今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/09/26 13:01「有事のドル高」とクロス円の関係

先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)以降、対円以外でドル一段高が顕著になった。株価が一段安となり、金融市場のリスクが高まったことから、ドル不足のカバーを急ぐ、このところ目立っていた「有事のドル高」が拡大したといえそうだ。
 
◆クロス円反転の鍵とは?
金融市場の不安定な展開が続く中で、為替市場ではドルが一段高になるといった「有事のドル高」といえる動きがこの間目立っている。この一因としては、高金利通貨ほど、低い金利である米ドルでの資金調達への依存を高めていたということがあるだろう。それが、金融市場のリスクが高まり、ドル資金の手当てが困難になる中で、外為市場でのドル買いを拡大しているということだろう。
 
このように考えると、米ドル以上の低金利である円においては、「有事のドル高」の対象外のような展開になっているのも辻褄は合うところだ。この結果、「有事のドル高」では、ドル以外の外貨が円に対して下落する、いわゆるクロス円の下落が目立っているわけだ。
 
これがこの先も続くか、転換に向かうかの一つの鍵は米金利だろう。米金利が上昇へ向かい、ドル円でもドル買い・円売り発生となるようなら、クロス円の下落(円高)に歯止めがかかる可能性が出てくる。
 
そういった手掛かりがないわけでもないだろう。FOMCの結果を受けて、米株は急落、その中で米長期金利は一時1.7%台へ一段と低下したものの、これにより米長期金利の90日移動平均線からのかい離率はマイナス30%をふたたび大きく超えてきた。これは、経験的には異常な下がり過ぎの可能性といえるものだ≪資料1参照≫。
 
≪資料1≫
 
そんな米金利の異常ともいえる下がり過ぎが一巡し、上昇に転じるようならドル円も上昇に向かう可能性が出てくる。それがクロス円下落の一つの鍵を握っていると思われる。
 
◆豪ドル割高問題の本質とは?
ところで、豪ドルはこの間、対円でも、対米ドルでも、適正水準の目安である購買力平価との関係を見るとかなり割高懸念が強くなっていた。ここに来て、豪ドル反落が続く中で、そういった割高感も修正されてきたが、それでもまだ対米ドルでは30%超の豪ドル割高になる計算だ≪資料2参照≫。
 
これでもわかるとおり、とりわけ強いのは対米ドルでの豪ドル割高感だ。豪ドルの対米ドル購買力平価は0.7ドル程度であり、このため一時1.1ドルまで豪ドル高が進んだ局面では、購買力平価に対する割高率は50%を超える空前のものとなった。
 
このように対米ドルでの豪ドル割高感は空前規模だけに、今後の豪ドル反落も、この対米ドルでの動きが大きな目安となりそうだ。ちなみに、購買力平価からのかい離率は、0.9ドルでも3割を超えている計算になる。(了)
 
≪資料2≫

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