今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/02/27 13:29この円安はもう大きな後戻りもないのか

ドル安からドル高へ基調転換した可能性への注目が高まっています。もしも、実際に新たなドル高・円安基調が始まっているなら、もうドルは週末終値で79円すら大きく割り込まず、夏から秋にかけ85-90円を目指す見通しになるでしょう。そんな基調転換見極めの最終段階が続いていると思います。
 
1.基調転換見極めの最終段階
 
ドルの対円での反発が続いています。でも、昨年3月11日、大震災後のドル急落に対してG7協調介入が実現した後もドルは急反発しましたが、結果的にそれは一時的に終わりました≪資料1参照≫。今回も一時的なドル高に過ぎないのでしょうか、それともいよいよドル高・円安へ基調転換したのでしょうか。
 
≪資料1≫
 
≪資料2≫は、2007年6月から続いてきた今回のドル安・円高トレンドに、52週移動平均線のグラフを重ねたものです。これを見ると、昨年3月協調介入後のドル反発と今回のドル反発では、前者は、52週線の手前でドル高が失速したのに対し、今回は52週線をドルが大きく上回り始めていることがわかるでしょう。
 
≪資料2≫
 
≪資料1≫を見るだけだと、今回のドル反発と、昨年3月協調介入後のドル反発の違いはわかりにくいでしょう。ただ、このように52週線との関係で見ると、今回のドル反発は、52週線を上回ってきたといった意味では、4年以上続いてきた今回のドル安・円高基調の中でもわずか3度目の動きであり、昨年3月協調介入後のドル反発以上の動きであることがわかるでしょう。

それにしても、≪資料2≫を見ると、過去2回の52週線を越えたドル反発は、結果的には短期間で収束、一時的なドル高に過ぎませんでした。2度あることは3度あるといった具合に、今回もそうなってしまうのでしょうか。
 
≪資料3≫
 
≪資料3≫は、ドル円と52週線の関係を2000年までさかのぼって見たものです。これを見ると、今回のようにドル安基調の中で、ドルが一時的に52週線を上ぶれる、逆に、ドル高基調の中で52週線を一時的にドルが下ぶれるといった、いわゆる「ダマシ」は、2-3年以上は続く一つの基調の中でせいぜい1-2回しか起こっておらず、とても少なかったことがわかるでしょう。

では、今回は異例なことに、ドル安基調の中で3度目の一時的なドル高、「ダマシ」になるのでしょうか。そうでないなら、いよいよ今回の動きは「三度目の正直」とばかりに、「ダマシ」ではなく、ドル高・円安への基調転換を確認することになるわけです。

ちなみに、≪資料3≫で○印をつけた「ダマシ」、つまり一時的な52週線を逆ぶれした動きは、最大でも52週線からのかい離率が4%以内にとどまり、最長でも1ヶ月以内で収束しました。それを今回に当てはめると、ドルの週末終値が82円を超える、または3月中旬にかけて79円以上で推移するようなら、経験的には「ダマシ」ではなく、基調転換の可能性が高いことになります。
 
2.後戻りしない円安が始まっているのか
 
では、すでにドルが大底を打ち、ドル高・円安基調へ転換しているということなら、今後はどんなシナリオになるでしょうか。≪資料4≫のように、ドル安からドル高への基調転換を、52週線突破で確認した過去2回のケースを見ると、比較的ハイペースのドル高・円安が進んでいたようです。
 
≪資料4≫
 
具体的には、52週線をドルが完全に上抜けたところから、約半年で10%前後のドル高・円安となっていました。今回に当てはめると、2月79円から半年で10%前後のドル高・円安というのは、夏から秋にかけて85-90円を目指すといった計算になるわけです。

それにしても、重要なのは、これまで何度も述べてきたように、52週線は「ダマシ」が少ないということです。つまり、52週線をドル高・円安方向に上回り、ドル高・円安基調が展開していることが確認されると、簡単には52週線をドルは下回らない見通しになるわけです。

その意味では、ドルの反落はかなり限られるものとなり、もう週末終値では79円より大きくドル安・円高にはならない見通しになるわけです。現在の局面は、そんな大きく後戻りしないドル高・円安が始まっているかを見極める最終段階に入っている可能性があるわけです。(了)

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