今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/07/13 12:11介入ができる理由とやらない理由

円高・ドル安が80円を大きく割り込んできました。これに対して3月は円売り介入が実現し、5月は円売り介入は行われませんでした。では、今回はどうか。少なくとも、5月よりは介入する可能性は少し出てきたでしょう。
 
◆介入の十分条件
3月に、G7協調円売り介入が実現したのは、ドル円79円、ユーロ円110円、日経平均9000円という状況でした。円全面高で、株安という中で円売り介入が行われたわけです。

これに対して、5月にも一時円高・ドル安は79円台まで進みましたが、この時はユーロ円は115円、日経平均も1万円でした。ドル安・円高でしたが、ユーロ円は円安・ユーロ高で、しかも株高だったから円売り介入は行われなかったということでしょう。

さて、今週はドル円79円、ユーロ円110円、日経平均1万円です。まだ円売り介入するほどの株安かは疑問ですが、少なくとも5月とは違って、円全面高の構図が再燃しているのは、円売り介入を行う可能性が一歩前進しているとはいえそうです。

それでも、一般的に介入警戒感がそれほど高まっていないのは、日本政府の円高阻止も株安が強く意識されているとの理解があるからでしょう。たとえば、日本政府は単独で2010年9月にも円売り介入に出動しましたが、この時のドル円の水準は85円前後。そして日経平均は9000円前後でした。

2010年9月の円売り介入は、今年3月の円売り協調介入と比べるとかなり円安・ドル高でしたが、株価の水準が近いものだったということは、政府は為替の水準より、景気や株価を意識しながら円売り介入を判断している可能性を感じさせます。

 
◆介入が効果的になる条件
それでは、今後介入する十分条件が整い、介入に出動したら効果はあるでしょうか。ある程度は、効果が期待できるのではないかと私は思います。

3月の協調介入が円高阻止、円安誘導に効果的だったのは、市場が行き過ぎた円買い(ドル売り)に傾斜しており、その反動が入りやすかったことも一因だったと思います。CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、円の買い越しは5万枚前後が限界圏ですが、3月の介入の際はそれに近い状況にありました。

一方、5月は円は売り越し(ドル買い越し)となっていました。市場が円売り・ドル買いに傾斜している中で、円売り・トル買い介入に動いてもなかなか効果は期待できなかったでしょう。

これに対して、7月5日現在で、円は1.4万枚の買い越しでした。行き過ぎた円買い・ドル売りとまではいかないものの、少なくとも円売り・ドル買いになっていたわけではないし、今後の状況次第では円買い・ドル売りが行き過ぎとなり、円売り介入が効果的になりやすくなる可能性はあると思います。(了)

<資料>

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