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0.50%利上げ、英中銀の「陰うつ」な経済見通し

2022/08/05 08:36

【ポイント】
・BOEは0.50%の利上げを決定し、先行きには柔軟性を残した
・経済見通しは、高インフレの持続と本格的なリセッションを見込む
・BOEがアグレッシブな利上げやQTを続けても英ポンドの頭は重い?
・新首相が打ち出す経済政策も金融政策や英ポンドの先行きに影響しそう

BOE(英中銀)は4日のMPC(金融政策委員会)で0.50%の利上げを決定し、政策金利を1.75%へ引き上げました。決定は8対1。1人の委員が0.25%の利上げを主張しました。MPCはまた、BOEが保有する債券について、再投資の停止や積極的な売却によって保有残高を減少させること、いわゆるQT(量的引き締め)も発表しました。

「陰うつ」な経済見通し
MPCの経済見通しは、IMF世界経済見通し(WEO)のタイトルの一部を借りれば、「Gloomy(陰うつ)」でした。CPI(消費者物価指数)上昇率は22年7-9月期に前年比13.3%まで上昇、その後は徐々に鈍化するものの、23年前半は2桁の上昇が続き、同年10-12月期で5.5%。BOEの目標である2%まで低下するのは24年7-9月期です。一方、英経済は22年10-12月から本格的なリセッション(景気後退)に突入し、底打ちするのは24年半ば以降との見通しです。

BOEのCPI見通し

BOEのGDP見通し

積極的な引き締めでも英ポンドの頭は重い?
市場は当初、MPCの結果を「ハト派的」と解釈したようです。長期金利は低下し、英ポンド/米ドルは下落しました。しかし、すぐに長期金利、英ポンド/米ドルは反発しました。リセッションになってもインフレ抑制のために利上げやQTを続けるとのBOEの決意を改めて認識したからでしょう。

ただし、仮にBOEがアグレッシブな利上げやQTを続けるとしても、その結果としてリセッションが深刻化するのであれば、英ポンドは頭の重い展開となりそうです。

新首相の打ち出す経済政策にも要注目
BOEの金融政策や英ポンドの先行きに関しては、政治動向も大きな影響を与えそうです。与党保守党の党首選の結果が9月5日に判明します。勝利が予想されるトラス外相は所得税や法人税の引き下げを公約としています。また、中央銀行の責務を、物価安定を最重要とするものへ変更する意向も示しています。新しい首相がどのような政策を打ち出すかにも注目する必要がありそうです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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