市場調査部レポート

2016/03/25 13:43【マンスリー・アウトルック(2016/4)】 ドル安は止まるか

― 2016年4月の為替相場展望 ― 
ドル安は止まるか


《概観》

3月の為替相場は、ドル安かつ円安であり、リスク回避相場の巻き戻しだった。そうしたなか、ドル円は上値が重かったが、下旬に入って米利上げ観測の高まりからドルが反発。4月もファンダメンタルズ、とりわけ金融政策が相場材料になるか。注目ポイントは、(1)日本からのマネーフローの変化、(2)日本の企業決算、(3)日米の金融政策、(4)米大統領予備選、など。

<主要通貨の動向>
・【米ドル】 年内複数回利上げの観測が強まれば、115円を目指す展開も
・【円】 日本からのマネーフローの変化が円安要因となるか
・【ユーロ】 追加緩和期待の「出尽くし感」でユーロ上昇も、リスク要因多く上値は重いか
・【ポンド】 ベルギーのテロでEU離脱派が勢力拡大か!?

<資源国・新興国通貨の動向>
・【豪ドル】 底堅い展開を予想、一段高の可能性あり
・【NZドル】 18日のCPIと28日のRBNZ政策会合に注目
・【カナダドル】 BOCは4月も政策据え置きか。原油堅調がカナダドルの下支えに
・【トルコリラ】 TCMBを材料に上値が重い展開か
・【南アランド】 SARBの追加利上げ観測が下支えか

◆主要経済指標・イベント
◆OIS(翌日物金利スワップ)に基づく金融政策見通し


≪概観≫

3月の為替相場(24日まで)は、主要通貨のなかで円が最も弱く、ドルがそれに次ぐ展開でした。世界の主要な株価や原油価格が2月中旬に反発に転じ、年初来ほぼ一貫して20を超えていたVIX「恐怖」指数は平時のレンジ(10-20)の中心近辺まで低下しました。典型的なリスク回避相場の巻き戻しと位置付けられそうです。

米利上げ観測が再び高まるなかでも、ドルは上値が重く、地合いの悪さを印象付けました。敢えて背景を考えると、(1)2013年ごろから続いてきたドル高の調整、(2)米大統領予備選での有力候補の内向きの発言などが考えられます。さらには、(3)2月下旬の上海G20におけるドル高是正の密約説までまことしやかに語られました。

もっとも、3月下旬に、米FRB関係者から「4月にも利上げの可能性あり」の発言が相次ぐと、ドルは主要通貨に対して反発に転じました。3月下旬のイースター絡みの連休明け、あるいは4月の日本の新年度入り後に、市場がファンダメンタルズ、とりわけ金融政策を相場材料にするか、注目されるところです。

4月の注目ポイントは、(1)日本からのマネーフローの変化、(2)日本の企業決算、(3)日米の金融政策、(4)米大統領予備選、などです(【米ドル】【円】の項で詳述します)。<チーフアナリスト 西田明弘>


<主要通貨の動向>

【米ドル】 年内複数回利上げの観測が強まれば、115円を目指す展開も

3月15-16日のFOMCで、金融政策の現状維持が決定されました。同時に公表された政策金利見通し(参加者の中央値)では、年内2回の利上げが想定されており、前回、昨年12月時点の「4回」から下方修正されたことが、利上げに慎重な「ハト派」的と市場で判断されました。

ただ、その後、5人の地区連銀総裁が「4月ないし6月」の利上げに前向きと受け取れる発言をしました。3月のFOMCで即時利上げを主張したカンザスシティ連銀のジョージ総裁を加えると、12人の地区連銀総裁のうち、少なくとも半数が「タカ派」的な言動をしていることの意味は小さくないでしょう。

背景には、インフレ率の上振れがあります。食料とエネルギーを除くCPI(消費者物価)コアは、今年2月時点で前年比+2.3%と、2%の物価目標を超えています。FRBが重視するPCE(個人消費支出)コアは依然として目標を下回っているものの、1月時点で前年比+1.7%まで高まってきました。原油をはじめ資源価格が反発していること、ドル実効レートが2月以降下落基調に転じたことから、食料やエネルギーを含む総合物価の抑制要因もはく落するかもしれません。



昨年12月に利上げを開始した時の声明に、「物価目標に向けて実現した、あるいは今後予想される達成度を注意深く監視する」との一節がありました。物価動向が利上げペースのカギを握りそうです。年内に2回以上の利上げが実施されるとの見方が強まれば、ドルがサポートされ、115円を目指す展開になるかもしれません。

大統領予備選:共和党内は大混乱!?
3月15日のミニ・スーパーチューズデーを経て、民主党はクリントン氏が7月の党大会での指名獲得をほぼ確実にしました。一方、共和党はトランプ氏のリードが続くものの、党大会での指名に必要な代議員の過半数獲得は難しくなってきたようです。

党大会までに過半数の代議員を獲得した候補がいない場合、「競争による党大会」あるいは「周旋による党大会」が実現します。これは過半数の代議員から支持を得る候補が現れるまで、代議員による投票が繰り返されるものです。

投票の2回目以降は、代議員は支持を表明した候補以外にも自由に投票できるため、共和党主流派はトランプ氏以外の誰か(立候補していない人物も可)を担いで、その候補に投票するよう代議員に働きかけることになりそうです。一方、トランプ氏は、「(代議員が過半数に達さなくても)最多数を獲得した自身が指名を受けるべき」と主張しています。

トランプ氏が党指名を獲得した場合、共和党主流派は11月の本選挙で、独自の候補を二大政党外から擁立することを検討しているとも報道されており、共和党の混乱ぶりがうかがえます。いずれにせよ、トランプ氏の躍進は政治の不透明感を強めることで、ドルにとってマイナス材料となるかもしれません。<西田>

【円】 日本からのマネーフローの変化が円安要因となるか

4月1日の新年度入りによって、日本からのマネーフローに変化が生じるか、注目されるところです。日本の企業や投資家による海外資金の引き揚げ、いわゆる「リパトリ(エーション)」が2月以降の円高の背景にあるかどうかはハッキリしません。ただし、年度末の円高要因は消滅するはずです。

一方で、新年度入りして、日本の投資家は外貨建て資産への投資を増やす可能性があります。日本国債の利回りが軒並みマイナスとなるなかで、少しでも有利な運用先を求めて対外投資が増えれば、円安要因となりそうです(為替ヘッジ付きの場合は中立要因)。



2月のCPI(消費者物価)は前年比+0.3%、食料とエネルギーを除くコアは同+0.8%と、1月(それぞれ0.0%、+0.7%)からやや伸びが高まりました。ただ、日銀の物価目標である+2.0%を大きく下回っています。また3月の東京都区部のCPIが前年比-0.1%と、1月(-0.3%)に続いてマイナスになるなど、「デフレ脱却」の困難さが示されました



4月1日には日銀短観3月調査が発表されます。さらに、4月27-28日の日銀の金融政策決定会合では、「経済と物価情勢の展望(展望レポート)」も公表されます。最新の情勢を踏まえたうえで、「さらなる金融緩和が必要だと判断した」と言いやすい状況になるかもしれません。

4月下旬以降は、日本企業の2015年度決算の発表が本格化します。決算発表では、同時に2016年度の見通しも明らかになります。ドル円の115円程度が増減益の分岐点との見方もあり、保守的な(円高方向の)前提のもとで企業が減益予想を出すならば、株価のマイナス要因になりそうです。

一方、5月の伊勢志摩サミットや7月の参院選をにらんで、安倍政権は経済対策に取り組んでいる姿勢をアピールしたいところでしょう。その一つが消費税増税の先送りになるかもしれません。その場合、国民の信を問うために衆院を解散、ダブル選挙の可能性も出てきます。安倍政権の経済政策や政治情勢に対して市場がどう反応するか、興味深いところです。<西田>

【ユーロ】 追加緩和期待の「出尽くし感」でユーロ上昇も、リスク要因多く上値は重いか

ECBは3月10日の理事会で、大幅な追加緩和策の導入を決定しました。

金利については、(1)主要政策金利であるレポ金利を0.05%から0.0%へ、(2)貸出金利を0.30%から0.25%へ、(3)預金金利をマイナス0.30%からマイナス0.40%へと、それぞれ引き下げ。

QE(量的緩和)については、(4)月々の購入額を600億ユーロから800億ユーロへ増額し、国債だけでなく社債も購入対象に、(5)新たに対象限定型の長期融資(TLTRO)を6月に開始することを決定しました。

この決定直後には、米ドル高・ユーロ安が進行しましたが、ドラギECB総裁が会見で追加利下げの必要性を否定したことや、原油価格・欧米株の軟調が米ドル売りに繋がり、ユーロ高へと振れ直しました。

この追加緩和は、市場が予想していた中銀預金金利の引き下げだけでなく、主要政策金利であるレポ金利のゼロ金利化、貸出金利、預金金利の引き下げなど思い切ったものでした。QE(量的緩和)も、市場が予想していた月間購入額の増加額100億ユーロを超える200億ユーロと、「今出来ることは全てやる」とのECBの断固たる姿勢が窺われたものの、逆に「(追加緩和期待の)出尽くし感」がユーロを押し上げました。

この決定前まで、週足ボリンジャーバンド(周期26週)のプラス1シグマが上値抵抗線となっていたユーロ/米ドルは、翌週(3/14-18)には同線を週終値で上回りました。週終値でプラス1シグマを上回ったのは、昨年10月中旬以来です。これまでの中心線だった26週線が、プラス1シグマへと上方シフトした形となり、上値節目も従来のプラス1シグマから、プラス1.5シグマ(プラス1シグマとプラス2シグマの中間値)またはプラス2シグマへと上方へシフトする兆しが見られ始めています。

ただ、プラス2シグマは昨年8月以降、重い上値抵抗線として機能しており、今年に入ってからは一度も同線を超える場面がみられません(3/25時点)。ユーロ圏では難民問題や、IS(イスラム国)によるテロ懸念など、一朝一夕に解決できない課題を抱えており、上値の重さは払しょくされにくいとみられます。

一方下値節目は、足もと横ばい傾向で推移している26週線(3/25時点で約1.1ドル)が支持となる可能性があります。仮に1.1ドルを下回る場合でも、週足一目均衡表の基準線が1.094ドル(4月末時点)にあるためユーロ/米ドルの下落は限定的となる可能性もありそうです。<シニアアナリスト 山岸永幸>

【ユーロ/米ドル(週足) 2015/8/2 – 2016/3/25】  出所: FX Chart Square


【ポンド】 ベルギーのテロでEU離脱派が勢力拡大か!?

BOE(英中銀)は3月17日のMPC(金融政策委員会)で政策金利の据え置きを全会一致で決定しました。

議事要旨では、「英国のEU離脱に関する不確実性がポンド安を促した」「世界経済見通しに下振れリスクがある」とリスク要因を挙げる一方で、「どちらかといえばおそらく、今後3年間で利上げが行われるだろう」「利上げをする際は前回のサイクルよりも緩やかで低い水準となる見通し」と記されました。

その前日、3月16日には英国政府が2016年度の予算案を発表。景気減速対策として法人税の段階的引き下げなどの刺激策を盛り込んだことから、その効果を見極めたいとの意図もあったかもしれません。

次回のMPCは4月14日に開かれますが、MPCメンバーからは、とくに利上げを急ぐ発言なども聞かれず、4月会合でも政策金利の据え置きが決定されそうです。

Brexit(ブレグジット、英国のEU離脱)を巡る問題については、22日に公表された世論調査(3/18-20に実施、2000人対象)で、離脱支持が43%、残留支持が41%と、離脱支持が優勢という結果になりました。ベルギーで現地22日に起きたテロの影響は反映されておらず、同事件を巡りEU離脱派が増加するのではとの観測の高まりで、市場ではポンドの下落ピッチが速まる場面もみられました。

英国では、3つの有力な経済研究機関がEU離脱によって英国経済は大きな打撃を受けるとのシュミレーション結果を相次いで発表、残留派に有利な雰囲気が続いています。しかし、16日に発表された予算案に盛り込まれた一部福祉の見直し(身障者への手当削減など。現在は撤回された)が不評で、与党が評判を落としていることや、ベルギーのテロが英国にも波及する懸念が影響を与えるかもしれません。

6月23日の国民投票まで、Brexit問題は尾を引くとみられ、ポンドの重石となりそうです。<山岸>


<資源・新興国通貨の動向>

【豪ドル】 底堅い展開を予想、一段高の可能性あり

3月は豪ドル高が進行、対米ドルで8か月ぶりの高値をつけ、対円も上昇しました。原油価格の反発を背景にリスク回避の動きが後退したこと、堅調な豪州の経済指標、原油や鉄鉱石など資源価格の上昇が支援材料となりました。

4月に発表される豪経済指標では、14日の3月雇用統計、27日の1-3月期CPI(消費者物価指数)に注目です。

RBA(豪中銀)が政策金利を2.00%に据え置いている理由のひとつに、「国内の労働市場の改善」があります。失業率は2015年7月の6.3%をピークに改善傾向にあります。3月の雇用統計が堅調な結果になれば、RBAの追加利下げの可能性が低下するとみられます。豪ドルにとってさらなる追い風になるかもしれません。

10-12月期のCPIは前年比+1.7%と、RBAのインフレ目標(+2から3%)を下回ったものの、7-9月期の+1.5%から若干目標に近づきました。CPIが低下すれば、RBAの追加利下げにつながる可能性もありますが、労働市場が改善傾向にある中、RBAがただちに利下げに動く可能性は低いとみられます。CPIを受けて、豪ドルが下落したとしても、一時的な動きに終わるかもしれません。

豪ドルは引き続き底堅い展開になりそうです。雇用統計やCPIが堅調な結果になり、資源価格が上昇すれば、豪ドル/米ドルは、昨年6月につけた0.78米ドル台半ばに向かうかもしれません。<アナリスト 八代和也>


出所:Bloombergより作成

【NZドル】 18日のCPIと28日のRBNZ政策会合に注目

RBNZ(NZ中銀)は3月10日の政策会合で0.25%の利下げを決定。政策金利を過去最低の2.25%に引き下げました。

声明では、昨年12月の金融政策報告以降、世界の経済成長見通しが悪化したと指摘。その要因として、中国や他の新興国市場の弱い成長や欧州経済の減速、金融市場の高いボラティリティ、商品価格の低迷を挙げました。

また、“インフレ期待の低下”に言及。「インフレ期待の低下は将来のインフレ率を抑制するリスクを高めるため、それは懸念材料」と強調しました。

今後の金融政策については、「将来の平均インフレ率が目標レンジの中央近辺で安定するのを確実にするため、追加の政策緩和(=利下げ)が必要になる可能性がある」との見解を示し、追加利下げを示唆しました。

NZの CPI(消費者物価指数)は10-12月期に前年比+0.1%と、RBNZのインフレ目標の下限である+1%を大きく下回っています。

4月18日に1-3月期のCPI(消費者物価指数)が発表されます。RBNZは3月10日の金融政策報告で、CPIは1-3月期に前年比+0.4%になるとの見通しを示しました。1-3月期のCPIが見通しを下回るようであれば、RBNZは次回4月28日の会合で追加利下げに踏み切る可能性があります。

CPIが弱い内容になれば、市場ではRBNZの追加利下げ観測が一段と強まるとみられます。NZドルの重石となりそうです。<八代>

【カナダドル】 BOCは4月も政策据え置きか。原油堅調がカナダドルの下支えに

BOC(カナダ中銀)は3月9日の政策決定会合で、政策金利据え置きを決定しました。据え置きは5会合連続となります。

声明では「インフレリスクはおおむね均衡」「インフレリスクに対する政策は適切」と記され、経済の短期的な見通しは1月時点の評価と変わりないとの認識を示しました。このことからは、4月13日に行われる次回の会合でも、政策金利据え置きが決定される可能性が今のところ高いと推測されます。

カナダ経済に影響を与える原油価格の動向は、WTI原油先物(直近限月)が3月月内の高値41.45ドル、同安値34.40ドル(3/24時点)と、今年2月の変動レンジ33.75-26.21ドルに比べて高い水準にあります。

原油価格と連動性の高い米ドル/カナダドルも一時1.28ドル台に近づくなど、強含みで推移しています。3/23にはWTI原油先物が40ドルを割り込みましたが2月以降は戻り歩調が続いており、カナダドル買いの支援材料となりそうです。<山岸>


【トルコリラ】 TCMBを材料に上値が重い展開か

TCMB(トルコ中銀)は3月24日の政策会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を7.50%、翌日物借入金利を7.25%に据え置く一方、翌日物貸出金利を10.75%から0.25%引き下げ、10.50%とすることを決定しました。

声明では「最近、世界の金融市場のボラティリティが若干低下した」と指摘。「広い金利コリドー(上限金利と下限金利の差)の必要性が幾分低下しており、(3つある政策金利を最終的に一本化する)単純化への最初の措置を講じることを決定した」としました。

金融市場が落ち着いた状態が続けば、今後も小幅ずつ単純化措置を進める可能性があります。次回4月20日のTCMBの政策会合でも、3月と同様に、1週間物レポ金利や翌日物借入金利を据え置き、翌日物貸出金利を引き下げるかもしれません。

エルドアン大統領の経済アドバイザーは3月の会合前に、繰り返し翌日物貸出金利の引き下げを要求していました。インフレ率が目標を大幅に上回っているのにもかかわらず、TCMBがその通りに動いたことで、市場ではTCMBの独立性への懸念が再び高まる可能性もあります(大統領の利下げ圧力に屈した?)。

4月の会合で、翌日物貸出金利が一段と引き下げられるとの思惑や、TCMBの独立性への懸念が浮上すれば、トルコリラは上値が重くなるかもしれません。

TCMBのバシュチュ総裁は会合前日の4月19日に任期を迎えます。バシュチュ総裁が続投するのかどうか、あるいは新たな人物が総裁に就任するのか、決まっていません。TCMBの総裁人事に関する不透明感も、トルコリラの重石になる可能性があります。<八代>


出所:Bloombergより作成

【南アランド】 SARBの追加利上げ観測が下支えか

SARB(南ア中銀)は3月17日の政策会合で、政策金利を6.75%から0.25%引き上げ、7.00%とすることを決定しました。利上げは3会合連続です。

商品価格の下落や慢性化する電力不足を背景に、南アフリカ経済が減速するなかで、インフレ対応を優勢した格好です。会合では6人の政策メンバーのうち、3人が据え置き、3人が0.25%の利上げを主張して意見が割れ、最終的に利上げが決定されました。

クガニャゴ総裁は会合後の会見で、CPI(消費者物価指数)に上振れリスクがあると指摘。CPIへのリスクとして食料品価格とランドを挙げ、CPIが目標レンジ(+3から6%)内に戻るのは2017年7-9月期になるとの見通しを示しました。

政策メンバーのカシム氏は、「SARBは利上げ局面にある」と明言し、追加利上げを示唆する一方、「毎回、利上げを行うことを意味するわけではない」と述べました。追加利上げは経済データ次第と言えそうです。

3月23日に発表された南アフリカの2月CPIは前年比+7.0%と、1月の+6.2%から加速。2009年6月以来の強い伸びとなりました。

CPIについてSARBは、10-12月期に+7.3%でピークに達し、2017年7-9月期に目標レンジ内に戻るとの見通しを示しており、2月のCPIは、SARBの想定通りと言えるかもしれません。

また、SARBの次回政策会合は5月19日で、それまでにCPIはあと2回(3月分、4月分)発表されます。3月分と4月分の結果をみる必要はありますが、今回が2009年6月以来の強い伸びを記録したことで、5月の政策会合で追加利上げが決定される可能性が一段と高くなったと言えそうです。ランドの下支え材料になるとみられます。<八代>


出所:Bloombergより作成




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