今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/03/28 15:33理想的な為替見通しとは何か?

2月に私はある大手地銀の行員向けセミナーを行いました。外貨運用商品の販売員に対する為替見通しのお話しだったのですがその後の報告によると、円安・ドル高になっている影響などから、外貨運用商品のご契約が増え始めているとのことでした。


◆ある地銀向けセミナーの話
私がそのセミナーをやったのは2月10日でした。そこで私はこんなお話しをしたのです。「ドル高・円安になると考えています」、「それは年内にといった悠長な話ではなく、もうこの2月中に動き始める可能性すらあるかもしれない」、「早ければ3月FOMCでも政策変更の可能性があり、それを手掛かりにドル高・円安見通しが広がる可能性がある」。


当時のドル円は昨年から持ち越されたうんざりするような小動きがすでに半年にもなろうとしているところでした。それが、「2月中にも動き始める可能性がある」と考えた根拠は、このレポートでも以前書いたように、この超小動きは初めてのことではなく、その前例、1995年にかけてのケースは2月から大波乱に向かったということでした。


また3月FOMC政策変更の可能性は、超低金利の長期継続コミットの前提条件のいくつか、とくに欧州危機が「危機前」に戻って最初に行うのが3月FOMCであり、前提が変わったら方針が変る可能性も当然あるだろうということで、ブログなどでも頻繁に書いていたことでした。


講演終了後に、いくつかご質問をいただきました。その中の一つに以下のようなものがありました。「お話しはとても参考になったのですが、お客様にお話ししても、『どうせ円高だろう』となりそうです。何か良い説明のコツはありますか」。


それに対して私はこんなふうに答えました。「無理をしないほうが良いと思います。本当に少しでも円安になってきてからでも全然遅くないのではないでしょうか。実際に円安になり、『もしかしたら』という気持ちになってからなら、自然に円安見通しの話を聞いていただけると思います」。


◆為替専門家としてのプライド
私はもう随分長く、FXの専門家として投資家向けにセミナーやレポ―トの情報発信を続けてきました。ただ今回のように、FX以外の業界で為替のお話しをする機会もあります。銀行や証券会社の為替専門家がFX投資家向けにお話しする機会は増えていますが、逆のケースはまだまだ少ないと思うので、その少ない機会を担っていることに対しては私なりに責任を意識しています。


一般投資家向けの為替見通しのお話は、機関投資家に対する以上に、「いつ」、「いくら」といった考え方が期待されます。では機関投資家にとってそれはいらないかというと、もちろんそんなはずはないでしょう。ただし、自らも知識が豊富な機関投資家に対しては、より納得できる論理的根拠が重視されるということでしょう。


以上からすると、論理性を備えた上で「いつ」、「いくら」を徹底追及するのが理想的な為替見通しだと思います。FX投資家向けの情報発信で鍛えられてきた私は、機関投資家向けにも通用する論理性も鍛錬することで、より多くの方に役に立つのではないかと考えています。


為替の話は銀行や証券会社の専門家だけでなく、FXの専門家こそ説明するのが当然といった時代に、少しでも早くできるようにクォリティーを高めていきたいと思っています。(了)


 

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