今週はこう動く! マーケット羅針盤

2011/03/14 13:12「ユーロ本位制」から「原油本位制」へ

昨年の株価は、ユーロと不気味なほど相関性の高い状況が長く続いた。そんな「ユーロ本位制」は、昨年暮れで終わった。その上で最近は、原油価格との相関性が高い「原油本位制」の構図になり始めているといえるかもしれない。
 
◆金融市場を支配する原油の動向
NYダウは2月下旬にかけ1万2400ドル手前まで上昇した後に、急反落となった。これはまさに原油価格が、リビア情勢への懸念などから100ドルの大台突破へ急騰に向かった局面だった。米株の動きが、かなり原油相場の動向に支配されるようになっているといえそうだ。

昨年、米株の動きを支配したのはユーロだった。ユーロドルとNYダウの動きは、昨年4月から11月にかけて高い相関関係が続いた。本来的にユーロと米株の間に因果関係があるとも思えないが、それだけ昨年展開したユーロ危機への関心が高く、その結果影響力が大きかったということだろう。

このようなユーロの動きが米株の動きを支配する「ユーロ本位制」ともいえるような構図は、昨年11月で終了。その後は、昨年末から一時、アイルランドの財政懸念などをきっかけにユーロ危機第2幕かといった展開になった際も、米株は高値更新へ向かうといった具合に、ユーロ危機からの卒業が確認された。

このように見てくると、歴史的な展開に向かっている中東・アフリカ情勢を受けた最近の原油高騰は、世界的に注目されるテーマだけに、それが米株にも影響力を発揮しているというのはわからなくない。「ユーロ本位制」から「原油本位制」に変わっているともいえるだろう。

問題はこれがいつまで続くか。昨年の「ユーロ本位制」は半年以上も続いたが、「原油本位制」に金融市場が慣れ、本来的に因果関係の薄い一つのテーマに支配された構図がどれだけ続くかが焦点だ。
 
◆原油高は投機筋が主導
そんな原油(WTI)は、投機筋の買い越しが空前の規模に拡大している。ヘッジファンドなど主要な投機筋の取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、WTIのポジションは、2月末に買い越しが初めて20万枚の大台を突破、さらに3月1日現在では27万枚まで拡大した。

WTI価格は、2008年7月には147ドルまで急騰したことがあったが、この時でもWTI買い越しは15万枚を越えなかった。それを考えると、今回はいかに投機筋の買いが膨らんでいるかがよくわかるだろう。世界的な景気回復を受けた需要の拡大以上に、投機主導の原油高になっている面がありそうだ。

世界的に食料価格や資源価格が高騰する中で、G20など国際会議でも商品先物市場の監視強化、規制強化を巡る議論が続いている。今後はそれらの具体化についても一段と注目が高まる可能性があるだろう。(了)
 
【参考リンク】
*注1.WTIのポジション
https://www.money-and-money.com/osa/overshootalert.asp?mht1=osa&mht2=R&mht3=2&CODE=WTI#osata

<資料1>



 

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「今週はこう動く! マーケット羅針盤」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ