今週はこう動く! マーケット羅針盤

2017/11/20 09:48今週の注目通貨(米ドル/円)= リスクオンのポジション調整は米感謝祭で一巡、米ドル/円は52週MA大きく割れず?!

◆要約◆
・為替相場でのリスクオン取引について、米感謝祭が近付く中でポジション調整が本格化した結果が、先週の円高、資源・新興国通貨安の主因だったのではないか。
・株安トレンドへの転換とならない限り、先週為替市場で見られたリスクオフの取引も、あくまでリスクオン取引のポジション調整の範囲にとどまるのではないか。


◆なぜ先週為替市場でリスクオフが拡大したのか?

 先週の米ドル/円は、一時112円割れの反落となりました。先週は、そんな米ドル安・円高以外に、オセアニア通貨、加ドル、そしてトルコリラといった資源・新興国通貨の下落が目立ちました≪資料1参照≫安全資産の円が買われ、資源・新興国通貨が売られるのは、典型的なリスクオフといえるでしょう。

≪資料1≫
 
(出所:M2Jヒストリカル・データより作成)

 ただし、為替相場以外では必ずしもリスクオフが顕著になったわけではなさそうです。たとえば、原油相場は高値圏での推移が続き、株価は荒い値動きではありましたが、下落一辺倒の動きになったわけではありません。では、それでも先週の為替相場でリスクオフ・パターンが広がったのはなぜでしょうか。

 金融市場では、11月第4木曜日の米感謝祭の前にはポジション調整が本格化する傾向があります。米感謝祭は、日本のゴールデンウィークに相当する大型連休と位置付けられ、加えて11月末はヘッジファンドの決算期末でもあることから、ポジション調整が本格化しやすいとされます。

 今年は、世界一の超大国、米国のトランプ政権に対する不安や、北朝鮮問題などの地政学リスクといった懸念材料を抱えながらも、世界的な株高傾向が続きました。そういった中で、為替相場でもリスク資産買い、安全資産売りといったリスクオンの取引が拡大しました。

その代表例が円売りであり、そして豪ドル買いや加ドル買いでしょう≪資料2、3参照≫。そんな為替相場でのリスクオン取引について、米感謝祭が近付く中でポジション調整が本格化した結果が、先週の円高、資源・新興国通貨安の主因だったのではないでしょうか

≪資料2=投機筋の円のポジション (2013年-)≫
 
(出所:CFTC統計より作成)

≪資料3=投機筋の豪ドルのポジション (2013年-)≫
 
(出所:CFTC統計より作成)

そうであるなら、今週はまさに米感謝祭ウィークなだけに、リスクオン取引のポジション調整、つまり円買い、資源・新興国通貨売りには引き続き要注意なのかもしれません。ただし、感謝祭の後もさらにそれが広がるかといえば微妙ではないでしょうか。

上述のように、株価は荒い値動きながら、なお高値圏での推移が続いています。この背景には、やはり世界的な景気回復の影響があるのではないでしょうか。代表的な米GDP予測モデル、アトランタ連銀のGDPナウ、NY連銀のGDPナウキャストの最新の予想では、ともに米第4四半期の成長率は3%以上となっていました。
株安トレンドへの転換とならない限り、先週為替市場で見られたリスクオフの取引も、あくまでリスクオン取引のポジション調整の範囲にとどまるのではないでしょうか

米ドル/円は、足元で112.4円程度の52週MA(移動平均線)を先週末割り込みました≪資料4参照≫。経験的には、一時的な米ドル/円安なら52週MAを大きく長く割れない程度にとどまる可能性が高いといえます。これまで見てきたように、先週の動きがあくまで米感謝祭を前にしたリスクオンのポジション調整というのが基本なら、米ドル/円安も52週MAを大きく長く下回らない程度にとどまる見通しになります。(了)

≪資料4=米ドル/円と52週MA (2010年-)≫
 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

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【マーケットスクウェア】
先週金曜日のマーケットスクウェアは、「来週の相場材料」です。

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