市場調査部レポート

2018/02/23 13:56【マンスリー・アウトルック(2018/3)】長期トレンドシグナルで見る米ドル/円は「フェーズ変化」と捉えるべきか

― 2018年3月の為替相場展望 ―

《相場環境》

3月は相場材料となりそうなイベントが多い。月初めは欧州政治、五輪・パラリンピックが終了する月央前後からは地政学リスクが高まる可能性も。日米欧英の中銀会合が予定されているが、日米では執行部の顔ぶれが変わることもあり、政策スタンスの変化の有無にも注目。月後半には毎度のことながら米国の予算関連イベントが控え、日本の年度末にも要注意か。

<主要通貨の動向>
・【米ドル】長期トレンドシグナルで見る米ドル/円は「フェーズ変化」と捉えるべきか
・【ユーロ】ユーロ/米ドルの長期トレンド、【買い優勢】進展中
・【英ポンド】英ポンド/円、相場の力を凝縮する時間帯に

<資源国・新興国通貨の動向>
・【豪ドル】独自材料以上に外部要因に反応しやすい地合い
・【NZドル】NZドル/米ドルが一段と上昇するには、リスク回避姿勢の後退や、米ドルのさらなる下落が必要か
・【加ドル】3月7日のBOCの政策金利発表に注目!!
・【トルコリラ】シリア情勢に引き続き注意が必要
・【南アフリカランド】新大統領への期待がランドの支援材料。ムーディーズが3月23日に南アフリカの格付け発表

◆主要経済指標・イベント


≪相場環境≫

3月の重要なイベント・スケジュールを以下に概観します。

◆欧州政治:イタリア&ドイツ
3月4日のイタリア総選挙では、ポピュリスト政党の「五つ星運動」、現政権の「民主党」を中心とした中道左派、ベルルスコーニ元首相の率いる「フォルツァ・イタリア」と極右の「北部同盟」を中心とする中道右派の三つ巴の戦いとなりそうです。ただ、いずれも過半数の議席獲得は難しいとみられ、選挙の結果を受けてどのような合従連衡がみられるか注目されるところです。
反ユーロ、反EU、移民排斥を訴える「五つ星運動」や「北部同盟」が政権の一翼を担い、かつ存在感を増す場合には、ユーロがネガティブに反応する可能性が高く、とりわけ注意が必要でしょう。

3月4日には、メルケル首相のCDU/CSU(キリスト教民主・社会同盟)との「大連立」に関して、SPD(社会民主党)の党員投票の結果が公表される予定です。事前調査では賛成が6割を超えていますが、仮に否認されるようならば、連立交渉は白紙に戻り、メルケル首相の辞任や再選挙のシナリオが一気に浮上します。その場合、ドイツ政治の不安定要因=ユーロ安要因となる可能性があります。

イタリア政局の行方はすぐにも明確にならないかもしれませんが、ドイツSPDの結果を受けて5日の東京市場が最初に反応する可能性があります。

◆米財政政策
2度のごく短期間のシャットダウン(政府機関閉鎖)を経て、米議会は3月23日までの2018年度継続予算を成立させました。議会は、18年度の残り(今年9月末まで)と19年度の本予算に関して大枠で合意しており、今後の予算編成のガイドラインとなります(トランプ大統領の予算教書は無視されるかもしれません)。

懸念されるのは、政府も議会も財政赤字の拡大に無頓着にみえることです(一部の政府関係者や議員は危機感を持っているでしょうが)。財政規律の喪失は国債価格の下落要因であり、「悪い金利上昇」を促すと考えられます。

3月23日までにそれ以降をカバーする予算で政府と議会が合意することができるのか、19年度の予算編成が財政赤字の一段の拡大につながらないか、注視しておく必要はありそうです。
2月の合意により、デットシーリング(債務上限)は19年3月まで無効となります。ただ、そのために足元で国債発行額が増加して市場金利の上昇要因となっているのは皮肉と言わざるを得ません。

◆主要国の金融政策
3月には日米欧英の金融政策会合が開催されます。2月22日時点のOIS(翌日物金利スワップ)OISに基づけば、利上げが確実視されるのが21日の米FOMC(100%)。22日のBOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)では2割弱の確率で利上げが予想されています。8日のECB理事会9日の日銀の金融政策決定会合では、政策変更はなさそうです。

2月5日に正式就任したパウエルFRB議長は、2月28日に下院で、翌3月1日に上院で証言を行います。パウエル議長は金融制度が専門とみられるため、金融政策に関して独自色を打ち出すことはなさそうですが、それでも現在のFRB(FOMC)内の考えを垣間見ることはできそうです。

3月20日、日銀の雨宮副総裁と若田部副総裁が就任します。リフレ派の若田部副総裁の任命は、安倍政権による「出口」封じ込めの動きと解釈することも可能でしょう。再任された黒田総裁の下での新しい執行部の政策スタンス(大きく変わらないでしょうが)も注目されるところでしょう。

<チーフエコノミスト 西田明弘>


<主要通貨の動向>

【米ドル】 長期トレンドシグナルで見る米ドル/円は「フェーズ変化」と捉えるべきか

2月16日、米ドル/円は米大統領選挙が行われた直後である2016年11月10日以来となる105.50円まで下落したこともあり、米ドル/円の長期スパンにおけるいくつかのトレンドシグナルが「売り」に転換しています。以下、米ドル/円・月足チャート+20ヵ月ボリンジャーバンド(以下、BB)+パラボリック+DMIをご覧ください。


 
上図にある20ヵ月BBを見ると、以下のようなメルクマールが確認できます。

1) 20ヵ月MA(20ヵ月移動平均線)が横向きとなっている。
2) 各BBが20ヵ月MAに対してパラレルに推移している。

この2つのメルクマールが示唆するところを勘案すると、米ドル/円の月足チャートスパンでは横ばい基調(=レンジ相場)主体の相場展開となっていることが分かります。

その一方で、2月に入り、長期トレンドの転換を示唆するメルクマールが2つ出現しています。

まず1つ目は、パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯し、「売りサイン」に転換していること。この転換は、2016年10月以来16ヵ月ぶりとなり、同年11月に実施された米大統領選挙においてトランプ候補(当時)が勝利して以来15ヵ月間継続した、パラボリックシグナルにおける「買い期間」が一旦終了した形となります。(上図赤色三角印)

そして2つ目は、DMI(方向性指数)の動向。23日時点では、-DI>+DIとなっており、同時にADXが低位置から右肩上がりに推移しつつあります。(上図青色丸印)

DMIにおいて、+DI>-DIとなったタイミングも、パラボリック・SARと同様2016年11月時点となっており(上図黄色矢印)、その後の収斂期間(=レンジ相場示唆期間)を経て、両ラインの乖離が拡大しつつあることが見て取れます。

これからの時間帯において、-DI>+DIの乖離がさらに拡大し、同時にADXがさらに右肩上がりで上方推移となった場合は、月足レベルでの下降モメンタムが強まる可能性も。

そこで、DMIにフォーカスしつつ、米ドル/円の長期サイクルを確認してみましょう。以下、2006年10月以降の米ドル/円・月足チャート+DMIをご覧ください。


 
上図より、–DI>+DI※となっている期間を【売り優勢期間[A]】(青色枠)、+DI>-DI※となっている期間を【買い優勢期間[B]】(オレンジ色枠)と規定すると、以下のように分類することができます。(※+DIと-DIの乖離が一定期間において5p以上となっていることを条件としています。)

■    2007/7-2012/1   【売り優勢期間[B]】
    2012/2-2015/11  【買い優勢期間[A]】
■    2015/12-2016/10 【売り優勢期間[A]】
    2016/11-2017/7 【買い優勢期間[B]】

2016年10月以降におけるDMIシグナル継続の最大期間は、2007/7-2012/1までの4年6ヵ月間、同最少期間は2016/11-2017/7までの8ヵ月間となっています。

2016年11月と言えば、前述した通り、米大統領選挙においてトランプ候補(当時)が勝利し、いわゆる“トランプ・ラリー”がスタートしたタイミング(上図赤色三角印)ですが、言うなれば、2月に入ってからのトレンドメルクマールの変化は、『米ドル/円相場におけるトランプ・ラリー劇場の終幕』ないしは『舞台転換』と捉えて良いのかもしれません。

以上を総合すると、長期スパンで見る米ドル/円は、フェーズ(位相、局面)変化の序盤段階と捉えるべきでしょう。これからの時間帯において、徐々に下値を試す可能性があり、横軸の期間は今のところ想定は困難であるものの、縦軸、つまりレートについては、20ヵ月BB・月足チャートのBB・-2σラインである101.90円付近までの最大下落も実現可能な将来予測として念頭に入れておいた方が良いのかもしれません。

<チーフアナリスト 津田隆光>

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【ユーロ】 ユーロ/米ドルの長期トレンド、【買い優勢】進展中

以下、2006年10月以降のユーロ/米ドル・月足チャート+20ヵ月BB+DMIをご覧ください。

上図において、前述した米ドル/円同様DMIにフォーカスしてみると、–DI>+DI※となっている期間を【売り優勢期間】(青色枠)、+DI>-DI※となっている期間を【買い優勢期間】(オレンジ色枠)と規定すると、現時点(本稿執筆時点[2/23])におけるユーロ/米ドルの長期トレンドは【買い優勢期間】の途上と捉えることができます。

また、20ヵ月BBでは、1) 20ヵ月MA(20ヵ月移動平均線)が右肩上がりとなっていること、2) 各BBが20ヵ月MAに対して拡張(=エクスパンション)する動きとなっていること、そして、3) ローソク足がBB・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する【上昇バンドウォーク】となっていることから、比較的強い上昇トレンドが継続していることが分かります。

足もとでの注目メルクマールは・・・BB・+1σライン(≒1.1933ドル)

仮に、ローソク足が当該ラインを終値レベルで下回った場合は、「上昇バンドウォーク崩れ」→「一旦の下押し修正フロー」が発生する可能性も視野に入れておくべきでしょう。

よって、BB・+1σラインと同・+2σライン内のゾーン(≒1.1933-1.2514ドル、2/23時点)の上下運動が続く限りにおいては、巡航路線内の動きと捉えて良いのかもしれません。

<津田>

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【英ポンド】 英ポンド/円、相場の力を凝縮する時間帯に

以下、英ポンド/円・週足・スパンモデル®+26週ボリンジャーバンド+パラボリック+ストキャスティクス(スロー)をご覧ください。


 
上図チャートの各メルクマールを確認してみると、1) 26週MAが右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う形状となっていること、3) ローソク足の上方にパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、4) ローソク足が青色の雲(=サポート帯の雲)の中に入り込んでいること、そして、4)ストキャスティクス(スロー)の2本の線が80%ライン付近から右肩下がりとなる【デッドクロス】となっている(上図黄色矢印)ことから、英ポンド/円は一旦の下押し調整の時間帯と捉えることができます。

上図チャートにおける注目ポイントは・・・BB・±2σラインの動向

本稿執筆時点(2/23)において、BB・±2σラインが26週MAに向かって収縮(=スクイーズ)する状態となっており、当該シグナルは相場の力を凝縮している状態であると捉えることができます。

遅行スパンの位置から勘案する英ポンド/円のトレンドは【横ばい基調(レンジ相場)】主体と捉えることができるため、レンジ相場形成時における下押しフローが続く可能性も。

直近想定できる下値メドは、BB・-1σラインである147.20円付近。

仮に当該ラインを下回った場合の最大下値メドとして、BB・-2σラインである144.30円付近までの下押しフローも、念のために想定しておいた方が良いのかもしれません。

<津田>


<資源・新興国通貨の動向>

【豪ドル】 独自材料以上に外部要因に反応しやすい地合い

RBAが2月20日、政策金利の据え置きを決めた2月6日の会合の議事録を公表。議事録では、RBAの政策金利は当面据え置かれることが改めて示唆され、また利上げを検討し始めるには賃金の伸びの加速が条件のひとつであることが示されました。

議事録は、「2017年に雇用が予想以上に増加し、失業率が低下したにもかかわらず、家計所得の伸びが抑制されたため、消費の伸びは比較的緩やかなペースだった」と分析。「労働市場が強くても、賃金の伸びはいまだ上向いておらず、インフレ率は依然として低い」と指摘しました。一方で、「景気が加速して賃金圧力が高まるにつれて、インフレ率は徐々に上昇する」との見方も示しました。

政策メンバーは、「2017年に失業率が改善し、インフレ率も目標(+2から3%)に近づいた」としたうえで、「低水準の金利が、これらを実現する役割を果たしてきた」と強調。「今後、それら(雇用とインフレ)の目標でさらなる進展が見込まれる」としながらも、「インフレ率の上昇は、緩やかなものにとどまる可能性が高い」と指摘。政策金利を当面据え置くことを示唆しました。

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2月21日に、豪州の昨年10-12月期の賃金コスト指数(賞与を除く時給ベース)が発表されました。結果は前年比+2.1%と、7-9月期の+2.0%から上昇率が若干加速しました。ただ、賃金コスト指数の水準は依然として低く、賃金の伸びの鈍さが改めて示されました。そのため、今回の結果を受けて、RBAが利上げを検討し始める可能性は低いと考えられます。


豪ドルは、経済指標など豪州の独自材料に反応しにくい地合いです。その要因のひとつとして、RBAが政策金利を当面据え置くとみられることが挙げられます。RBAの利上げ観測が浮上しなければ、豪ドルは独自材料以上に他通貨(米ドルなど)の動向や、資源価格に影響を受けやすい地合いが続きそうです。

<シニアアナリスト 八代和也>

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【NZドル】 NZドル/米ドルが一段と上昇するには、リスク回避姿勢の後退や、米ドルのさらなる下落が必要か

NZドル/米ドルは2月16日、一時0.7433米ドルへと上昇。約6か月ぶりの高値を記録しました。主要国の株価が安定しつつあることでリスク回避の動きが緩和し、NZドル/米ドルの支援材料となったほか、NZの堅調な経済指標もプラス要因でした。NZの昨年10-12月期雇用統計は、失業率が4.5%、就業者数が前期比+0.5%と、いずれも市場予想の4.6%、+0.2%よりも強めの結果。RBNZ(NZ準備銀行)によるインフレ期待調査では、今後2年間のインフレ率予想が+2.11%と、昨年11月の前回調査の+2.02%から若干上昇率が高まりました。

足もとの市場の関心は、主要国の株価や米国の長期金利に向きがちであり、市場は各国の経済指標以上に株価や長期金利の動向に反応しやすい地合いとなっています。こうした状況は、当面続く可能性があります。NZの堅調な経済指標は、NZドル/米ドルの下支え要因に引き続きなり得るものの、NZドル/米ドルが上昇基調をさらに強めるには、リスク回避の動きが一段と後退する、あるいは米ドル安がさらに進む必要がありそうです。

NZの3月の経済イベントでは、22日のRBNZ(NZ中銀)の政策金利が最大の材料になりそうです。3月27日にエイドリアン・オア氏がRBNZ総裁に就任します。その直前ということもあり、政策金利は現在の1.75%に据え置かれるとみられます。今回の焦点は、声明の内容が2月8日の前回会合から大きく変化するのかどうか。特にNZドルや金融政策に関する文言に市場の注目が集まりそうです。前回は、NZドルについて「TWI(貿易加重指数)は、予測期間にわたって下落すると想定」するとし、金融政策については、「かなりの期間、緩和的な状態が続く」「多くの不確実性が残っており、それに応じて政策の調整が必要になる可能性がある」としました。

<八代>

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【加ドル】 3月7日のBOCの政策金利発表に注目!!

BOC(加中銀)が3月7日に政策金利を発表します。その結果が加ドルの動向に影響を与える可能性があります。

BOCは1月17日の前回会合で、0.25%の利上げを決定、その時の声明では、追加利上げの可能性を示しつつも、「一定の金融緩和の継続が必要になるだろう」と指摘し、利上げペースが鈍化することを示唆。利上げのタイミングは、経済指標やNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉の行方次第との姿勢を示しました。

前回会合以降に発表されたカナダの経済指標は弱めです。今年1月分の雇用統計は、失業率が5.9%(市場予想5.8%)、就業者数が前月比8.8万人減(同1.0万人増)でした。また、NAFTA再交渉の先行きは依然として不透明な状況です。昨年7月以降に実施した3回の利上げの効果を見極めるうえでも、BOCは3月の会合で政策金利を据え置くとみられます

3月の会合で利上げが決定された場合にはサプライズとなり、加ドルが上昇する可能性があります。政策金利の据え置きが決まれば、声明で“近い将来の利上げが示唆されるのか”が最大の焦点になりそうです。近い将来の利上げが示唆された場合、加ドルにとって支援材料になりそうです。一方で、政策金利を当面据え置くことが示唆されれば、利上げ観測が後退して、加ドルは上値が重くなる可能性があります。

<八代>

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【トルコリラ】シリア情勢に引き続き注意が必要

トルコは先月(1月)、テロ組織として敵視するシリア国内のクルド人勢力の掃討を目的に軍事作戦を開始。シリア北西部のアフリンへの攻撃を始めました。アフリンは、クルド人勢力が実効支配しています。

トルコは、軍事作戦をシリア北部のマンビジ(クルド人勢力が実効支配)へと拡大する可能性を示しています。一方で、米国は、IS(イスラム国)掃討作戦における同盟軍としてクルド人勢力を支援。マンビジには米軍が駐留しています。そのため、市場では、トルコ軍がマンビジに進軍すれば、米軍と衝突する可能性が懸念されています。

一方で、トルコとシリアのアサド政権が本格的な軍事衝突に発展する恐れも出てきました。アサド政権を支持する民兵組織が2月20日にアフリンに到着。民兵組織に対してトルコ軍が砲撃を加えました。民兵組織は翌21日、アフリンに新たな部隊を派兵。さらに22日には、クルド人勢力がアサド政権に正規軍をアフリンへ派遣するように要請したようです。トルコリラについては、シリア情勢に注意が必要です。

トルコの3月の経済イベントでは、5日の2月CPI(消費者物価指数)7日のTCMB(トルコ中銀)政策会合に注目です。TCMBの政策会合については、金融政策の現状維持が決まりそうです。CPI上昇率が鈍化傾向にあることや、トルコリラが対米ドルで1月の前回会合以降、比較的安定した値動きになっているためです。焦点は、声明で追加利上げの可能性に含みを残すのか?になりそうです。

<八代>

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【南アフリカランド】 新大統領への期待がランドの支援材料。ムーディーズが3月23日に南アフリカの格付け発表

南アフリカのズマ大統領が2月14日、辞任を表明。翌15日にラマポーザ氏(ANC党首)が大統領に就任しました。

“大統領がラマポーザ氏に交代すれば、政治が安定して、経済改革も進む”との期待が、南アフリカランドの支援材料となってきました。ラマポーザ大統領が誕生したことで、市場の関心は今後、新大統領の経済や財政の政策へと移っていくと考えられます。南アフリカのギガバ財務相は2月21日、2018/19年度予算案を発表。歳出を抑制する一方で、付加価値税を4月から15%(現在は14%)に引き上げる方針を示しました。付加価値増税は、1994年のアパルトヘイト廃止以降で初めてです。ラマポーザ大統領が財政再建策を打ち出したことは、南アフリカランドにとってプラス材料と考えられます。

格付け会社のムーディーズが3月23日に南アフリカの格付けを発表する予定です。南アフリカの長期債務(自国通貨建て)の格付けについては、大手格付け会社3社のうち、2社(S&Pとフィッチ)がジャンク(投機的)。ムーディーズは昨年11月、格付けを投資適格級最低に据え置いたものの、格下げ方向で見直すとしました。

市場では、大統領がズマ氏からラマポーザ氏に交代し、またラマポーザ新大統領が財政再建策を打ち出したことで、ムーディーズは3月の見直しで、南アフリカの格付けを据え置くとの見方が有力です。格付けとともに、焦点になりそうなのが、「ネガティブ」とされている格付け見通しです。市場の予想に反して格下げされる、あるいは格付け見通しが変化すれば、南アフリカランドが反応する可能性があります。

<八代>


※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

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