市場調査部レポート

2016/12/23 11:22【マンスリー・アウトルック(2017/1)】米ドル/円、「1月相場」に要警戒!

【お知らせ】
12月30日の市場調査部レポートは休載します。次号は1月6日にウィークリー・アウトルックを発行いたします。

― 2017年1月の為替相場展望 ― 
米ドル/円、「1月相場」に要警戒!


《相場環境》

FOMCや日銀の会合が終了し、年内に大きなイベントはなし。2017年1月にかけて注目されるのは、(1)「トランプ政権」の始動、(2)FRBの利上げペース(に関する市場の見方)、(3)日銀の金融政策(長期金利の上昇容認に舵を切るか)、(4)欧州情勢(イタリアの不良債権問題と政局)、など。
景気情勢や金融政策の方向性の差から、2017年も「米ドル高」「円安」が基本と考えるが、米大統領選挙後の「米ドル高」「円安」のペースが速かったために、目先的には、市場は相場が調整するような材料に要注意か。

<主要通貨の動向>

・【全体観・米ドル】米ドル/円、「1月相場」に要警戒!
・【ユーロ】2017年は欧州の年に? ユーロ/米ドル、「パリティ」到達は時間の問題!?

<資源国・新興国通貨の動向>

・【豪ドル】金融政策見通しの違いを背景に、対米ドルで下落圧力が加わりやすい!?
・【NZドル】NZドルのプラス材料への反応が鈍い。対米ドルで弱含みか
・【加ドル】連動性がやや薄れるも、引き続き原油価格に目を向ける必要
・【トルコリラ】マイナス材料目立つ、対円も引き続き注意が必要
・【南アフリカランド】対円は上昇が一服し、レンジ内の動きになる可能性も!?

◆主要経済指標・イベント
◆OIS(翌日物金利スワップ)に基づく金融政策見通し


≪相場環境≫

景気の格差や金融政策の方向性に基づけば、2017年も「米ドル高」および「円安(ユーロ安)」が相場の基本と考えています。ただし、米大統領選挙後の「米ドル高」「円安」のペースが速かったために、目先的には、市場は相場が調整するような材料に比較的素直に反応するかもしれません。
2016年末から2017年1月にかけての注目点は以下の通りです。

1.トランプ政権」の始動
1月20日にトランプ大統領が正式に就任します。その数日後には上下両院議員を前に所信表明演説を行うとみられます。そこで、減税やインフラ投資、移民規制など優先的に取り組む課題や具体的な内容が示されるでしょう。

市場が期待する財政出動(減税やインフラ投資)に関して、共和党の上院院内総務(事実上のナンバー1)のマコンネル議員は、「債務残高は危険水準にあり、減税は財政中立(=財源が必要)であるべき」、あるいは「(インフレ投資など)1兆ドル規模の景気刺激は不要」と発言しています。また、同じく下院議長のライアン議員も同様の趣旨の発言をしています。さらに、12月14日のFOMC後の会見で、イエレン議長は「完全雇用達成のために財政刺激は必要でない」と語っています。トランプ政権が実際に減税やインフラ投資を進めるうえで、様々な障害が明らかになるかもしれません。

ドル実効レートは2002年末以来の高値圏にあります。一段の「ドル高」は米企業の対外競争力を弱めるとの懸念を生みそうです。足元は政権の移行期であり、いわば「司令塔不在」とも呼べる状況です。しかし、トランプ政権の始動後に、「ドル高」に対するけん制が始まる可能性には留意する必要がありそうです。

2.FRBの利上げペース
12月14日、FOMCは0.25%の利上げを決定しました。参加者の政策金利見通し、いわゆる「ドット」によれば2017年中に3回の利上げが示唆されました。ただし、3回の利上げは「ドット」の中央値に過ぎず、参加者の見通しは1回から6回と大きなバラツキがあります。12月の利上げの根拠となった「労働市場の改善と物価動向」次第で、市場の利上げ観測はペースアップもペースダウンもすると考えるべきでしょう。

労働市場がほぼ完全雇用状態にあることはFRBも認めています。一段の雇用改善は、賃金上昇を通じてインフレを加速させる可能性があります。状況次第で、2017年の利上げは3回以上との見方が強まっても不思議ではないでしょう(政策金利先物によれば、12/22時点で2017年中に3回以上の利上げがある確率が42.9%織り込まれています)。まずは、1月6日の雇用統計(12月分)等の経済指標に注目でしょう。

3.日銀の金融政策と日米長期金利差
12月20日、日銀は金融政策決定会合で現状維持を決定しました。米国主導で世界的に長期金利が上昇傾向にあるため、日銀がゼロ%程度としている長期金利の目標を引き上げるのではないかとの見方もありました。しかし、会合後の会見で、黒田総裁はそうした見方を強く否定しました。

足下のドル高円安の背景には、日米長期金利差(日<米)の拡大もあるため、日本の長期金利の上昇が容認されるようであれば、一時的にせよドル安円高要因となる可能性はありそうです。次回の日銀会合は1月30-31日に予定されています(FOMCは1月31日-2月1日)。

4.欧州の銀行問題と政治情勢
イタリアの銀行の不良債権問題が燻(くすぶ)っています。国内第3位のモンテパスキ銀行は自力再建に向けた増資計画を断念しました。一方、イタリア政府は200億ユーロの支援資金の議会承認を取り付けており、一部を「予防的」措置としてモンテパスキ銀行に投入する方向です。

ユーロ圏の主要株価指数STOXX(ストックス)の予想変動率V2X(米国のVIXに相当)によれば、同地域でとりわけリスクオフが強まっている様子はありません。イタリアの不良債権問題が直ちに金融危機(=リスクオフ)につながる状況ではなさそうです。ただし、イタリアの政局が流動化していることもあり、事態の進展を見守る必要はありそうです。

イタリアでは、国民投票後のレンツィ首相の辞任に伴い、ジェンティローニ政権が誕生しました。ただし、野党の要求により、2018年に予定される議会選挙が2017年初に前倒しされる可能性もあるようです。欧州では、2017年中にオランダ、フランス、ドイツなどで重要な国政選挙が控えています。各国で、反EU、反ユーロの勢力が勢いを増しているなかで、イタリアの政局がどうなるか、大いに注目されるところです。<チーフエコノミスト 西田明弘>


<主要通貨の動向>

【全体観・米ドル】 米ドル/円、「1月相場」に要警戒!

年末年始のマーケット状況を勘案する上で、今回は少し違った角度から考察してみたいと思います。まずはアノマリー分析から。

【アノマリー分析】
アノマリーとは、はっきりとした理論的根拠を持つ訳ではないものの、よく当たるかもしれないとされる経験則やパターンのことで、季節的傾向(シーズナリー・サイクル)などが特に有名。

中でも、「黄金のアノマリー」とも言えるのが<10月末買い、翌年4月末売り>ですが、その短縮・変形バージョンとして<8月末買い、12月末売り>についても、今年のレポートで何度かお伝えした通りです。

この<8月末買い、12月末売り>を見る上で、過去20年(1996/1-2015/12)における日経平均とNYダウの月別株価騰落率平均について、以下ご覧ください。



上図からも分かる通り、日経平均・NYダウともに年間を通じて8月は下げやすく、その後9月も軟調に推移した後、11-12月にかけて上昇しやすい傾向が見て取れます。

その後、日経平均・NYダウともに4月にかけて上昇しやすい傾向が見られるものの、「坂の上の雲」を追いかける途上で気を付けなければならないのが・・・【1月相場】

かつては「1月効果」(January effect)ということで、『1月相場は上がりやすい』との見方もありましたが、直近のデータを見る限り、その見方は否定せざるを得ないような傾向も。上図からも、日経平均・NYダウともに1月は下落傾向が見られ、最近のアノマリーでは「1月安」「戎天井」との見方もあります。(※主に関西地方で行われる「戎まつり」[1/9-11]の期間に相場の“天井”となる傾向があること。)

株価との相関関係が比較的高い米ドル/円や、クロス円(豪ドル/円・NZドル/円)について、概ねこのような傾向があると捉えていいでしょう。

より細かく見る上で、以下、直近10年(2007/1-2016/1)における主要銘柄(日経225、NYダウ、米ドル/円、豪ドル/円、NZドル/円)の「1月 陽線・陰線表」についてご覧ください。



上記表より、直近10年における「1月 陰線確率」は、日経225とNYダウで.600、米ドル/円・NZドル/円で.700、豪ドル/円に至っては.800の確率で陰線(月初レート>月末レート)となっていることが分かります。

あくまで、期間限定のデータであるという事は認識いただいた上で、シーズナリー・サイクルの一例として認識していただければと思います。

次に見ていきたいのが、アストロロジー分析について。

【アストロロジー分析】
天体相位におけるアスペクト(角度)やホロスコープを利用しながら、星の位置や月の満ち欠けからマーケットの方向性や転換点を読み取る方法のこと。“究極のマーケット分析”との見方も。

このアストロロジー分析とは、西洋占星学をベースとする金融占星術のことで、例えば月の満ち欠けなどの天体観測とマーケットの関係について表したものです。直近では、12月19日から『水星逆行現象』が確認されており、2016年の内で4回目の現象となっています。(-2017年1月7日)

以下、2016年1月4日以降の米ドル/円・日足チャートと、『水星逆行現象』期間およびその前後のカタリスト(相場変動イベント)につき、ご確認ください。



上図では、黄色部分が『水星逆行現象』が起こっている期間となりますが、その期間の前後に相場カタリストとなるような材料が発生しやすいと言われています。以下、その期間と材料です。

―2016年 水星逆行現象時前後の相場カタリスト一覧―
[1/5-1/25]
日銀、マイナス金利政策を発表。その後、「マイナス金利ショック」と呼ばれる相場フローに。
[4/29-5/21]
原油の増産凍結を協議する「ドーハ会合」が決裂し、その後原油と株式・米ドルが売られるフローに。
[8/30-9/21]
日銀、1月時の金融政策目標を変更し、「長短金利付き量的・質的緩和」に。その後米ドル高・円安フローに。
[12/19-2017/1/7]
???

奇しくも、アストロロジー分析から見る、2016年4回目の『水星逆行現象』の終了日時である2017年1月7日と、アノマリー分析から見る「戎天井」(2017年1月9-11日)の時期がほぼ同時期であることは単なる偶然なのでしょうか。

以上、アノマリー分析とアストロロジー分析の一例を紹介しましたが、これからの年末年始相場におけるご参考にしていただければ幸いです。

閑話休題。以下、米ドル/円・一目均衡表+ボリンジャーバンド+フィボナッチにつき、ご確認ください。



上記米ドル/円・月足チャートでは、2015年6月に付けた高値(125.86円、上図A)と今年6月に付けた安値(98.76円、上図B)を結んだフィボナッチ重要ラインである「50.0%ライン」「61.8%ライン」をほぼ“無抵抗”で突き破っていることが分かるかと思います。

一方で、この「61.8%ライン」(≒115.51円)を上回った場合は、さしたるメルクマールがないというのも事実。最終的には「半値戻しは全値戻し」の格言にもある通り、昨年6月に付けた125.86円を目指す展開となりそうですが、目先の上値メドは今年1月に付けた121.66円が妥当な線ではないでしょうか。

その手前の心理的抵抗ラインは「120円」。年末年始の米ドル/円の上値メドは「120円」と考えてもよさそうです。

一方で、下値メドについては、フィボナッチの重要数値である「61.8%ライン」(≒115.51円)を想定することを総合すると、年末年始における米ドル/円のコアレンジは【115.00-120.00円】と想定できそうです。<チーフアナリスト 津田隆光>

【ユーロ】 2017年は欧州の年に? ユーロ/米ドル、「パリティ」到達は時間の問題!?

早速ですが、以下ユーロ/ドル・週足・一目均衡表をご覧ください。



上記チャートより、1) 遅行スパン(先端部分)がローソク足の下方にあること、2) 転換線が基準線の下方にあること、そして3) ローソク足が先行スパン(いわゆる“雲”)の下方に位置していることから、【三役逆転】(=強力な下落シグナル)が示現していることが分かります。

来る2017年は、ドイツ・フランス・オランダにおいて総選挙が予定されており、2016年のトランプ現象が欧州大陸でも再現される可能性についても取り沙汰されており、2017年はいわば『欧州の年』になるとの見方もあります。(イタリアの銀行問題や政治動向からも目が離せません。)

その欧州情勢の不安定化や米ドルの独歩高、そしてECB(欧州中央銀行)の金融政策もあり、現在のユーロ/米ドルは下落基調を続けており、数値的目安となる1.0500ドルラインを割り込むような状況となっています。(上図赤丸印)

直近では、2015年3月(上図A)や同年11月(上図B)において、この1.0500ドルラインを一時的に割り込んだものの、その後は短期的な巻き返し(=短期上昇)フローとなりました。

今回、その1.0500ドルラインを明確に下抜けしており、その下方ではさしたるメルクマール(指標)が見当たらないというのが実際のところ。

となれば、次の節目となり得るのは、「パリティ」(等価。1ユーロ=1ドル)

「パリティ」到達は時間の問題となり得ると考えますが、どうなのでしょうか。<津田>


<資源・新興国通貨の動向>

【豪ドル】 金融政策見通しの違いを背景に、対米ドルで下落圧力が加わりやすい!?

豪ドルは12月、対米ドルで約6か月半ぶりの安値をつけました。米10年債利回りの上昇や米FRBの利上げペースが速まるのでは?との観測を背景に、米ドル高が進んだことが主因です。

豪ドルにとってプラス材料はあります。中国の青島に荷揚げされる鉄鉱石(鉄分62%)価格は、足もとは弱含んでいるものの、それでも約2年ぶりの高値圏にあります。リスク選好の動きが鉄鉱石価格を押し上げているとの見方がある一方、中国の鉄鉱石輸入量も増えています。12月8日に発表された貿易統計では、中国の11月の鉄鉱石輸入量が前月比+13.8%と、過去3番目の強い伸びを記録。中国の鉄鉱石需要の堅調さが示唆されました。鉄鉱石は豪州最大の輸出品であるため、その価格の上昇が続くのであれば、豪経済にとってプラスと考えられます。


※鉄鉱石価格=中国の青島に荷揚げされる鉄鉱石(鉄分62%)
出所:Bloombergより作成

ただし、市場の関心は現在、米国に向いており、豪ドルの材料に反応しにくい地合いです。この状況はまだしばらく続く可能性があり、豪ドル/米ドルは、米国の材料、とりわけ米FRBの金融政策見通しに影響を受けやすいとみられます。FRBが来年も利上げを継続するとみられる一方、RBA(豪中銀)は当面、政策金利を据え置くと考えられ、市場では利下げ観測も根強くあります。こうしたFRBとRBAの金融政策見通しの違いを背景に、豪ドル/米ドルには下落圧力が加わりやすいとみられます。一方、豪ドル/円は、豪ドル/米ドルと米ドル/円双方の影響を受けます。米ドル/円が堅調に推移すれば、豪ドル/円は底堅い展開になるかもしれません。<アナリスト 八代和也>

【NZドル】 NZドルのプラス材料への反応が鈍い。対米ドルで弱含みか

NZドルは12月、対米ドルで約6か月半ぶりの安値をつけました。豪ドルのケースと同様に米ドル高が進んだことが主因です。

NZドルの環境は比較的良好です。乳製品国際価格の指標となるGDT価格指数は、約2年4か月ぶりの高値圏を維持。オセアニアにおける天候不順で乳製品の供給量が減少するとの観測などを背景に、GDT価格指数は2016年8月以降、上昇基調にあります。

また、RBNZ(NZ中銀)は利下げが2016年11月で打ち止めとなる可能性を示唆しており、市場ではRBNZが来年中に利上げに転じるとの見方も浮上しています。OIS(翌日物金利スワップ)では、RBNZが2017年5月までに利上げを行う確率は10.0%。利上げの確率は、同6月までで37.2%、9月までで72.5%へと上昇します(12月22日時点)。

NZ最大の輸出品である乳製品の価格上昇や、RBNZの利上げ観測は、NZドルにとってプラス材料と考えられます。

ただし、現在の市場は、NZドルの材料よりも、米FRBの金融政策など米国の材料に反応しやすい地合いです。FRBの利上げペース加速観測を背景に、12月は米ドル高が進みました。この状況はしばらく続き、NZドル/米ドルは一段と下落する可能性があります。一方、NZドル/円は、NZドル/米ドルと米ドル/円双方の影響を受けます。豪ドルのケースと同様に、米ドル/円が堅調に推移すれば、NZドル/円は底堅い展開になるかもしれません。<八代>

【カナダドル】 連動性がやや薄れるも、引き続き原油価格に目を向ける必要

加ドルは対米ドルで原油価格に影響を受けやすい地合いが続いてきました。ただし、足もとは原油価格との連動性がやや薄れている感もあります。その要因として、市場の関心が米国の金融政策の行方に向いていることが考えられます。それでも、原油価格が堅調に推移すれば、加ドルにとってある程度の下支え材料になりそうです。一方、原油価格が下落基調に転じた場合、加ドルには下落圧力が加わる可能性があります。クロス円である加ドル/円は、米ドル/円にも目を向ける必要があります。

2017年1月18日にBOC(カナダ中銀)の政策金利が発表されます。現行の0.50%に据え置かれる可能性が大で、声明の内容が焦点になりそうです。OIS(翌日物金利スワップ)を参考にすると、BOCの政策金利に関する市場のメインシナリオは、少なくとも2017年9月まで「据え置き」です。声明を受けて、この見方が変化すれば、加ドルが反応する可能性もあります。<八代>


*原油価格・・・米WTI原油先物
出所:Bloombergより作成

【トルコリラ】 マイナス材料目立つ、対円も引き続き注意が必要

TCMB(トルコ中銀)は12月20日の会合で、3つの政策金利をすべて据え置きました。

<TCMBの政策金利結果>
 ・1週間物レポ金利(主要政策金利): 8.00%
 ・翌日物貸出金利: 8.50%
 ・翌日物借入金利:7.25%

声明では、「最近の世界的な不透明感の高まりによる為替レートの動向、および原油価格の上昇が、インフレ見通しに上振れリスクをもたらす」と指摘。一方で、「総需要の動向がこれらの影響を抑制する」との見方を示しました。トルコ経済は、今年7月に発生したクーデター未遂事件の影響で、7-9月期にマイナス成長へと転落。マイナス成長を記録したのは、2009年7-9月期以来、7年ぶりです。

TCMBは今年11月、トルコリラ安がインフレ見通しに上振れリスクをもたらすとして、2014年1月以来、2年10か月ぶりに利上げを実施しました。その後、トリコリラは対米ドルで過去最安値を更新したものの、トルコ経済の低迷を踏まえて、TCMBは11月に実施した利上げの効果を見極めるために今回「据え置き」の判断を下したと考えられます。

トルコの与党AKP(公正発展党)は12月10日、エルドアン大統領の権限を強化する憲法改正案を議会に提出。国民投票は来年春にも実施される可能性があります。市場は憲法改正によって、エルドアン大統領が独裁色を一段と強めることを懸念しています。

こうした国内要因に加えて、市場ではFRB(米連邦準備理事会)が来年、利上げを複数回行うとの観測があります。トルコリラは引き続き、とりわけ対米ドルで下落圧力が加わりやすいとみられます。

市場では、TCMBはいずれ利上げが必要になるとの見方が根強くあり、今後、TCMBの利上げを催促するような動き(トルコリラ売り)になる可能性もあります。トルコリラ/円は、米ドル/円の上昇に支えられて、比較的落ち着いた値動きになっているものの、引き続き注意が必要です。<八代>

【南アランド】 対円は上昇が一服し、レンジ内の動きになる可能性も!?

南アフリカランド/円は12月、8円台半ばへと上昇し、約1年ぶりの高値をつけました。背景として、(1)米ドル/円の上昇、(2)格付け会社のS&Pが南アフリカ国債(外貨建て)の格付けを据え置いたこと、(3)原油などの資源価格の上昇、が主に挙げられます。

また、52週移動平均線を上回ったことで、テクニカル面から南アフリカランド/円に上昇圧力が加わった可能性も考えられます。

南アフリカランド/円(週足)

*期間:2013/2/10週-
出所:M2JFXチャート

ただし、南アフリカランド/円は、2006年4月の19.75円を起点とする長期下落トレンドラインに接近してきました(2016年12月時点で、8.8円近辺に位置)。下落トレンドラインに近づくにつれて、利益確定売り圧力が強まることが考えられます。南アフリカランド/円は当面、52週移動平均線と長期下落トレンドラインの間で、上下を繰り返す可能性があります。

2017年1月24日にSARB(南アフリカ中銀)の政策金利が発表されます。政策金利は現行の7.00%に据え置かれそうです。クガニャゴ総裁を含めてSARB当局者は、2014年に開始した利上げが最終局面に近いとこれまで明言してきました。その見方に変化があるのかどうかに注目です。見方が変化した場合、南アフリカランド/円が反応する可能性があります。<八代>

南アフリカランド/円(月足)

*期間:2014/1-
出所:M2JFXチャート




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