今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/08/29 12:09安全資産バブル破裂と8月の基調転換

24日、金相場と米債券相場が急落した。ともに代表的な「安全資産」とされてきたものだ。では、通貨で代表的な「安全資産」とされてきたスイスフランと円も下落に向かうのだろうか。たとえば、以下のようなパターン分析を参考にすると、4―5ヶ月で85円前後を目指す円安・ドル高に向かうシナリオが始まったと考えてもおかしくない。
 
◆金と債券急落の示唆
24日の金相場は5%を超える急落となった。これは2008年3月以来の急落だという。ところで、その2008年3月の金急落は、その後8ヶ月で3割も金が下落する相場の始まりだったのである。
 
そしてそんな数ヶ月に渡る金下落相場は、為替においては円安・ドル高だった。2008年3月、金が天井を打ったのとほぼ同じタイミングで円高・ドル安も一巡すると、その後は約5ヶ月で13%程度のドル高・円安となった。
 
24日は米債券相場の急落、利回りの急騰も印象深い動きだった。そもそも、この間の米10年債利回りは、90日移動平均線からのかい離率がマイナス30%前後に達するなど異常な下がり過ぎと見られただけに、その修正が本格化し始めた可能性がある。
 
ところで、米10年債利回りの90日移動平均線からのかい離率がマイナス40%にも達し、今回を上回る異常な米金利の下がり過ぎとなっていた動きが極まり、反転に向かったのは2008年12月だった。その中で、米10年債利回りは2ヶ月で1%といった大幅上昇となっていった。

<資料1>

それは、為替において、円高・ドル安が極まり、円安・ドル高が数ヶ月スパンで展開する動きと平行するところとなった。米債券利回り、つまり米長期金利の大幅上昇が広がる中で、円安・ドル高も約4ヶ月で15%進むところとなったのである。
 
最初に紹介した金下落と平行したドル高・円安は、5ヶ月で13%だった。そして次に紹介した米債券下落・金利上昇と平行したドル高・円安は、4ヶ月で15%だった。さて、今回も金と米債券の数ヶ月に渡る下落相場の中で、ドル高・円安が4-5ヶ月で13-15%進むなら85円前後に向かうといった計算になるが、果たしてどうか?
 
◆8月基調転換の前例
ところで、経験的には、円相場の長期的な天底は年前半につけることが多い。そういった中で、8月に天底をつけたのは、1998年8月、147円で円安のピークをつけた例がある。
 
1988年以降で、円相場の長期的な天底は7回あった。この四半期別の内訳は、1-3月期が2回、4-6月期が3回、7-9月期、10-12月期がそれぞれ1回ずつ。このように見ると、じつに7割の確率で、年前半に天底をつけていたわけだ。
 
経験的には、基調転換は年末から春までの間に起こることが多いといえそうだ。その意味では、ここに来て3月に記録した対米ドルでの円最高値を更新してきたわけだが、基調転換はもう少し時間がかかってもおかしくない感じになったとはいえる。
 
ただ、こういった中でこの8月に円相場が天底をつけた例は、1998年8月に147円で円安がピークをつけたケースだ。これは、1995年の80円からじつに8割ものドル高が進んだ後、一転して数ヶ月で110円までドル暴落となった局面だった。
 
さて、そんな相場の大転換といった8月基調転換が起こるのか。それとも、円高から円安への転換は、かなり後ずれすることになってしまうのか。(了)

<資料2>




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