今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/10/17 13:30数ヶ月の円安が始まったのか

金融市場の不安定な動きに一息つく兆しが出てくる中で、為替は円安に動き出した。ここ数年、リスク回避局面が一段落つくと、円は数ヶ月にわたり、15%前後の下落に向かう「中期円安」のパターンがあったが、今回もそれが始まった可能性は注目されます。
 
◆リスク回避反動の円安
「100年に一度の危機」が展開したのは、2008年から2009年にかけて。その中でも、リスク回避が一段落した局面で、円は4-5ヶ月にわたり15%前後の下落に向かいました≪資料参照≫。
 
ここに来て、8月から急拡大した米国のリセッション転落懸念や、欧州債務危機などは、「世界経済同時多発危機」と呼ぶ声すらありました。ただそれも最近にかけて、一息つく気配となっています。その中で、じわり円安へ動き出す兆しが出てきたことは、リスク回避一段落での中期的な円安が始まった可能性もあるだけに注目されるところと言えそうです。
 
ヘッジファンドなどは、円の買い越し、ドル売り越しが続いていると思われます。そんなヘッジファンドがドル円の取引で重視するとされる120日移動平均線は79円程度を推移している。このため、79円を超えてくると、ヘッジファンドのドル買い戻しが広がることで、上述のリスク回避一段落を受けた中期的円安シナリオが一段と現実味を増す可能性があります。
 
◆4000億ドルのドル買い
ところで、高水準の米失業率が続く中、雇用対策としてのHIA、米国内投資還流法への関心が再燃する兆しが出てきました。
 
HIAは、雇用促進法の一つ。それがここに来てあらためて注目を集めているのは、もちろん失業率が依然として9%以上で推移するなど、雇用情勢の改善が遅々して進まないということが挙げられます。その中で、最近になり、野党共和党の中から、来年に予定される大統領選挙への立候補者の中に、HIAを支持する声が出てきたことで、それが実現する可能性が一部で注目されてきたわけです。
 
このHIAは、2005年にも、当時のブッシュ政権のもとで採用されました。この時は、このHIAの影響がどれだけあったかはともかく、実際のドル相場は上昇となりました。こういったこともあり、あらためてHIAが採用されるとなると、需給的にドル高を後押しする影響として無視できないとの見方があるわけです。
 
かりに、HIA採用となった場合のドル買い発生推計はマチマチながら、最大では4000億ドルにも上るとの見方すらある。かりにそれほどにもなるようなら、確かに需給的にも無視できないドル買いと言えそうです。(了)
 
≪資料≫

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