今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/10/24 12:10ユーロ、豪ドルの下落は限られるのか

欧州債務対策などをにらみながらユーロや豪ドルも不安定な動きが続いています。ただ前者はすでにかなり「売られ過ぎ」になったということ、そして後者も一時の急落で上がり過ぎが修正されたことで、新たに大きく売り込まれるのも微妙ではないかと考えます。  

◆「売られ過ぎ」のユーロ
CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、投機筋のユーロ売り越しは一時8万枚以上に拡大しました。これまでの売り越し最大は、2010年5月にかけて、ユーロ危機と呼ばれた局面で記録した11万枚でしたから、それに近付く売り越し拡大は、かなり「売られ過ぎ」懸念が強まったといえるでしょう≪資料1参照≫。  

≪資料1≫  

一時、対円で107円まで反発したユーロでしたが、依然として欧州債務問題の先行き不安がくすぶる中で不安定な展開が続いています。ただし、あらためて大きく売り込まれるかといえば、これまで見てきたようにすでにかなり「売られ過ぎ」といえる状況になっていると見られることも考えると、自ずと限界があるのではないかと考えます。  

◆豪ドル70円割れの「条件」とは?
次は人気の高金利通貨、豪ドルについて。豪ドルの対米ドル相場は、5年線からのかい離率が、一時3割近くまで拡大していました。これは経験的にかなり上がり過ぎ懸念が強いことを示すものでした≪資料2参照≫。その意味では、一時1.1ドル程度まで豪ドル高・米ドル安となった動きは、行き過ぎた可能性が強かったわけです。  

ただ、9月末にかけて1ドルを一時豪ドルが大きく割り込んだところでは、このかい離率が1割程度まで縮小しました。その意味では、対米ドルでの豪ドル上がり過ぎ懸念もかなり修正されたといえそうです。  

≪資料2≫  

次は豪ドルの対円相場についても見てみたいと思います。豪ドル円の5年線は、足元85円程度ですから、この数ヶ月の豪ドル円は、5年線との関係で見るとほぼ中立圏での推移でした。一時豪ドル円が72円程度まで急落したことで、豪ドル円の5年線からのかい離率はマイナス10%以上に拡大しました。  

ところで、同かい離率がマイナス10%を大きく超えて拡大したのは、ここ数年間では「100年に一度の危機」の時だけ(厳密に言うと、今年の震災時も当てはまりますが、その時は一瞬の出来事で終わりました)。その意味では、「100年に一度の危機」再来とならないかぎり、一時の72円を大きく割り込む豪ドル下落が進むのは基本的に難しい状況になっていると考えられます。  

豪ドルの適正価格の目安である購買力平価は、71円、0.7ドル程度であり、それと比較すると、とくに対米ドルでの豪ドル割高懸念は依然として強く、それは中長期的に引き続き頭に入れておく必要がありそうです。ただ、今回のように移動平均からのかい離率などを見ると、目先については少し違った「風景」が見えてくることでしょう。(了)

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