今週はこう動く! マーケット羅針盤

2012/01/25 13:27ユーロ大相場での「プロの使命」

上がるも下がるも、相変わらずユーロはよく動きます。そんなユーロの動きを見ながら、2010年のユーロ危機局面のエピソードについて、ある株式ストラテジストが書いていたことを思い出したので、少し紹介したいと思います。
 
◆2010年ユーロ危機でのエピソード
2010年に、ギリシャ債務不安の表面化をきっかけとして起こったのがユーロ危機でした。その中でユーロは、2010年6月には1.18ドルまで急落したのです。初めて経験したこの事態に、米株なども含めて世界の金融市場は、ユーロの動きに連動する状況がしばらく続きました。「ユーロ本位制」になったわけです≪資料参照≫。
 
≪資料≫
 
ただその当時からすると、最近はさすがに欧州債務問題に金融市場も慣れてきたようです。その意味では、この2010年のユーロ危機局面ほど、「全てのマーケットはユーロ次第」といった「ユーロ本位制」ではなくなってきたようですが、それがむしろ自然なことであり、たった一つの不確実性が、全てのマーケットを支配することの方が、よほど特殊な状況ということでしょう。
話は変わりますが、以前こんな出来事がありました。最近以上に世界の関心がユーロに注がれていた2010年、ある日本の代表的なユーロ専門家の見方は、ほとんどマスコミから取り上げられることはなかったようでした。それは、マスコミの一部が、この専門家について、「分析が外れた」と考えていたためだったようなのです。
あるジャーナリストは、この専門家と会った際に、「あなたのユーロ楽観論で、どれだけ多くの人が迷惑したかわかっているのか」といったふうに非難したとされています。


こういったことを紹介した上で、ある株式ストラテジストは以下のような感想を書いていました。「マスコミも罪なことをしたものだ。パニックの時にこそ、本当に必要なのは専門家の論理なのに」。
 
◆客観的事実の確認が適切にできるか
最近も欧州債務問題への関心が高く、ユーロも激しい動きが続く中で、私はこの話をよく思い出します。未熟ながら、私も専門家の一人として、こういった局面こそ腕の見せ所として、責任を強く感じる次第です。


こういった局面での、専門家の使命の一つに、客観的事実の確認があると思います。パニックになると、相場は理屈抜きで行き過ぎた動きになります。ただそれはやがて、理屈の範囲内に収斂されます。その道標の手掛かりになる客観的事実の確認が適切にできるか、それこそが専門家の評価を左右する決定的なポイントだと思っています。(了)

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