今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/10/26 13:52「ポジション調整の11月」からの示唆

来週から11月になります。11月の特徴の一つに、ポジション調整が入りやすいということがありますので、今回はそれをテーマに考えてみたいと思います。
 
◆11月のドルは、10月のポジションで決まる
11月のドルは、10月までのポジションが極端な偏りのない時を除くと、おおむねそのポジションと逆に動くことが多くなっていました。これは、金融市場のリード役であるヘッジファンドは11月を決算期末とするところが多く、また12月は欧米企業の年度末となるため、ポジション調整が本格化しやすいためと理解されています。
 
こんなふうに、11月のドルの運命は、10月までのポジション次第ともいえそうなのですが、では足元のドルのポジションはどうかというと≪資料≫のように、やや「買われ過ぎ」気味のようです。
 
≪資料≫
 
これは、CFTC(米商品先物取引委員会)統計で、非米ドル主要5通貨(円、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、加ドル)のポジションから、ドルのポジションを推計したものですが、欧州通貨を中心に、円以外は軒並み売り越しとなっていることから、その裏返しとしてドルはかなり「買われ過ぎ」気味になっている可能性があるわけです。
 
この間、欧州債務不安などへの懸念からリスク回避が続き、リスク資産を売って、決済通貨で基軸通貨のドル買いが広がるといった「有事のドル買い」となってきました。そんなポジションを、11月にかけて手仕舞いに向かうとなると、ドルは売られることになりそうです。
 
◆欧州債務問題への反応が鈍くなる理由
ではそういったドル売りの中で、ドル安・円高も進むことになるかといえば、その点は疑問です。なぜなら、10月までのドル「買われ過ぎ」気味の背景は、上述のようにリスク資産売り、安全資産買いの結果と見られわけですから、そのポジション調整はリスク資産買い、安全資産売りとなるはずです。一般的に「安全資産」とされることの多い円は買われるのではなく、むしろ売られる可能性が高いということになるでしょう。
 
ところで、期末が近付き、新たなリスクをとりにくい、むしろリスクを圧縮するという意味でのポジションの手仕舞いに向かいやすいということは、現在焦点となっている欧州債務対策と金融市場の関係を考える上でも一つのヒントになるでしょう。
 
欧州債務問題が懸念される中で、金融市場はリスク資産を売るという内容のリスクを拡大してきました。ただそのリスクをさらに拡大するのは難しいということなら、よほどのことがない限り、欧州債務問題への懸念から新たなリスク資産売りというリスク回避が広がるのも難しい状況になっているのではないでしょうか。(了)
 

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