今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/10/11 12:20ユーロが下がる理由、下がらない理由

ユーロはここに来て、急落が広がりました。ギリシャのデフォルト懸念など、欧州の財政不安が一段と広がったためとされます。では今後はどうなるでしょうか。
 
◆「100年に一度の危機」再来でも割高なユーロ
ユーロドルの適正価格の目安である購買力平価は、足元1.2ドル程度です。したがって、最近のように1.3ドルをユーロが上回っている中では、依然としてユーロは1割程度の割高ということになるわけです。
 
相場は適正価格でつねに動くわけではないので、1割程度など決して極端な割高ではないので、それが続いても普段なら別におかしくないところでしょう。ただこのようにユーロ割高な中で、欧州の信用不安が高まっていることは無視できない話でしょう。
 
≪資料1≫は、欧州の信用リスクを示すCDS指数というものですが、これを見ると、欧州に対する信用リスクは、ほとんど「100年に一度の危機」の水準まで戻ってきたことがわかります。要するに、米国や日本と異なり、欧州では、「100年に一度の危機」が再来した形になっているわけです。
 
≪資料1≫

普段の時ならともかく、「100年に一度の危機」が再来している中で、ユーロが割高を維持することは果たしてできるのでしょうか。普通に考えたら難しいと思います。だから、私は、対米ドルでは、ユーロ下落はまだこの先も続いていくのではないかと考えています。
 
◆ユーロは年内100円を割れない?
ただそんなユーロではありますが、目先的にはいったん下落が止まってもおかしくない、そんな理由を2つお話します。一つは、金利が下がりすぎており、いったん反発する可能性があるということです。
 
ECBの政策を反映する独1年債利回りの90日移動平均線からのかい離率は、異常な下がり過ぎの可能性を示しているのです。下がり過ぎの修正で、金利が上がると、ユーロも反発する可能性があるでしょう。
 
そしてそんなユーロは、すでにかなり売られ過ぎとなっているようです。≪資料2≫はユーロのポジションですが、かなり記録的なユーロ売り越しになってきたことがわかるでしょう。こういった中で、さきほど見たように、金利が修正で上がるようなら、ユーロ買い戻しが入る可能性は十分あるでしょう。
 
≪資料2≫

 とくにそういった面は、対円で焦点になるのではないでしょうか。対円では、ユーロはかなり下がり過ぎの可能性があるからです。ユーロ円の5年線からのかい離率は、記録的な下がり過ぎ圏での推移が続いています。
 
一時100円割れ寸前まで下落したユーロですが、このようなデータを見ると、かなり下がり過ぎた動きになっている可能性がありそうですので、当面のユーロ続落リスクに対し、私は懐疑的なのです。(了)

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