今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/09/12 15:26G7財政合意と悲観論の修正

先週末G7(7カ国財務相会議)が開かれました。今回のG7の結果に対して、一般的な評価はかなり厳しいようです。「具体的成果はなかった」といった評価が多かったようですが、私は今G7ができることはそもそも限られる中で、ベストに近いことをやったのではないかと思います。


◆短期の財政刺激を強調し、金融緩和への言及は一部
今回のG7合意を見ると、かなり多くの部分で財政政策について述べています。それに比べると、金融政策への言及は一部にとどまっています。

しかも、この財政政策についての言及は、財政赤字削減、債務削減より、むしろ中長期的なそういった財政再建の中で、いかに短期的に財政刺激策をやることが必要かということを強調しているように読めます。米オバマ大統領が、このG7前日に発表した雇用対策について言及しているのは、まさにそういった観点です。

金融市場では、とくに先進国の場合、巨額の財政赤字を抱え、財政政策の景気刺激には限界があり、あとはせいぜい金融政策が何をやるかだけが関心のように言われていますが、それと今回のG7合意は、かなりギャップがあると思います。それでは、G7は、金融市場などの考え方は百も承知の上で、わざと知らないふりをしたのでしょうか。

しかし、たとえば、米長期金利の推移を見ると、金融市場の先行き不安はじわじわと進んだものではなく、「ある日突然」急に広がったものだと思います。≪資料1≫は米長期金利の推移ですが、米長期金利は、8月上旬に3%から2%へ急低下しました。これは、米国がデフォルト回避のために、短期的にも財政政策を否定したことが主因だと思います。

そんなふうに考えると、金融市場の悲観論は、先進国の政策的な限界を懸念しじわじわ広がってきたものではなく、「ある日突然」、急浮上したもので、そのきっかけは客観的に見ると米国も緊縮財政に過度に傾斜しかねないと受け止められたことではないでしょうか。そうだとすると、オバマ大統領の雇用対策や、今回のG7でその軌道修正に動いたことに意味がないとは思いません。

もちろん、まだオバマ大統領の雇用対策にしても、抵抗の強い米議会を経て実現するか、懐疑的な見方はあるでしょう。ただ、8月から急拡大するところとなった世界経済の超悲観論のきっかけが、かりに米財政政策への不安だとするなら、その軌道修正を始めたことは、悲観論の修正が始まっていく可能性も感じさせるところだと思います。(了)


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