FOMCとBOC会合に注目! 市場が反応しそう
2025/09/17 08:50
【ポイント】
・「ドット・プロット」などで市場のFRB金融政策見通しがどう変化するか
・総裁会見などでBOC(カナダ中銀)による早期の追加利下げ観測が高まるか
(欧米市場レビュー)
16日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は146.268円、米ドル/カナダドルは1.37341カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17565ドル、英ポンド/米ドルは1.36661ドル、豪ドル/米ドルは0.66832米ドルへと上昇。米ドル/円は8月14日以来およそ1カ月ぶりの安値をつけ、ユーロ/米ドルは21年9月以来4年ぶり、豪ドル/米ドルは24年10月以来11カ月ぶりの高値を記録しました。FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ観測が引き続き米ドル安圧力となりました。
カナダの8月CPI(消費者物価指数)が発表され、結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・総合(前年比):1.9%(2.0%)
・トリム値(前年比):3.0%(3.0%)
・中央値(前年比):3.1%(3.0%)
総合は市場予想を下回った一方で、BOC(カナダ中銀)がコアインフレ指標として注視するトリム値と中央値は市場予想どおりでした。CPIの結果に対してカナダドルに大きな反応は見られませんでした。
(本日の相場見通し)
本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれます。FOMCの結果は日本時間18日午前3時に発表され、同3時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見します。
FRBは24年9月・11月・12月と3会合連続で利下げを実施。25年に入ってからは前回7月まで5会合連続で政策金利を4.25~4.50%に据え置いています。
米国では雇用の伸びが急激に鈍化していることから、市場は本日のFOMCでの利下げを確実視しており、利下げ幅については0.25%になると見られています。
FOMCの声明やドット・プロット(参加者個人による政策金利予想)やパウエルFRB議長の会見も材料になりそう。それらでは先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。
前回6月のドット・プロットでは、25年後半に0.25%×2回、26年中に同1回、27年中に同1回の利下げというのが中央値でした。
市場では、FRBは今後積極的に利下げを行うとの観測があります。ドット・プロットやパウエル議長の会見によってFRBによる積極的な利下げ観測が市場で後退すれば、米ドルが反発しそう。その場合には米ドル/円は上昇し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下落すると考えられます。
※16日の『ファンダメ・ポイント』は[米FOMC直前情勢と注目ポイント]です。
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BOC(カナダ中銀)の政策会合が本日開かれます。会合の結果は日本時間22時45分に発表され、同23時30分からマックレムBOC総裁が会見します。
BOCは24年6月に利下げを開始し、25年3月まで7会合連続合計2.25%の利下げを実施。その後、4月・6月・7月の会合では政策金利を2.75%に据え置きました。
カナダ景気の落ち込みや雇用情勢の悪化(※)を受け、市場では、BOCは利下げを再開して本日の会合で0.25%の利下げを行うとの見方が大勢です。
そのとおりの結果になれば、BOCの声明やマックレム総裁の会見が材料になりそう。それらでは10月以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるかに注目。市場では、次回10月29日の会合でも0.25%の利下げが行われるとの観測があります。
マックレム総裁の会見などがその観測を高める内容になれば、カナダドルにとってのマイナス材料になりそう。その場合、カナダドル/円は200日移動平均線(16日時点で106.069円)を割り込む可能性があります。
(※)カナダの4-6月期GDP(国内総生産。7/29発表)は前期比年率換算マイナス1.6%と、市場予想のマイナス0.6%を下回りました。また、同国の8月雇用統計(9/5発表)では失業率が7.1%、雇用者数が前月比6.55万人減となり、いずれも市場予想(7.0%と1.00万人増)と比べて弱い結果でした。
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