市場調査部レポート

2018/05/25 16:02【マンスリー・アウトルック(2018/6)】混沌とする地政学リスクの行方

― 2018年6月の為替相場展望 ―

《相場環境》

6月12日の米朝首脳会談は中止になりました。今後、朝鮮半島の「非核化」に向けた動きがどのような形で出てくるのか、予測不能です。その他、トランプ政権の通商政策、中東情勢と原油価格、英国やイタリアの政治情勢などが相場材料になる可能性があります。また、主要国の中央銀行の会合が中旬に集中しています。

<主要通貨の動向>
・【米ドル】米ドル/円、6月相場は下押し主体の展開か
・【ユーロ】ユーロ/米ドル、サポート帯ブレークで下押しモメンタムが強まる可能性も
・【英ポンド】英ポンド/円、足もとの注目ポイントは?

<資源国・新興国通貨の動向>
・【豪ドル】豪ドル/米ドルや豪ドル/円は既往レンジを上抜けできるか
・【NZドル NZドル/米ドルは、米長期金利や原油価格次第で戻りを試す可能性も
・【加ドル】BOC会合で7月利上げ観測高まるか!? OPEC総会にも注目
・【トルコリラ】TCMBは緊急利上げも、市場は不十分と判断か。6月24日の大統領選と議会選にも注目!!
・【南アフリカランド】ランド/円は“200日移動平均線-9円”のレンジに!?

◆主要経済指標・イベント


≪相場環境≫

6月の重要なイベント・スケジュールを以下に概観します。

6月も様々な政治リスク、地政学リスクが相場材料になる可能性があります。

朝鮮半島の「非核化」
5月24日、トランプ大統領は6月12日に予定されていた米朝首脳会談の中止を発表しました。金委員長は、北朝鮮お得意の「揺さぶり」がビジネスマン・トランプ大統領に通用しないと痛感しているかもしれません。
「予測不能」の金委員長とトランプ大統領が次にどう動くか。経済制裁を早期に解除してもらいたい金委員長と、中間選挙に向けて成果を誇示したいトランプ大統領の「我慢比べ」が続くのでしょうか、注目されるところです。

今のところ、5月2日配信のシナリオレポート「朝鮮半島『非核化』の行方と金融市場反応」で示した「現実的なシナリオ」(後述)から大きく外れているわけではなさそうです。引き続き事態の進展に要注目です。

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2.現実的なシナリオ
もっとも、「非核化」に向けて事態がトントン拍子に進展すると考えるのは楽観的に過ぎるでしょう。交渉には時間がかかるかもしれません。また、北朝鮮が経済制裁の早期解除を求めて、合意からの離脱をほのめかすなど、揺さぶりをかけてくる可能性もあるでしょう。

現実的なシナリオでは、リスクオンとリスクオフが目まぐるしく入れ替わる可能性があります。そして、リスクオンはゆっくりと、リスクオフは突然にやってくるパターンとなるかもしれません。一時的にせよ急な円高や株安に備える必要はありそうです。
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トランプ政権の通商政策
5月17日、米中通商交渉のなかで、中国が米国製品・サービスの購入拡大に合意したと報道されました。20日には、ムニューシン米財務長官が「我々は貿易戦争を保留する」と発言。これにより、関税の報復合戦による「貿易戦争」はいったん回避された格好です。ただし、中国が米国の貿易赤字削減に具体的にどう協力するのかは不透明です。米中の「停戦」が一時的なものとなる可能性も相応にありそうです。

そうしたなか、トランプ大統領は23日、安全保障上の理由から輸入自動車に対する関税を検討するよう指示しました。鉄鋼・アルミ関税の例に倣えば、数週間以内にも暫定的な報告がされる可能性があります。一部で報道されたように25%の関税が賦課されるならば、欧州や日本の自動車メーカーは大きな打撃を受けそうです(カナダやメキシコからの輸入車は米国、欧州、日本のメーカーの現地生産車がほとんど)。

トランプ大統領は、11月の中間選挙に向けて成果を誇示したいところでしょう。

中東情勢
5月8日、トランプ大統領がイラン核合意からの離脱を発表。14日には、米国の駐イスラエル大使館がエルサレムに移転し、イスラム世界から強い反発を受けました。朝鮮半島だけでなく、中東においても緊張が高まっているとみるべきでしょう。

6月22日にはウィーンでOPEC総会が開催されます。原油価格が2014年末以来となる70ドル台で推移するなか、協調減産の緩和が主要議題の一つとなりそうです。OPEC総会、あるいはその他の中東情勢次第で原油価格が大きく変動するようであれば、世界の経済や金融市場に影響が出る可能性があります。

欧州政治情勢
イタリアでは、ポピュリスト政党の「五つ星運動」と反ユーロ・反移民の「同盟」による連立政権が誕生しそうです。マッタレッラ大統領は、両党が推した「中立」の学者を首相に指名し、組閣を命じました。5月28日の週にも、新政権が議会の承認を受けて正式に発足する可能性があります。
両党は、ユーロ圏のルールに反して財政赤字拡大につながる政策を志向しているとされ、また「ユーロ」に懐疑的な人物が財務大臣に任命されるとの観測もあります。
ユーロ圏で第3位の経済規模を持つイタリアで反ユーロ政権が誕生すれば、「ユーロ」の求心力は一段と低下しそうです。

英国では、ブレグジット(英国のEU離脱)に関する交渉が続いています。現在、英国がEUの関税同盟から離脱することの是非に関して、政権与党内でも見解を分かれているようです。メイ首相が与党をまとめてEUと交渉を続けることができるのか、その瀬戸際に立たされているとの見方もあるようです。メイ首相がそれに失敗すれば、解散総選挙が現実味を帯びるかもしれません。

主要中央銀行の会合
6月には主要国中央銀行の会合も予定されています。米FRB(6/13)ユーロ圏ECB(6/14)日銀(6/15)英BOE(6/21)。そのなかで、政策変更が予想されるのは、利上げがほぼ確実視されているFRBぐらいです。ただし、各中央銀行から発せされるメッセージは相場材料になる可能性があり、注意しておくべきでしょう。

<チーフエコノミスト 西田明弘>


<主要通貨の動向>

【米ドル】 米ドル/円、6月相場は下押し主体の展開か

上記≪相場環境≫にある通り、足もとでは米朝首脳会談中止のニュースもあり、米ドルが主要通貨に対して弱含む相場展開となっています。

米ドル/円相場についても、足もとでは下押し主体の相場展開となっており、週足チャートレベルでは今年3/18の週以来となる大陰線※となっています。(※5/25時点)

また、トレンド転換ポイントを示唆する、逆張り系オシレーター指標の一つである「スローストキャスティクス」でも、昨年11月以来の『売りサイン』が示現しつつあることもあり、次週からスタートする6月相場では下押し主体の相場展開となる可能性も。そのテクニカル上の根拠を確認するために、以下、米ドル/円・週足チャート+26週BB(ボリンジャーバンド)+スローストキャスティクスをご覧ください。


 
上図チャートにおけるチャートのパターン分析をすると、以下のような共通ファクターが存在します。(上図青色丸印)

1) ローソク足がBB・+2σラインあるいは同・+1σライン近辺にあること。
2) スローストキャスティクス(以下、SS)を構成する2本の線(SD、%D)が80%ライン以上あるいはその付近で交差し、その後右肩下がりとなる“デッド・クロス”が示現している。

上記1)2)が同時に示現したケースでは、「上昇基調から下降基調への転換ポイント」となっていることが視認できます。そんな中、5/25時点の同メルクマールは以下のような状態となっています。(上図青色点線丸印)

1’) ローソク足がBB・+1σライン(≒111.77円)付近にある。
2’) SSを構成する2本の線が80%ライン付近で交差しつつある。

パターン分析上では、上記2’)において2本の線が右肩下がりとなることが条件となること、また、逆張り系オシレーター指標特有の“フェイク(ダマし)”には十分留意する必要がありますが、足もとでの相場判断は【買われ過ぎの修正】が始まる時間帯と想定して良さそうです。

喫緊のポイントは、ローソク足が終値レベルにおいて26週MA(≒109.18円)でサポートされるか否か。仮に、ローソク足が同ラインを下抜けブレークし、さらにSSの2本の線が右肩下がりとなることが確認できた場合は、米ドル/円の下押しモメンタムが強まる可能性も視野に入れるべきでしょう。

いずれにしても、6月における米ドル/円相場は、週足チャートの各メルクマールを見る限りにおいては、上値の重い相場展開となりそうです。6月における月間想定コアレンジは、BB・-1σラインから同・+1σラインの間のゾーンである106.60-111.80円となりそうです。(上図赤色括弧枠)

<チーフアナリスト 津田隆光>

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【ユーロ】 ユーロ/米ドル、サポート帯ブレークで下押しモメンタムが強まる可能性も

以下、ユーロ/米ドル・週足チャート+26週BB(ボリンジャーバンド)+スローストキャスティクスをご覧ください。

米ドル/円同様、上図チャートにおけるチャートのパターン分析をすると、以下のような共通ファクターが存在します。(上図赤色丸印)

1) ローソク足がBB・-2σラインあるいは26週MAライン近辺にあること。
2) スローストキャスティクス(以下、SS)を構成する2本の線(SD、%D)が20%ライン以下あるいはその付近で交差し、その後右肩上がりとなる“ゴールデン・クロス”が示現している。

上記1)2)が同時に示現したケースでは、「下降基調から上昇基調への転換ポイント」となっていることが視認できます。そんな中、5/25時点の同メルクマールは以下のような状態となっています。(上図赤色点線丸印)

1’) ローソク足がBB・-2σライン(≒1.1673ドル)付近にある。
2’) SSを構成する2本の線が20%ライン付近で交差しつつある。

パターン分析上では、米ドル/円のケースとは逆に、上記2’)において2本の線が右肩上がりとなることが条件となること、また、逆張り系オシレーター指標特有の“フェイク(ダマし)”には十分留意する必要がありますが、足もとでの相場判断は【売られ過ぎの修正】が始まりつつある時間帯と想定できます。

喫緊のポイントは、ローソク足が終値レベルにおいてBB・-2σライン(≒1.1673ドル、上図赤色三角印)でサポートされるか否か。仮に、ローソク足が同ラインを下抜けブレークし、さらにSSの2本の線が20%ライン付近でもみ合うような状態(=いわゆる“フェイク”状態)となった場合は、ユーロ/米ドルの下押しモメンタムがさらに強まる可能性も視野に入れるべきでしょう。また、イタリア政局の行方やECB理事会(6/14)とその後のドラギ総裁会見内容といったファンダメンタルズ材料も大いに注視すべきでしょう。

<津田>

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【英ポンド】 英ポンド/円、足もとの注目ポイントは?

以下、英ポンド/円・週足チャート+26週BB(ボリンジャーバンド)+スローストキャスティクスをご覧ください。



米ドル/円、ユーロ/米ドル同様、上図チャートにおけるチャートのパターン分析をすると、以下のような共通ファクターが存在します。(上図赤色丸印)

1) ローソク足がBB・-2σラインあるいは-1σライン近辺にあること。
2) スローストキャスティクス(以下、SS)を構成する2本の線(SD、%D)が20%ライン以下あるいはその付近で交差し、その後右肩上がりとなる“ゴールデン・クロス”が示現している。

上記1)2)が同時に示現したケースでは、「下降基調から上昇基調への転換ポイント」となっていることが視認できます。そんな中、5/25時点の同メルクマールは以下のような状態となっています。(上図赤色点線丸印)

1’) ローソク足がBB・-2σライン(≒145.57円)付近にある。
2’) SSを構成する2本の線が20%ライン付近で交差しつつある。

パターン分析上では、ユーロ/米ドルのケースと同様、上記2’)において2本の線が右肩上がりとなることが条件となること、また、逆張り系オシレーター指標特有の“フェイク(ダマし)”には十分留意する必要がありますが、足もとでの相場判断は【売られ過ぎの修正】が始まりつつある時間帯と想定できます。

喫緊のポイントは、ローソク足が終値レベルにおいてBB・-2σライン(≒145.57円、上図赤色三角印)でサポートされるか否か。仮に、ローソク足が同ラインを下抜けブレークし、さらにSSの2本の線が20%ライン付近でもみ合う、もしくは同ラインに向かって右肩下がりとなるような状態(=いわゆる“フェイク”状態)となった場合は、英ポンド/円の下押しモメンタムがさらに強まる可能性も視野に入れるべきでしょう。

<津田>


<資源・新興国通貨の動向>

【豪ドル】 豪ドル/米ドルや豪ドル/円は既往レンジを上抜けできるか

豪ドルは5月に入り、底堅い展開です。22日に豪ドル/米ドルは約1カ月ぶり、豪ドル/円は約2カ月半ぶりの高値を記録しました。

足もとの原油高が資源国通貨である豪ドルの支援材料となっています。原油価格の代表的な指標であるWTI先物は5月に一時、約3年半ぶりの高値を記録。イランやベネズエラからの原油の供給が減少するとの観測が原油価格を押し上げました。資源国通貨である豪ドルにとって、原油価格の上昇はプラス材料と判断できます。

豪ドルは引き続き、原油など資源価格の動向に影響を受けやすい地合いになりそうです。豪ドル/米ドルに関しては、米国の長期金利(10年債利回り)の動向にも目を向ける必要がありそうです。

豪ドル/米ドルは約3週間にわたり、0.74-0.76米ドルのレンジで上下動を繰り返してきました。5月22日の高値は0.7601米ドルと、わずかに0.76米ドルを上抜けたものの、一瞬でした。依然として0.74-0.76米ドルのレンジが続いていると考えることができそうです。0.76米ドルより上の水準で定着できれば、次は200日移動平均線(5月24日時点で0.7768米ドル)に向かう展開になる可能性があります。

豪ドル/米ドル(日足、2018/1/2-)

出所:M2JFXチャート

豪ドル/円は約3カ月にわたり、おおむね81-84円のレンジで推移してきました。一時84円を上抜ける場面があったものの、再びレンジ内に押し戻されました。84円より上の水準で定着できれば、200日移動平均線(5月24日時点で85.58円)を目指す可能性があります。

豪ドル/円(日足、2018/1/2-)

出所:M2JFXチャート

<シニアアナリスト 八代和也>

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【NZドル】 NZドル/米ドルは、米長期金利や原油価格次第で戻りを試す可能性も

NZドル/米ドルは5月16日に、一時0.6850米ドルへと下落し、約5カ月ぶりの安値を記録しました。米国の長期金利(10年債利回り)の上昇を背景に米ドルが全般的に強含んだほか、RBNZ(NZ中銀)の利上げがさらに後ズレする可能性があり、それらがNZドル/米ドルの下押し圧力となりました。RBNZは5月10日の政策会合時の声明で次の一手が利下げである可能性もあることを示し、また金融政策報告では利上げ時期を来年7-9月期、CPI(消費者物価指数)上昇率がインフレ目標中央値(+2%)に到達する時期を2020年10-12月期とそれぞれ予想。前回2月時点の見通しからいずれも1四半期後ズレさせました。

ただ、NZドル/米ドルは5月17日以降、比較的底堅い展開です。原油価格の代表的な指標であるWTI先物は今月(5月)一時、約3年半ぶりの高値を記録。原油高が資源国通貨とみなされるNZドルの支援材料となっています。

6月のNZの主な経済イベントとして、6月21日の1-3月期GDP6月28日のRBNZ政策金利が挙げられます。21日のGDPまでNZドル/米ドルは、NZドル側の材料で動きにくいとみられます。米ドル側の材料(米長期金利、経済指標)や原油など資源価格の動向に影響を受けやすい地合いになりそうです。米長期金利が低下する、あるいは原油価格が上昇を続ければ、NZドル/米ドルは200日移平均線(5月24日時点で0.7135米ドル)に向けて戻りを試す可能性があります。

NZドル/米ドル(日足、2017/11/2-)  

出所:M2JFXチャート

<八代>

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【加ドル】 BOC会合で7月利上げ観測高まるか!? OPEC総会にも注目

BOC(加中銀)は5月30日に政策金利を発表します。その結果が6月の加ドルの動向に影響を与える可能性があります。

BOCは今年1月に0.25%の利上げを実施した後、3月と4月の2会合連続で政策金利を1.25%に据え置きました。4月会合時の声明では、追加利上げを示唆する一方、「将来の金利調整に関して引き続き慎重であり続ける」と表明。これまでの利上げへの経済の反応とともに、今後入手される経済指標を注視する姿勢を示しました。

原油高を背景に市場の一部には5月の会合で0.25%の利上げ期待も根強くあるものの、政策金利は今回、現行の1.25%に据え置かれそうです。4月の総合CPI上昇率が3月から若干鈍化し、3つのコアインフレ率はいずれもBOCのインフレ目標の中央値である+2%近辺でした。また、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉も依然として合意に至っていないためです。

市場では5月の会合では据え置き、7月に0.25%の利上げを行うとの見方が有力です。そのため、今回の会合で利上げが決定されればサプライズとなり、加ドルは上昇するとみられます。一方、据え置きの場合は、声明が7月利上げ観測を強める内容になるのか?に注目です。7月利上げ観測を強めるものになれば、加ドルの支援材料となりそうです。

6月22日のOPEC(石油輸出国機構)総会も、加ドルに影響を与える可能性があります。資源国通貨である加ドルは、原油価格に反応しやすいという特徴があるからです。市場では、今回の総会でOPEC非加盟国との協調減産の規模縮小を決定するとの観測があります。そのため、協調減産の規模縮小が決まれば、原油価格、さらには加ドルにとってマイナス材料と考えられる一方、減産規模が据え置かれれば、原油価格や加ドルにとってプラス材料になりそうです。

<八代>

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【トルコリラ】TCMBは緊急利上げも、市場は不十分と判断か。6月24日の大統領選と議会選にも注目!!

TCMB(トルコ中銀)は23日、緊急の政策会合を開催し、3%の利上げを決定。後期流動性貸出金利を13.50%から16.50%に引き上げました。

TCMBは声明で、「現在の高水準のインフレやインフレ期待は、引き続き価格設定行動にリスクをもたらす」と指摘。そのうえで、「物価安定を支援するため、金融引き締めを実施することを決めた」と説明しました。

声明は、「インフレ見通しが大幅に改善するまで、引き締め的な金融政策スタンスを断固として維持する」と強調。一方で、4月25日の前回定例会合時の「必要に応じて一段の金融引き締めを行う」との文言は今回ありませんでした。
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TCMBがエルドアン大統領からの利下げ圧力をはねのけて利上げを行い、中銀の独立性を示したことは、トルコリラにとってプラス材料と考えられます。

ただ、TCMBの緊急利上げを受けてのトルコリラの反発は一時的でした。市場は、3%の利上げではインフレやトルコリラ安への対応にはなお不十分と判断したようです。市場の一部には、後期流動性貸出金利を少なくとも20%にする必要があるとの見方もあります。6月7日のTCMBの政策会合に向けて、トルコリラは再び下落圧力にさらされる可能性もあります。

6月24日にトルコの大統領選と議会選が行われます。足もとの市場の関心はTCMBの金融政策に向いているものの、大統領選と議会選が近づくにつれて、選挙にも市場の関心が向く可能性があります。各種世論調査によると、大統領選はエルドアン大統領が第1回投票で過半数を獲得できるかどうかは微妙な情勢(過半数を獲得した候補がいない場合、上位2名で決選投票が行われる)。また、議会選は与党AKP(公正発展党)が単独過半数を獲得できない可能性もあるようです。

<八代>

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【南アフリカランド】 ランド/円は“200日移動平均線-9円”のレンジに!?

南アフリカランド/円は昨年12月の南アフリカ与党ANC(アフリカ民族会議)党首選以降、約4カ月にわたっておおむね8.8-9.2円のレンジ内で推移してきました。それが先月(4月)下旬にレンジ下限を割り込み、5月3日には一時8.57円へと下落。約4カ月半ぶりの安値を記録しました。ランド/円の下落は、米国の長期金利(10年債利回り)の上昇を背景に、新興国通貨全般に下落圧力が加わったことが挙げられます。その後、米長期金利の上昇が一服し、また原油高が進んだことで、ランド/円は下げ止まりました。

足もとのランド/円は、ランドと円のいずれの独自材料にも反応しにくい地合いです。5月24日にSARB(南アフリカ中銀)が政策金利を発表(6.50%に据え置き)したものの、ランドに大きな反応はみられませんでした。ランドは引き続き、米長期金利や原油など資源価格に影響を受けやすいと考えられます。

ランド/円は200日移動平均線(5月24日時点で8.65円)がサポートラインとして機能しているようです。一方、上値は4月以降、9円ちょうどに近づくと反落する展開が続いています。レンジは、これまでのおおむね“8.8-9.2円” から“200日移動平均線-9.0円”へと切り下がった感があります。

南アフリカランド/円(日足、2017/12/1-)

出所:M2JFXチャート

<八代>


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※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

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