今月の特集

2014年08月 FX「夏枯れ」ならどうする?スワップ戦略に有効な通貨選択とは!?

今年に入り、為替相場の変動の小さい、いわゆる「低ボラ(ボラティリティ=変動率)」相場が続いてきました。とくに8月は「値動きが小さい月」といわれており、事実、月内変動幅(月内の高値から安値の幅)が9月に次いで小さいことからも、「低ボラ」な月といえるでしょう。

image

今年は、過去2008年から2013年と比較しても、月内変動幅が小さい傾向がみられることから、ひょっとしたら「低ボラ」相場がしばらく続く可能性も否定できません。

日本ではお盆、海外ではサマーバケーションにあたり、「低ボラ」に加えて、為替や株式の取引高も低調となる「夏枯れ」相場となりやすい8月に注目したいのが、『スワップによるインカムゲイン狙い』です。

FXにおけるインカムゲインとは、「低金利通貨を売って、高金利通貨を買う」ことで得られる金利差 = スワップによる利益を指します。例えば、「豪ドルを買う」という取引は、「円を売って、豪ドルを買う」ということになり、豪ドルの買いポジションを保有することでスワップが得られます。ちなみに、8月7日時点での豪ドル円の買いスワップは1万通貨あたり50円です(注:スワップは日々変動します)。

通貨ごとのスワップの金額は、当社HP「スワップ」のコーナーでご覧いただけます。

(http://www.m2j.co.jp/guide/m2jfx_swap.php)

8月7日時点の「スワップ一覧」でみると、1万通貨あたりの買いスワップが高いのは、【1】NZドル円の71円、【2】南アランド円の6円(南アランド円は通貨の価格が小さいため、売買単位を10万通貨にすると、買いスワップは60円になる計算)、【3】豪ドル円の50円、…となります。

では、スワップが高い通貨を買えば、高いインカムゲインが得られるので、買いだ!…は、やや早計かもしれません。

というのは、日々、1万通貨で何十円という額のスワップを狙う戦略は、「ある程度長い期間の投資」が基本と考えられます。それならば、投資しようと考える期間中にスワップがどう変化するかということを念頭に置くことが大切になるでしょう。

ここでは、【1】短期(2014年内)、【2】中期(3年程度)について考えてみます。

【1】短期(2014年内)… 2014年末時点での政策金利の水準

OIS(翌日物金利スワップ)を用いて、市場が織り込む年末時点での政策金利の確率を求めます。

ほとんどの中央銀行は現行の政策金利を据え置くとみられていますが、3割以上の確率で政策変更が予想されているのは、「利上げ」=NZと英国、「利下げ」=ユーロです。

南アランドはOISが利用できないため同様の比較ができませんが、Bloombergが調査した金融機関17社の回答の割合からは、7割以上が南アフリカの6.00%ないし6.50%への利上げを予想しています。

以上のことから、2014年内を投資期間と定めた場合には、NZドル円、ポンド円、南アランド円などが、投資対象の候補に挙がりそうです。

image

【2】中期(3年程度)…今後3年程度の政策金利の見通し

現行の政策金利と、1-3年物金利スワップ(固定金利と変動金利の交換(スワップ)レートのこと。市場の金利予想が反映される) を用いて、「1年目(今後1年間)」「2年目(1年後からの1年間)」、「3年目(2年後からの1年間)」に、市場が予想する政策金利のおよその水準を算出します。

3年先までを見通した場合には、多くの国で政策金利の上昇が続くと予想されています。現在は比較的低金利なグループに入る、英国や米国の利上げ幅が今後大きくなり、「変化幅」という点では、現在高金利といわれる豪州やNZを上回る予想となっています。つまり、スワップの観点からは、ポンドやドルに対する豪ドルやNZドルの優位性は低下する可能性があるということです。

このことから、オセアニア通貨や南アランドで一定期間運用したあと、タイミングを計ってドルやポンドに乗り換えるという戦略は「アリ」と思われます。比較的大幅な利上げが予想される局面では、当該通貨が買われて値位置が高くなる可能性もあるので、早めのシフトが望ましいかもしれません。

image

image

(市場調査室)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2018.07.19 更新金融危機10年サイクル説1987年10月 ブラックマンデー(米株の暴落)1998年10月 LTCM(米ヘッジファンド)の破たん2008年9月 リーマン・ショック2018年? ???近年…
  • 2018.06.13 更新求心力が低下する欧州統合第二次世界大戦後から連綿と続いてきた欧州統合の歩みは二十一世紀に入って危機を迎えつつあるのかもしれない。欧州の主要国では、欧州統合に批判的なポピュリズム政党やナ…
  • 2018.05.07 更新日米貿易摩擦の歴史トランプ政権が通商交渉で攻勢に出ている。トランプ政権は現在、米国の貿易赤字の半分近くを占める中国との通商交渉に優先的に取り組んでいるようだ。関税賦課や対米黒字削…
  • 2018.04.04 更新トルコリラ投資の考え方以下は、マイナビニュースへの投稿、17年12月2日付「トルコ投資について考える - トルコリラの特徴と高金利なワケ」と、18年3月30日付「同 - トルコリラの…
  • 2018.03.05 更新2018年3月:米長期金利の上昇をどう理解すべきか ◆「良い金利上昇」▼ ◆「悪い金利上昇」▼ ◆米長期金利はこれからどうなるか▼ ************************** 昨年…

「今月の特集」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ