今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/02/29 13:02本当にドル高・円安へ転換したのか?

2月はほぼ一本調子でドル高・円安となってきました。ただこれは、このところ比較的一貫してドル円の動きを説明してきた日米金利差に沿った動きでは必ずしもありません。金利差拡大が今後ドル高・円安を説明できるように追随してくるかは一つのポイントでしょう。  

◆金利差との矛盾を見極める時
ドル円は2月に76円から一時は81円台まで、ほぼ一本調子で5円を大きく超える大幅なドル高・円安となりました。その中で、ドル陰線引けが2営業日続くこともなかったので、その意味ではいわゆる「押し目なきドル高・円安」が展開したわけです。

ただ、≪資料≫のように、このドル高・円安は、このところ比較的高い相関関係が続いてきた日米金利差に連動したものでは必ずしもありませんでした。たとえば、日米2年債利回り差からすると、ドルは79円を下回っていてもおかしくない程度です。その意味では、金利差から見た場合、ややドル高・円安の行き過ぎが目立ってきたことは頭に入れておく必要があるでしょう。  

≪資料≫
出所:BloombergよりMarket Editors作成  

相場は行き過ぎることが普通です。その最たるものが「バブル」です。その意味では、金利差から見て行き過ぎたドル高・円安になっているからといって、すぐにドル安・円高に反転するかはわかりません。

しかし、金利差で説明できなくなったドル高・円安は、日本が経常赤字に転落する見通しが出てきた結果であるといった具合に、「新しい物差し」を持ってきて説明するのは違うのではないでしょうか。単に「行き過ぎている」ということであり、後はその「行き過ぎ」が持続可能かを考えるのが基本ではないでしょうか。

「行き過ぎ」が持続可能かを考える一つの方法は、比較的早い段階で「行き過ぎ」ではなくなるかを見るということです。つまり、金利差が、ドル高・円安を正当化できるほどに追随的に拡大するようなら、ドル高・円安は「行き過ぎ」ではなくなるわけです。

もう一つ、「行き過ぎ」相場のリズムも鍵になるかもしれません。リズミカルに展開する中では、「行き過ぎ」相場も気になりませんが、逆にいえば、リズムが崩れたとたん、「ある日突然、皆が一斉に行き過ぎを認識する」ということが相場にはあります。その最たるものが「バブル破裂」でしょう。

さて、今回のドル高・円安は、「バブル」とはとても思いませんが、リズムという観点からすると、今週に入り2営業日連続でドル陰線引けとなったのはこの一本調子のドル高・円安では初めてのことだけにちょっと気になるところです。

米金利上昇に伴う金利差拡大が遅れているうちにテンポよく展開してきたドル高・円安のリズムが崩れると、最初の本格的なドル反落リスクに向かっていく可能性が出てくるでしょう。

相場は上がったり下がったり、ジグザグで動くのが普通ですから一本調子のドル高からドル反落となっても、まったく正常な動きといえるでしょう。ただ、この間書いてきたように、現在は歴史的な円高から円安への基調転換を確認する局面にあると私は考えているので、その意味では、私がその判断の「物差し」としている52週移動平均線、足元79円程度で推移している水準を、週末終値でドルが安定的に維持できるかを注目したいと思います。(了)  

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