今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/02/01 13:50「異常な小動き」の終わり方

ドルが戦後初めて100円の大台を割れたのは1994年6月のことでした。ではその後に何が起こったでしょうか。異常な小動きが延々と続くところとなったのです。
 
◆1995年2月
その当時、100円を割れたドルは、ドル買い介入の影響もあったのでしょうか、97円程度がサポートされると、一方で100円の大台もなかなか回復できず、98-100円といったわずか2円程度のレンジ中心の異常ともいえる小動きが、延々と半年も続いたのです。

そしてついに、年が改まり1995年になると、いったんドルはレンジの上放れに向かいました。何かニュースがあったのかもしれませんが、チャートだけを見ているとこんな声が聞こえてきそうな動きでした。
「いい加減、もうそろそろ行こうか」。

この年明け早々のドル高トライは、結果的に失敗に終わりました。そしてドルは、逆方向に勢いを付けたように、ドル下値トライに向かいました。最終的に、異常な小動きは終止符を打ち、ドル円は激動に巻き込まれていったのです。
 
◆2012年2月
その1995年に記録した終値80円というドル最安値を昨年大きく割り込んできました。3月は東日本大震災といった特殊事情の影響もありましたが、改めて夏にかけて80円の大台を完全に割り込んできたドルは、ドル買い介入などの影響もあって75円台がサポートされる一方で80円の大台も回復できず、76-78円といったたった2円のレンジ中心の異常ともいえそうな小動きが今まで延々と続いてきました。

歴史的な大台を割り込んだドルは、そのまま一段安に向かうわけではなく、いったんドル売りとドル買い、攻守にらみ合いの形になる結果、むしろ異常なほどの膠着状態が長期化するのがどうやら普通なのかもしれません。しかし、前例を参考にすると、それも永遠ではなく、やがて終りがやってくるわけです。

先週、一時ドルは78円台トライとなりました。そして今週は一転してドル下値トライとなっています。年が改まったことをきっかけに、チャートが脱・小動きを探っているように見えなくありません。

「いい加減、もうそろそろ行こうか」。

では、ついに脱・小動きとなるでしょうか。それは材料次第でしょう。ドル円と相関性の高い日米金利差のドル優位が、先週のFOMC以降縮小傾向が続いているのは不気味なところです。

ただ一方で、この間、米金利をうまく説明してきたのは欧州債務危機を反映したイタリア金利などの動きであり、それは31日もむしろ低下となっています。米金利は、この間それと逆相関だったので、本来は上がってもおかしくなく、ここ数日の金利低下は過剰反応で、持続性に限界があるようにも思います。

いずれにしても、異常な小動きから相場の局面が本当に変るかどうか、いよいよ材料の吟味が必要になってくるのではないでしょうか。(了)
 

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