今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/02/08 13:14金融政策が間違える時

今回は、金融政策を間違えることがあるのかについて考えてみたいと思います。  

◆経済局面の大転換期に金融政策は間違える
日本経済のバブルが崩壊したのは1990年1月でした。その後は、バブル崩壊で、株価も急落に向かっていったわけです。ではその中で行う正しい金融政策とは、利下げでしょうか。それとも利上げでしょうか。

実際に日銀が行ったのは利上げでした。これは、その後バブル崩壊に伴う景気悪化を深刻化させた間違った政策だったとして、批判されるところとなりました。ただ、当時においては違和感のない、当然のように受け止められた政策判断だったのです。

なぜなら、当時はまだバブルが崩壊したという認識は一般化しておらず、それよりむしろ不動産価格上昇に象徴されるバブル退治での金融引き締め政策の「手を緩めるべきではない」との認識が基本だったからです。

こんなふうに、バブル破裂のような経済局面の大転換期においては、得てして金融政策の最終局面は、結果として行き過ぎとなるのが珍しくありません。たとえば、米国のバブル破裂は、2000年のITバブル破裂ですが、このITバブル破裂後に最初に行われたFRBによる金融政策の変更も利上げだったのです。  

◆「宿命のバーナンキ」なのか
さて、現在はバブルとは正反対に、一歩間違えれば世界恐慌に突入しかねないとされる状況が続いています。その中で、FRBは1月、現行の超低金利政策を2014年まで続けるといった具合に、一段と金融緩和に動きました。それは、足元の株価が、昨年来の高値圏まで上昇しているものの、まだまだ「手を緩めるべきではない」という判断でしょう。

ただ、仮に世界経済の最悪期、言い方を変えると、「逆バブル」のピークを、昨年8月米国債格下げ騒動や、昨年11月欧州債務危機騒動などの中でつけたとして、すでに「逆バブル破裂」局面に入っている結果が、最近にかけての株高なら、1月のFRBの金融緩和強化は「余計」で、間違った政策だったということになるかもしれません。

では、金融政策が間違った後には、何が起こるでしょうか。上述のように、2000年ITバブル破裂後に利上げを行ったFRBでしたが、それから2年後の2002年、当時FRB理事だったバーナンキはこう述べました。「我々はデフレへの転落を阻止するために、利下げなど金融政策を総動員する必要がある」。

さて、そのバーナンキは、1月に現行のゼロ金利政策を2014年まで続けるという政策を決定しました。もしも、そんなバーナンキの政策が間違いだったら、FRBは2年後にようやく利上げを行うといった余裕ある行動には出られないかもしれません。2014年のバーナンキは、2002年とは正反対のこんな発言を行うことになってしまうのかもしれません。

「我々は、予想をはるかに超える景気拡大とインフレ圧力の拡大に対抗するべくこの間利上げを行ってきたところだが、いよいよインフレを阻止するべく、FFレートを10%以上にするなど、政策を総動員する必要がある」。(了)

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