今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/08/01 12:37「荒れる夏」はまだ終わらない

7月のドル円値幅は、4月以来、3カ月ぶりに3円を大きく超えてきた。経験的には、長く続いた小動きが一巡した後の値幅拡大、大相場は2カ月以上続くのが基本。その意味では、普通は「夏枯れ」で小動きとなるところが、7月に続き、8月も荒れ相場となる可能性がありそうだ。
 
◆長引いた小動きの反動
5、6月と2カ月連続でドル円は3円未満の値幅にとどまる小動きとなったが、7月は3カ月ぶりに値幅が3円を大きく超えてきた。3円未満の小動きが3カ月以上続くことはないといったこれまでの経験則通りの結果となっている。
 
ところで、今回と同じように3円未満の値幅が2カ月続いた後、値幅拡大となったケースは、2007年と今年の初めの2回あった。今年の場合は、3月に大震災の影響もあって一気に6円以上の値幅に拡大し、そして翌4月も4円以上の値幅となった。
 
また、2007年6月も3カ月ぶりに値幅が3円以上に拡大すると、その後は7、8月と2カ月連続で5円を大きく超える値幅となるなど、一転して大相場が続いた。小動きが続いた中で蓄積されたエネルギーが解き放たれた影響もあったのだろうか。その意味では、今回の場合も、長引いた小動きの反動の大相場が、まだ8月にかけても続く可能性は注目される。
 
◆脱ソフトパッチ相場は始まるか
では、荒れ相場が続くとして、その方向性はどうなるかを考える上では、以下の点が手掛かりになるのではないか。28日に発表された米失業保険申請件数が改善したことなどを受け、脱ソフトパッチ(ソフトパッチ:一時的経済鈍化)、米景気が踊り場局面を脱し、回復を再開し始めたとの見方が広がり出したということだ。
 
かりに脱ソフトパッチなら何が起こるか。たとえば、昨年の場合も、夏にかけて米景気の「二番底」懸念が広がったが、それが一巡し、景気回復が再開したのは結果的には9月からだったが、その9月に米株は1割近い上昇となった。
 
そんな、昨年は9月から起こった株高などの動きが、今年は一ヶ月前倒しで、8月から始まる可能性も一部で注目され始めているということだ。
 
ドルは対円で7月に入ってからレンジを下抜けた展開となった。米デフォルト不安などの影響もあっただろうが、基本は7月初めに発表された米雇用統計があまりにひどい結果となったことで、米景気悲観が強くなったことだっただろう。これを受けて、米景気への見方も一段と慎重になってきた。
 
ただ、そんな慎重な見方ほどは、意外と悪くないことを確認するところとなったのが昨年は9月だった。そしてそれは、結果的には景気回復再開の始まりだったのである。今年の場合、8月にかけて、「意外に悪くない」ことが確認できれば、後から振り返った時、「脱ソフトパッチ」の始まりだったということになるだろう。
 
昨年の場合は、景気回復再開の可能性を横ににらむ形で株価が上昇。その後、金利とドルも上昇へ向かった。そんな「脱ソフトパッチ」相場ともいえる動きが始まる可能性が、一部で注目され始めたようだ。(了)

<資料>ドル円の騰落状況および月間値幅


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