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米雇用統計は引き続き好調、失業率はコロナ前の最低に並ぶ

2022/08/06 06:30

【ポイント】
・7月雇用統計はNFPが前月比52.8万人増と、今年2月以来の大幅増
・失業率は3.5%に低下し、コロナ前の最低水準に並んだ
・総賃金はインフレ率を上回る伸び
・リセッション懸念は後退し、FRBは大幅利上げを継続へ

米国の7月雇用統計は総じて雇用情勢の好調を示唆。8月の雇用統計にも影響を受けるものの、市場では9月21日のFOMCでの0.75%利上げの観測が強まりました。米長期金利(10年物国債利回り)は大幅に上昇、米ドル/円は一時135.452円に上昇しました(※)。

※5日のM2TVグローバルView「米ドル/円と米長期金利の関係」で紹介した、長期金利を用いた米ドル/円の推計式に基づけば、弾性値は15.56なので、長期金利上昇分(2.827%-2.688%=0.139%)に対応する米ドル/円の上昇幅は15.56×0.139=2.16円。実際の米ドル/円の上昇幅は2.01円なので、ほぼ推計式通りの結果だったと言えます(いずれも前日からの変化幅)。ただし、長期金利の水準から求められる米ドル/円の推計値は136.196円と、実績(134.967円)とはやや差があります。

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米国の7月雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)前月比52.8万人増と前月(39.8万人増)を上回り、今年2月(71.4万人増)以来の増加幅となりました。NFPは15カ月連続で40万人前後の増加。21年平均が56.2万人増/月、今年1-7月は平均47.1万人増なので、雇用増加ペースはさほど落ちていません。

米雇用統計 NFP

時間当たり賃金は前年比5.1%増加。少しずつ伸びが鈍化しています。コロナ前より伸びは高いですが、引き続きインフレ率(6月CPIは前年比9.1%)を下回っています(=実質賃金の伸びはマイナス)。<雇用者数×週平均労働時間×時間当たり賃金>で求められる総賃金指数は前年比9.7%と、こちらはわずかながらインフレ率を上回っています。

米雇用統計 時間当たり賃金

米雇用統計 総賃金

 7月の失業率は3.5%と前月の3.6%から低下し、コロナ・ショック直前の最低水準に並びました。労働参加率は62.1%と前月から小幅低下。労働参加率は2000年ごろから趨勢的に低下しており(高齢者の引退が背景)、上昇余地はあまり大きくないのかもしれません。そうだとすれば、雇用増が失業率の低下や賃金の上昇につながりやすい状況と言えそうです。

米雇用統計 失業率

米雇用統計 労働参加率
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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