今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/09/20 12:55米国は「ITバブル後米国」に似ている

私は米金利は経験的に空前の下がり過ぎだから、もうそれほど下がらないだろう、むしろ下がり過ぎの修正で上昇へ向かう可能性があると思っています。ただそれは、理屈としてはわかるものの、でも本当だろうかといった具合に「抵抗感」を感じる人はまだまだ少なくないのではないでしょうか。
 
その最大の理由は、米国もバブル崩壊後の日本のような長期低迷に陥っているかもしれないとの見方でしょう。そうであるなら、たとえ空前の金利下がり過ぎとはいえ、果たして本当に上がるのだろうかといった疑問はわからなくないところです。そこで、これから、本当に今の米国は、日本の二の舞となるのかについて考えてみたいと思います。
 
◆米金利が上がらないというのは正しいのか?!
≪資料≫をご覧下さい。これは3つのインフレ率のグラフを重ねたものですが、このうち緑色のグラフが、2007年以降の米国のインフレ率ですが、これはほかの2本のグラフ、赤と青のグラフのどちらに似ているでしょうか。ほとんどの人が赤のグラフに似ていると答えるでしょう。
 
≪資料≫
 
ところで、この赤のグラフは、2000年以降、ITバブル破裂後の米国のインフレ率。そしてもう一本、青のグラフは1990年以降、バブル破裂後の日本のインフレ率なのです。このように見ると、最近の米国は、「バブル後の日本」に似ているのではなく、「ITバブル後の米国」自身に似ているということになるでしょう。
 
現在の米国が、こんなふうに「バブル後の日本」と「ITバブル後の米国」のどちらに似ているかによって、その意味するところは正反対になります。つまり、2007年から今年で4年目になるわけですが、「バブル後日本」の4年目は1990年代半ば、そして「ITバブル後米国」の4年目なら2004年ということになります。
 
1990年代半ばから、日本ではバブル破裂第2幕が始まり、1990年代後半は大手銀行、証券が破綻する金融危機へ向かって、ついには本格的なデフレへの転落となったわけです。これに対して、ITバブル後の米国では、2003年にデフレへの転落を回避すると、4年目の2004年から利上げを始めたのです。
 
さて、こんなふうに、インフレ率の推移を見ると、今の米国は「バブル後日本」より、「ITバブル後の米国」に似ていました。そんなふうに似ている、「ITバブル後の米国」は、これから利上げを始めていくことになったのです。
 
それなのに、それと似ている今の米国の金利が上がらないということになるのでしょうか。ましてや、その今の米国の金利は、空前の下がり過ぎになっている可能性があります。そうであれば、FOMC(米連邦公開市場委員会)でちょっとやそっとのことでは、さらに異常な下がり過ぎ拡大に向かうより、修正で上昇に向かう可能性が高いということではないでしょうか。(了)

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