今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/09/21 14:34スイスと韓国はなぜ通貨安に転換したのか

 円高はなかなか終わりませんが、ともに通貨高が問題視されてきたスイスフランは、対ユーロ、米ドルでともに2割以上の急落となっています。ドル円の感覚からすると、逆方向へ2割以上の動きは、綾戻しではなく、基調転換の可能性があるものだけに、その意味ではスイスフラン高は、円高より早く終わったのかもしれません。

ところで、そんなスイスフラン以上に興味深いのは韓国ウォンかもしれません。ウォン高を懸念していた韓国は、最近は一転してウォン買い・米ドル売り介入に動き、ウォン安阻止に動いているようなのです。

円高で苦悩する日本からすると「羨ましい」と映るかもしれない、このスイスと韓国における通貨安の動きは、なぜ起こったのか。それは、水面下の「米ドル復活」の影響があるのではないでしょうか。
今回は、それをとくに韓国ウォンについて分析してみたいと思います。


◆ウォン安と本格ドル高の関係
≪資料1≫のように、2008年1月から2009年3月にかけて、対ウォンでドルは約6割の大幅高となりました。また、2010年4月から6月にかけても、1割を超える対ウォンでのドル高が起こりました。


こうした時期に目立ったドル高・ウォン安は、ドルが総合的に本格上昇となった局面と重なっていました。≪資料2≫は、米ドルの総合力を示す実効相場ですが、2008年以降の総合的ドル高局面は、2008年3月から2009年3月までの一年間と、そして2009年12月から2010年6月までの約半年間でした。

この2回のドル高局面で、上述のような大幅なドル高・ウォン安が起こっていたわけです。とくに興味深いのは、2008年1月からのドル高・ウォン安は、2008年3月から約1年続くところとなった本格ドル高、「ドル復活」を結果的に先取りする形となっていました。


このような「ドル復活」に対するドル高・ウォン安の先行性は、偶然ではなかったかもしれません。ある調査によると、「1970年以降の平均と標準偏差を使って計算した偏差値を比べると、(中略)ドルとウォンは割安度で世界ランキング1位と3位である」(大手米系証券レポート)とされます。その意味では、最も割安なドルの復活が、対ウォンで全体より早く出てくるということは考えられるところです。

じつは、実効相場で見ると、米ドルは7月末で底打ち、最近にかけて約1ヶ月半以上にわたり上昇してきました。その意味では、「ドル復活」が広がり始めた中で、介入が必要なほどドル高・ウォン安が進んできた可能性は考えられなくないところです。


◆ウォン安を決めるのはドル高
ちなみに、最近のドル安・ウォン高のピークも、7月末の1050ウォン程度でした。まさに、実効相場のドル高が進む中で、ドル高・ウォン安も広がり、ウォン買い介入を行うところまでになってきたわけです。

上述のように、2008年以降で、おもに2回あったドル高・ウォン安局面で、1度はドルが6割、もう一度も1割以上のドル高となりました。今回、かりに1050ウォンから1割のドル高なら1150ウォン程度に、6割のドル高なら1700ウォン程度までドル高・ウォン安になる計算です。それは、これまでの経験からすると、「ドル復活」がいつ一段落するかで決まることになりそうですが、果たしてどうでしょうか?

また、そんなふうに全体的に「ドル復活」が広がるなら、それがドル円にも波及するのか、それともいつまでも蚊帳の外なのかが次の焦点になるでしょう。(了)

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