていく可能性はあるのでしょうか。


それにしてもなぜここ数年、ドル高・円安は春までに一巡してしまうというパターンを繰り返してきたのでしょうか。それは米国を始めとした世界的な景気回復期待が、夏以降大きく裏切られることになるといったパターンが繰り返されてきたことが最も大きな要因だったでしょう。


そうであれば春までにドル高が終了するといったパターンが今年も繰り返されるかを考えるためには、「裏切りの景気回復」が今年も変わらないかを考える必要があるでしょう。結論を先にいうと、私はこの「裏切りの回帰回復」が今年は変わる可能性があると思っており、そうであれば春までにドル高が終了するパターンも今年は崩れることになるのではないかと考えています。


「裏切りの景気回復」が繰り返される中で、「100年に一度の危機」の後の米国は、バブル崩壊後の日本のような長期低迷に陥っているといった米国の「日本化現象」論が広がるところとなりました。


本当に米国がバブル後日本の二の舞に陥っているなら、「裏切りの景気回復」は今年も繰り返される可能性があるでしょう。ただ、この米国「日本化現象」論が違うのではないかと私は考えています。


≪資料2≫は、1990年の日本のバブル崩壊後のインフレ率と2000年ITバブル破裂後の米国のインフレ率、そして「100年に一度の危機」を前後した2007年からの米国のインフレ率を重ねてみたものです。延々と景気の低迷、インフレ率低下が続き、ついにはデフレへ転落したバブル後日本と異なり、ITバブル後の米国は、インフレ率の低下も3年程度で一巡し、上昇へ転じていったことがわかります。


≪資料2≫
 出所:BloombergよりMarket Editors作成


要するにバブル後日本では、「失われた20年」になっているのに対し、ITバブル後の米国の景気低迷は3年程度で一巡するいわば「全治3年」だったわけです。そして重要なのは、現在の米国のインフレ率は、バブル後日本よりITバブル後の米国の方に似ているということです。


このように現在の米国がバブル後の日本ではなく、ITバブル後の米国に近いなら、景気低迷、インフレ率低下は「全治3-4年」ということになりますから、「裏切りの景気回復」ももう繰り返されない可能性があるでしょう。


それどころか、現在の米国のインフレ率が、ITバブル後の米国のインフレ率に類似した状況がこの先も続くなら、米国のインフレ率は、FRBがインフレ率を管理する目途としている2%をもう大きく下回らず、むしろ2013年にかけて3%へ接近するといった見通しになります≪資料3参照≫。


≪資料3≫
 出所:BloombergよりMarket Editors作成


FRBは今年1月のFOMCで2014年末まで現行のゼロ金利政策を続ける方針を決めましたが、これまで見てきたような形でインフレ率が推移するなら、その方針を大きく見直し、金融引き締めへの転換を大幅に前倒しする必要が出てくる可能性があるでしょう。


◆ドル高終了か「第二幕」への移行か
ドルの対円相場は2月からほぼ一本調子で上昇してきました。その中で、投機筋のドル買い・円売りポジションもかなり膨らんできたようです≪資料4参照≫。また、ドル円と相関性の比較的高い日米金利差の拡大もこのところ伸び悩み気味ですから、いつドル安・円高へ転換してもおかしくない状況なのかもしれません≪資料5参照≫。


その結果、4年連続で「ドル高は春までに終了する」ということになってしまうのか。私は、その背景にある「裏切りの景気回復」パターンが今回述べてきたように、ついに崩れる可能性があると考えています。


それが確認されると、米金利上昇再開に伴う日米金利差拡大の再開で、ドル高・円安は名実ともに「第二幕」へ向かう可能性が出てくることになるでしょう。この4月はそれを見極める局面ということではないでしょうか。(了)


≪資料4≫
 
≪資料5≫

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