今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/09/05 14:21「NFPショック相場」限界の理由

注目された2日の米8月雇用統計では、NFP、雇用者数が前月比6-7万人の増加といった事前予想に対し、前月からほぼ横ばいにとどまるといった具合に予想を大きく下回る悪い結果となりました≪資料1参照≫。今回の結果は、前月比4万人の小幅な減少となった2010年9月以来の悪い結果でした。
 
≪資料1≫

これを受けて、米国はリセッションに転落するのではないかといった具合に、悲観論に大きく傾斜し始めていた金融市場のムードは、さらに悲観的になってきたようです。ただし、だからといって、これであらためて一段と弱気相場、つまり株が売られ、金利が下がり、そしてドルも売られるかといえば、それはちょっと違うかもしれません。
 
なぜなら、この雇用統計発表前から、すでに金融市場は先行する形で弱気相場が展開していたからです。悪い結果を確認したからといっても、ここからさらに弱気相場が一段と進むというより、むしろ行き過ぎた弱気相場の修正が入ってもおかしくないとすら私は考えています。
 
今回のNFPは2010年9月以来の悪い結果でした。ちょうど、今から一年前ぐらいに、米景気の「二番底」が取り沙汰された頃になりますが、NFPは2010年6月からこの9月まで4ヶ月連続で前月比減少となったのです。
 
では、その当時の米長期金利、10年債利回りはいくらぐらいだったかといえば、2.5-3%中心のレンジで推移していたのです≪資料2参照≫。それと比べると、この8月NFPは確かに予想よりかなり悪い結果ではありましたが、それでもまだ大幅マイナスになったわけでもなかったのに、すでに米長期金利は2%前後まで下がっているわけですから、金利は悪い結果を織り込み過ぎるほど織り込んでいたということになるでしょう。その意味では、さらに下がるというより、むしろ下がり過ぎの可能性すらあると思います。
 
≪資料2≫

ちなみに、米長期金利が最近と同じように2%前後まで下がったのは2008年暮れから2009年初めにかけてでした。まさに「100年に一度の危機」の真っ最中の時でした。ではその当時、NFPはどうだったかといえば、前月比30-70万人もの大幅な減少が続いていたのです。
 
こんなふうに比較してみても、NFP横ばいという今回の結果と米長期金利2%というのはアンバランスだと思います。アンバランス、つまり金利下がり過ぎの修正が入ってもおかしくないと思うし、いずれにしてもこの結果を受けて米金利が一段と下がるのは難しいのではないかと思うわけです。(了)

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