今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/07/11 08:50米デフォルト問題とドル安終了の判定法

8月に一つの期限を迎える予定の、米国の債務上限見直し、いわゆる米国債デフォルト懸念の問題が、どれだけ米景気とドルの楽観シナリオに水を差す役割になっているのかはちょっと微妙なところですので、それについても少し考えてみたいと思います。


◆米デフォルト問題めぐる3つのシナリオ
この問題がどんなシナリオになるかについて、専門家がどのように見ているか、またそれぞれのシナリオにおいて、ドルや株、金利といった金融市場がどのような反応を示すことになるかについて、「資料1」で簡単にまとめてみました。

この問題は、これまでも度々取り沙汰されてきたものですが、今回の場合とりわけ注目を集めているのは、中間選挙以降の野党・共和党の強気の姿勢が変わらず、とりわけ歳出削減策をめぐる民主党と共和党の歩み寄りが一向に見られないということが大きいでしょう。

「チキンゲームのまま、期限内に合意できない可能性もゼロではない」との警戒感がくすぶっており、せいぜい2割程度の確率とされていますが、万一そうなった場合、米国債格下げの可能性も高まるため、金融市場はドル・債券・株の「トリプル安」に向かいかねないと考えられています。

一方で、歳出削減も含め、与野党が期限内に完全合意となった場合は「トリプル高」の可能性がありますが、確率はせいぜい1-2割程度しかなさそうです。最も現実的なのは、デフォルトといった最悪の事態を回避するべく期限内に部分合意で妥協するシナリオですが、その場合金融市場は大きな反応はなさそうです。

米議会が債務上限引き上げで合意する期限について、米財務省は8月2日としています。ただこれが絶対的な期限かは微妙で、専門家の間では期限の延長は8月9日頃までは可能との見方が基本のようです。それにしても8月上旬に決着しないようなら、米政府は事実上の利払い不能、デフォルトに陥るとの見方ではほぼ一致しているわけです。


◆ドル安終了の2つの見極め基準
では、その見極めがつくまでは、ドル高も無理なのか。この点について、私は2つの基準を決めて判断したいと思っています。一つは、7日現在、81.8円程度で推移している120日移動平均線をドルが超えられるかということ。そしてもう一つは、83円を超えられるかということです。

120日線は、為替市場の代表的なプレーヤーであるヘッジファンドが重視しているとされます。簡単な言い方をすると、ヘッジファンドはドルが120日線を越えてくるとドル買いに転換する可能性が高いとされます。その意味では、81.8円をドルが上回ってくるようなら、ドル高が広がる可能性は高くなると思います。

ではもう一つの目安、83円はどんな意味かというと、これはドル円の52週移動平均線です。この52週線は、相場の転換において、いわゆるダマシが少ないと言われています。つまり、そんな52週線の位置する83円をドルが大きく上回ったり、一定期間以上上回るようなら、ドル安基調はすでに終わった可能性が高くなると考えているのです。(了)


「資料1」
http://www.m2j.co.jp/marketwave/images/report/yoshidareport20110711_02.JPG

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