今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/10/03 11:57「安全資産」下落は「希望」の兆しなのか

最近の金融市場の先行き不安拡大といった悲観論は、先進国の財政・金融政策の限界に伴う手の施しようのないものといった「絶望」的な話ではなく、財政政策の判断ミス、ECBなどの金融政策の判断ミスが加速させたものであり、ただしその修正に動き出しているのだから、悲観論も修正される「希望」は見出せるのではないでしょうか。
 
◆米金利上昇、金急落の意味とは?
そうでなくても、悲観論を受けた米金利の低下は、経験的に「異常」といえる動きになっています。米長期金利、10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率は、一時1.7%割れとなった局面で、じつにマイナス40%近くまで拡大、史上2番目の下がり過ぎとなりました。
 
これは、悲観論の拡大が目先的に限界に達しており、修正に向かう可能性を感じさせるものだと思います。そしてこれまで見てきたように、悲観論の拡大が「絶望」的なものではなく、政策判断ミスの結果だったが、その軌道修正に動き始めているということなら、確かに悲観論が修正に向かう可能性はあると思うわけです。
 
ところで、米長期金利が最近を上回る「史上最大の下がり過ぎ」となったのは、2008年12月のことでした。それが反転、上昇へ向かった動きと、この9月から徐々に米長期金利が上昇し始めた動きを重ねたのが≪資料1≫です。
 
≪資料1≫
 
私は、米金利の異常な下がり過ぎが修正に向かうには、一定のパターンがある可能性があると考え、この≪資料1≫を作ってみました。最近のような史上第二位の米金利下がり過ぎは、史上第一位の下がり過ぎと、これまでのところ少し似たような修正経路を辿りつつあるようにも見えます。同じように今後も展開するなら、3-4ヶ月後に、米長期金利は3%に戻っている見通しになるわけです。
 
さて、米金利、米国債は「安全資産」の代表格です。そんな米国債が下落し、その利回りである米金利が上がってきたのは、危機の一服と修正を先取りしている可能性を感じさせるものです。ところで、それはもう一つの代表的な「安全資産」、金相場の動きにも見られる兆候です。
 
金相場は、8月下旬に終値ベースの高値を付けると、その後一ヶ月余りで最大15%程度もの大幅反落となりました。この「安全資産」の代表的存在である金の大幅反落は、どんな意味なのでしょうか。
 
ちなみに、金は、2008年3月から半年以上にわたり30%程度もの大幅反落に向かいました。それと最近の金相場のグラフを重ねたのが≪資料2≫です。ちょっと似たような動きにも見えませんか。その意味では、この一ヶ月余りの金の反落は、当面の天井をつけ、30%程度の大幅反落に向かう始まりに過ぎないのかもしれないわけです。
 
≪資料2≫

こんなふうに、金、そして米国債といった代表的な安全資産が当面の上昇相場を終えて、数ヶ月スパンの大幅下落を始めているということなら、その理由は何なのか。この点からも、最初に見てきたように、悲観相場がいったん終わり、修正に向かい始めている可能性がやはりあるのではないでしょうか。(了)

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