今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/03/21 14:00円安への転換を当てたのは誰か

これまでのところドルは、昨年10月末の75円で大底を打ち、今年2月の76円で二番底を打ってドル高・円安へ転換した可能性が出てきています。まだ本当に基調転換したかはわかりませんが、かりに基調転換したなら、どのような予想が「当たった」かについて今回は少し考えてみたいと思います
 
◆テクニカルとファンダメンタルズ
昨年11月のプレミアムナイツ・セミナーに登場したエリオット波動分析の第一人者、宮田直彦さんは、「40年続いた円高が終わり、2015年124円へ向かう円安が始まる」といったテーマのお話しでした。

その中では、「円高は2011年10月の75円で終わった可能性もある」、「2012年2月は重要な転換点になる」などのお話しもありました。75円という「価格」、そして昨年10月と今年2月のドル反転といった「日柄」ともにかなり確からしい予測だったといえるのではないでしょうか。

では、次に円高から円安へ転換した理由についての予測を考えてみたいと思います。今回、円安へ転換した理由については、まだ今の段階では何が正しかったのか評価が分かれているのではないでしょうか。

たとえば、日銀が2月にインフレ目標採用を決定し、追加緩和に動いたことが主因だったという見方はあります。その通りなら、日銀の政策転換を予測した人が正しい予測だったということになるでしょう。

確かに、日銀の金融政策を反映する2年債利回りは、この日銀の決定を前後し、0.13%程度から0.11%程度へ0.02%程度の低下となりました。ただ一方で、米2年債利回りも上昇しました。こちらは、2月から3月にかけて0.2%台前半から0.4%程度まで0.2%近い大幅上昇となりました。米景気回復期待と、FOMC追加緩和観測後退を受けた結果です。

こんなふうに見ると、ドル高・円安を後押しする日米金利差ドル優位拡大には、日銀よりFRBの影響の方がこれまでのところ大きかったでしょう。その意味では、FRBの金融政策転換や、それらを受けた米金利上昇の予測が、円安への転換の理由で確からしい予測だったということになるのではないでしょうか。

日本株のトップストラテジストであるJPモルガン証券の北野一さんは、この間の米国を始めとした世界景気に対する悲観論は行き過ぎであり、いわゆる「逆バブル」破裂、安全資産バブル破裂に伴う金利急上昇の可能性を一貫して予測していました。その意味では、これまでの為替を始めとした金融市場の転換の理由について、最も確からしい予測だったといえるのではないでしょうか。

今年に入ったところでも、円高が終わる、ましてや大きく円安へ転換するといった見方は決して多くはなかったと思います。もちろんまだまだ、円高が完全に終わったのか、円安へ大きく転換するかはわかりませんが、これまでのところで言うなら、「正しい予測」とは、今回述べてきたようなものになるのではないでしょうか。

予測とは、自分自身が正しい予測ができるかとは別に、いかに正しい予測と出会えるかがとても重要なことだと思います。もしかしたら、円相場の歴史的な転換点かもしれない局面において、「正しい予測」と出会えたなら、それはとても幸せなことでしょう。(了)

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