市場調査部レポート

2017/11/17 11:30南アフリカの格付けの行方は? 24日に注目

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【米ドル】米ドル/円の下押しフローにはご用心!
【ユーロ】ユーロ/米ドル、下値しっかりの展開となりそう
【豪ドル】RBAの金利据え置きが長期化するとの観測が重し
【南アフリカランド】南アフリカの格付けの行方は? 24日に注目
【相場環境】米感謝祭と税制改革の審議


【米ドル】 米ドル/円の下押しフローにはご用心!   

以下、米ドル/円・週足チャート+26週ボリンジャーバンド+ストキャスティクス(スロー)をご覧ください。

26週ボリンジャーバンドのセンターラインである26週移動平均線(26週MA)の「26週」とは、概ね半年間のスパンを表し、その組成的意味合いは「過去26週(約半年間)における市場参加者の米ドル/円の売買平均コスト」と置き換えることができます。

つまり、26週MAの方向性が平均コストの動向を示しており、これをさらに単純化すると、「26週MAの方向性が相場のトレンドとほぼイコールである」と捉えてよいでしょう。よって、現時点(17日時点)の米ドル/円のトレンドは「横ばい」「レンジ」を示唆しており、その「横ばい」「レンジ」時においてローソク足がボリンジャーバンド・+2σライン付近にある状態は【買われ過ぎ】と仮定することができ、当面は+2σライン(≒114.70円)が【レジスタンスライン】となりそうです。

一方で、逆張り系オシレーター指標の代表的な存在であるストキャスティクス(スロー)では、現時点(17日時点)において2本の線(%D、SD)が「買われ過ぎ」を示す80%ライン付近でクロスしており、いわゆる【デッド・クロス】(=強い売りシグナル)が示現しつつあります。(上図青点線丸印)

上図チャートからも分かる通り、同様のメルクマール(=2本の線が80%ライン付近でクロスする状態。上図青丸印)が示現した場合は、その後の下押しフローの起点となっており(上図赤三角印)、また、2本の線が右肩下がりで推移する動きと同じくして下降モメンタムが強まっていることが見て取れます。(上図色矢印)

逆張り指標によく見受けられる“ダマし”には十分留意する必要がありますが、以上の各メルクマールを総合すると、これからの米ドル/円は買われ過ぎ状態からの修正(=下押し)フローには用心した方がよさそうです。

<チーフアナリスト 津田隆光>


【ユーロ】 ユーロ/米ドル、下値しっかりの展開となりそう

以下、ユーロ/米ドル・週足チャート+26週ボリンジャーバンド+ストキャスティクス(スロー)をご覧ください。

上図チャートにおいて、26週MAが右肩上がりとなっていることから、ユーロ/米ドルの基本トレンドは【上昇トレンド】であることが分かります。

その一方で、ボリンジャーバンド・±2σラインが26週MAに向かって収縮(スクイーズ)していることから、「相場の力を溜め込んでいる状態」、つまり、方向性が定まらないレンジ相場主体の展開となることが想定されます。

ここもとのユーロ/米ドルは、26週MAがある程度サポートラインとなり得ており、当面のユーロ/米ドルは、同MA(≒1.1640ドル)付近では下値がしっかりした展開となりそうです。

また、逆張り系オシレーター指標のストキャスティクス(スロー)を見ると、現時点(17日時点)において2本の線(%D、SD)が「売られ過ぎ」を示す20%ライン付近でクロスしており、いわゆる【ゴールデン・クロス】(=強い買いシグナル)が示現しつつあります。(上図赤点線丸印)

米ドル/円同様、上図チャートにおいて同様のメルクマール(=2本の線が20%ライン付近でクロスする状態。上図赤丸印)が示現した場合は、その後の上昇フローの起点となっており(上図青三角印)、また、2本の線が右肩上がりで推移する動きと同じくして上昇モメンタムが強まっていることが見て取れます。(上図色矢印)

米ドル/円同様、逆張り指標によく見受けられる“ダマし”には十分留意しつつ、以上の各メルクマールを総合すると、これからのユーロ/米ドルは、ある程度下値のしっかりしたレンジ相場主体の展開となりそうです。

<津田>


【豪ドル】 RBAの金利据え置きが長期化するとの観測が重し

豪ドル/円や豪ドル/米ドルが下落傾向にあります。その主な要因として、RBA(豪中銀)の政策金利が長期間据え置かれるとの観測が挙げられます。

ロウ総裁らRBA当局者は7月以降、主要国の金融引き締めにRBAが追随する必要はないとの見解を繰り返し、政策金利を当面据え置くことを示唆してきました。こうした状況のなか、政策金利の据え置きが長期化するとの市場の観測を一段と強める材料がこのところ相次いだことで、豪ドルには一段の下押し圧力が加わりました。

RBAは11月10日に金融政策報告を公表。インフレ見通しを8月時点から下方修正し、基調インフレ率が2%前後に達すると予想する時期が8月時点の今年下半期から2019年上半期へと後ずれしました。

RBAのデベル副総裁は13日、RBAは急激な金利上昇が家計を圧迫することを十分に認識しているとしたうえで、急激な利上げを必要とする要因は現時点で見当たらないと発言。利上げを急ぐ必要はないとの見解を改めて示しました。

そして、15日に発表された豪州の7-9月期の賃金コスト指数(賞与を除く時給ベース)は、前年比+2.0%と、市場予想の+2.2%を下回りました。豪州では今年7月に最低賃金が3.3%引き上げられたため、それが賃金コスト指数の押し上げに寄与するとみられていたものの、結果は4-6月期(+1.9%)からわずかな加速にとどまり、賃金の伸びが依然として鈍いことが改めて示されました。

一方で、16日の豪州の10月雇用統計では、労働市場の改善が続いていることが示されました。ただ、RBAは現時点で雇用情勢よりも、高水準の家計債務や賃金の伸びの鈍さを懸念しています。そのため、今回の雇用統計の結果のみでRBAの姿勢(=政策金利を据え置く)が変化する可能性は低いとみられます。

来週(11月20日の週)は、21日にRBA議事録(11月7日開催分)が公表されます。議事録では、金融政策の先行きについて新たな材料が提供されるのか?に注目です。11月の政策会合時の声明の内容から大きな変化がなければ、RBAの政策金利は長期間据え置かれるとの観測を背景に、豪ドルには引き続き下押し圧力が加わりやすいとみられます。現在の環境で豪ドル/円や豪ドル/米ドルが反発に転じるには、円売り材料か、米ドル売り材料が必要と考えられます。

<シニアアナリスト 八代和也>


【南アフリカランド】 南アフリカの格付けの行方は? 24日に注目

来週(11月20日の週)は、23日にSARB(南アフリカ中銀)の政策金利24日に南アフリカの格付けが発表されます。

SARBの政策金利に関しては、現行の6.75%に据え置かれるとの見方が有力です。政策金利の今後については、市場では、来年(2018年)は6.75%に据え置き、2019年以降に利下げが行われるとの見方があります。会合後に行われるクガニャゴ総裁の会見が、その見方を変化させる内容になれば、南アフリカランドが反応する可能性はあります。

ただ、今回はSARBの政策金利以上に、S&Pとムーディーズによる南アフリカ国債の格付け発表がランドにとって重要と考えられます。足もとのランド下落の背景には、南アフリカの格付けが引き下げられるのでは?との懸念があるためです。

南アフリカの長期債務の格付けについては、外貨建てが大手格付け会社3社のうち、2社(S&Pとフィッチ)がジャンク(投機的)。一方、自国通貨建ては3社のなかでフィッチのみがジャンクであり、S&Pとムーディーズはいずれも投資適格級最低の格付けです。ただし、S&Pとムーディーズともに自国通貨建ての格付け見通しは「ネガティブ(引き下げ方向)」です。

南アフリカのズマ大統領の内閣改造や、政府の中期予算方針を受けて、市場では今回、南アフリカの格付けが引き下げられるとの見方があります。南アフリカのズマ大統領は10月17日、突然の内閣改造を行い、自身に批判的なエネルギー相や内務相など6人の閣僚を更迭。ギガバ財務相は10月25日に発表した中期予算方針で、南アフリカの2017年のGDP成長率見通しを2月時点の+1.3%から+0.7%へと下方修正し、財政赤字(対GDP比)見通しを2月時点の3.1%から4.3%へ引き上げました。

南アフリカの自国通貨建て債の発行残高は外貨建ての約10倍。そのため格下げの影響は、外貨建てよりも自国通貨建ての方が大きいとみられます。S&Pとムーディーズの両社が自国通貨建て債をジャンクへと格下げすれば、南アフリカから最大120億ドルの資金が国外へ流出する可能性も指摘されています。

S&Pとムーディーズの1社でも格下げした場合、ランドには下押し圧力が加わる可能性があります。2社とも格下げすれば、下押し圧力はかなり強くなる可能性もあります。一方、両社とも格付けを据え置けば、南アフリカランドにとって支援材料となりそうです。ただし、その場合でも、南アフリカの政局の動向に引き続き注意する必要があります。与党ANC(アフリカ民族会議)党首選が12月に行われる予定です。また、隣国ジンバブエの政変は今のところ南アフリカランドにほとんど影響していませんが、今後の展開には注意が必要かもしれません。

<八代>


【相場環境】 米感謝祭と税制改革の審議

23日は米国のサンクスギビング・デー(感謝祭)で休日。翌24日はブラックフライデーと呼ばれ(小売業者がこの日から年間黒字になるといわれています)、クリスマス商戦が公式にスタートします。各小売業者が大々的にセールを行います。また、週明け27日はサイバーマンデーと呼ばれ、ネット通販が盛り上がるとされています。それらの良し悪しが消費の先行きを占う材料になります。
NRF(全米小売連盟)によれば、今年のクリスマス商戦は前年比+3.6-4.0%と、前年(+3.6%)並みか、やや改善が予想されています。

税制改革の議会審議は、下院案が16日に可決されており、現在は上院財政委員会が上院案を審議中です。上院財政委員会の審議が終了すれば、上院案の採決が待っています。上院案が可決されれば、両院評議会にて一本化作業が行われます。そして、上院と下院が同一の一本化法案を可決すれば、トランプ大統領に送付され、署名を得れば成立です。ただし、上院案の審議は難航が予想され、仮に可決されても、下院案との一本化にはさらに時間がかかりそうです。
主な焦点は、(1)今後10年間の財政赤字の拡大が予算決議で示された1.5兆ドルに収まるか、(2)中立の合同税制委員会が示したように中間所得層にとって中期的に増税にならないか、(3)上院案に盛り込まれたオバマケアの一部(個人の保険加入義務付け)の撤廃を認めるべきか、などです。

来週(20日-)の主要なスケジュールは後掲の<来週の主要経済指標・イベント>をご参照。

<チーフエコノミスト 西田明弘>


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