市場調査部レポート

2016/02/26 13:50【マンスリー・アウトルック(2016/3)】 リパトリの「円高」は起きない?

― 2016年3月の為替相場展望 ― 
リパトリの「円高」は起きない?


《概観》

3月のドル円相場は2009年から7年連続でドル高円安。日本の年度末におけるリパトリの「円高」は観測されなかった。足元では円のポジションが「買い越し」に傾いており、材料次第では売り戻しが入りやすい状況か。金融市場が落ち着きをみせれば、各国の物価動向からみても、金融政策の方向性の差が意識されよう。

<主要通貨の動向>
・【米ドル】120円台復帰に必要な?年内複数回利上げ観測
・【円】 日銀は動くか、ドル=115円超で企業の「減益」は回避?
・【ユーロ】 EU改革案合意は「両刃の剣」!? 追加緩和観測の反動に要注意
・【ポンド】 EU離脱問題が尾を引く可能性。3月政策金利は据え置きか

<資源国・新興国通貨の動向>
・【豪ドル】 鉄鉱石価格の反発が支援材料になりそう
・【NZドル】 RBNZ追加利下げ観測で、弱含む可能性あり
・【カナダドル】 3月も政策金利据え置きか。原油価格の動向に引き続き注意
・【トルコリラ】 地政学リスクに注意が必要
・【南アランド】 SARBは追加利上げに踏み切るか。ランドへの影響は?

◆主要経済指標・イベント
◆OIS(翌日物金利スワップ)に基づく金融政策見通し


≪概観≫

2月の為替相場は、ブルームバーグが分類する主要17通貨+トルコリラの中で、円が全面高でした。そして、米ドルが騰落率で上から15番目でした。つまり、2月は「円高」であり、「ドル安」でした。

円高になったのは、年初から世界的な株安や原油安によって、リスク回避ムードが高まったからであり、1月29日に日銀がマイナス金利の導入を決めたことも、かえって投資家心理を悪化させた可能性があります。

ドル安になったのは、ISM製造業指数が1月まで4か月連続で50を割り込むなど米経済指標の悪化もあって、FRBの利上げ観測が大きく後退したからです。



さて、日本の年度最終月にあたる3月には、2009年から7年連続でドル高円安でした(月末対比)。日本の企業や投資家による決算対策としてのリパトリ(海外からの資金の引き揚げ)は明確な形で出ていないか、あっても円高には結び付きませんでした。むしろ、リパトリが2月中に始まって足元の円高を演出している面もあるかもしれません。

また、円先物のポジション(CFTC)は第2次安倍政権誕生後で初めて本格的な「買い越し」に転じており、その水準は過去のピークに接近しています(次ページ図)。材料次第では円の売り戻しが出やすい環境かもしれません。



3月は、2月になかった日米ユーロ圏の中央銀行の会合が予定されています。その時までに金融市場が落ち着きを取り戻していれば、金融政策の方向性の差が改めて意識されるかもしれません。

主要国・地域のCPI(消費者物価指数)をみると、日本、ユーロ圏、英国は1月の前年比でほぼゼロ、米国は1%台半ばです。エネルギーや食料を除くコアは、日本0.7%、ユーロ圏1.0%、英国1.2%。米国は2.2%と、物価目標である2%を超えています。米FRBはCPIよりもPCE(個人消費支出)コアデフレータを重視しており、そちらは最新の12月時点で1.4%ですが、昨年後半からジリ高になっているようにみえます。

米国では、賃金上昇率も上がり始めており、サービス価格を中心に物価上昇率が加速するようであれば、利上げ観測が再浮上するかもしれません。



他方、日本はデフレ脱却のカギとなった円安の効果がすでに消滅している可能性があり、そうであれば日銀は物価目標達成のために一段の追加緩和に踏み切る必要があるかもしれません。マイナス金利導入後にかえって円高が進んだことを考えると、量的緩和の拡大が一つの選択肢になりそうですが、果たしてどうでしょうか。

また、ユーロ圏はコアよりも総合物価を重視する傾向があり、デフレ懸念は根強くあるようです。ドラギ総裁がECB内部をまとめて追加緩和に踏み切れるか、こちらも要注目です。<西田>

主要日程:10日 ECB理事会、14-15日 日銀金融政策決定会合、15-16日 米FOMC


<主要通貨の動向>

【米ドル】 120円台復帰に必要な?年内複数回利上げ観測

ドル円は2016年に入って120円を割り込み、さらに大きく下落しました。米利上げ観測が大きく後退したことが背景の一つでした。政策金利(FFレート)先物によれば、2月上旬には年内据え置き確率が9割近く織り込まれました。さすがにこれは行き過ぎだったようですが、足元でも据え置き確率は5割超となっています。とくに目立つのが、年内2回以上回利上げの確率(紫の線)が昨年末の7割超から1割程度まで低下していることです。ドル円が昨年末のように120円台を回復するための条件の一つは、年内複数回利上げの観測が大幅に高まることかもしれません。



3月15-16日のFOMC後には、参加者の経済・金融政策見通しが公表されます。前回12月17日に公表された政策金利見通し(参加者17人の中央値)は、0.25%幅で年4回利上げというものでした。大きく下方修正となる可能性が高そうですが、それでも過半数の参加者が2回以上の利上げを想定するのか、注目されるところです

前半戦の山場を迎える大統領予備選
3月は30近い州で大統領予備選(党員集会含む)が実施されます(民主党と共和党で一部異なります)。各党指名争いの大勢が固まる可能性もあります。とりわけ、3月1日はスーパーチューズデーと呼ばれて、南部を中心に10を超える州で実施されます。さらに、15日には、フロリダやイリノイ、オハイオなど大票田で予備選があります。序盤でリードする共和党のトランプ氏がクルーズ氏、ルビオ氏との三つ巴の中でさらにリードを広げるのか、民主党のサンダース氏が南部で強いクリントン氏に食い下がるのか、前半戦の山場となりそうです。<西田>



【円】 日銀は動くか、ドル=115円超で企業の「減益」は回避?

3月14-15日に日銀の政策決定会合が開催されます。1月に「マイナス金利付き量的・質的緩和」という新たな緩和策を導入したばかりであり、3月に連続して金融政策を変更する可能性は低そうです。ただ、政治的には追加緩和を求める声が強まるかもしれません。安倍政権は、7月の参院選や、少し先ですが来年4月の消費税増税に向けて、早めに良好な経済・金融市場環境を作っておきたいかもしれません。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が外貨建て資産や株式の運用比率を引き上げた2014年11月以降の日経平均株価の平均値は19,000円弱、同じくドル円の平均値はほぼ120円です。安倍政権としては、GPIFの運用失敗との批判は避けたいはずです。また、ドル円が115円超であれば、企業全体の減益は回避できるとの見方もあり、株価対策という意味でも少なくとも現行よりもう少しドル高円安になってもらいたいところでしょう。

もちろん、金融政策は特定の株価水準や為替レートを目標に運営されるわけではありませんが、日銀も政府の意向を強く意識しているかもしれません。<西田>

【ユーロ】 EU改革案合意は「両刃の剣」!? 追加緩和観測の反動に要注意

2月18-19日にベルギーのブリュッセルで開かれたEU首脳会議は、英国から提起されたEU改革案を大筋で認める形となりました。

キャメロン英首相がEU残留の条件として求めていたEU改革案は、EU域内からの移民の福祉制限、EUの競争力強化、加盟国の主権強化などです。とくに移民の福祉制限には、移民を英国などに送り出してきた東欧諸国から不満が続出しましたが、英のEU離脱によるEU分裂回避を優先させるために、ユーロ圏が大幅に譲歩した形となりました。

移民への福祉制限を巡っては、移民の流入が「例外的」に膨らんだ場合に限って、緊急措置として福祉の制限を容認。移民が英国に入国してから最大4年間の福祉サービスを制限できる措置を導入します。また、緊急措置を認める期間を7年間とする英国の要求を全面的に受け入れました。

今回の合意によって英国のEU離脱は回避されるかも知れませんが、移民・難民の制限を認めたことで、EUが提唱する「移動の自由」の理念が大きく揺らぎ、ユーロ諸国の足並みが乱れる公算は大きいとみられます。

昨秋から国境検査を一時的に復活したオーストリアは、難民申請の受付数に制限を設けることを決定しました。オーストリアは昨年、約9万件の難民申請を受け付けましたが、今年は受付数を3.75万件に抑える方針です。これに対し、EU側は「難民申請を受け取るのは法的義務だ」と反発、見直しを要求しています。しかしオーストリアは「受け入れは限界」と反論しています。こうした動きは、オーストリア以外のユーロ圏諸国にも拡がる可能性がありそうです。EU改革案合意は「両刃(もろは)の剣」といえるかもしれません。

ECBは3月10日に政策金利を発表します。1月の理事会終了後にドラギECB総裁が「3月に政策スタンスを再考する可能性がある」と語ったことから、3月の会合での追加緩和観測が高まっています。直近のユーロ圏の1月CPIコア指数は前年比1.0%と、依然として目標の2%には遠く及ばず、テコ入れのための追加緩和が決定される公算が大きいと市場は考えているようです。

考えられる追加緩和手段としては、預金金利の引き下げ、資産買い入れ枠の拡大(月額600億ユーロ→700億ユーロ?)、段階的な預金金利の導入、追加のLTRO(長期リファイナンスオペ)が挙げられます。

一方、バイトマンECB理事はインフレ率を高めるうえで追加緩和に頼ることに懸念を表明、ユーロ圏の経済見通しについても「あらゆる事柄を考慮すると、言われるほど悪くない」との見解を示しました。ノボトニー・オーストリア中銀総裁も「3月のECB会合に対する期待を懸念」と述べ、追加緩和への過度の期待をけん制するなど、追加緩和が全会一致で取り付けられるかどうかは微妙な情勢です。

追加緩和が行われることを前提に緩やかに上値を切り下げて推移したユーロ/米ドルは、市場が期待するような内容の追加緩和が行われない場合には、ユーロ高・米ドル安で反応するかもしれません。その際には、昨年1月中旬以降の上値節目となっている1.15ドルを超える動きとなるかもしれません。

反面、期待どおりの追加緩和が行われたとしても、足もと低いインフレ率を押し上げるには相当長い期間が必要とみられ、4月または6月の理事会での追加緩和観測が高まることで、ユーロ/米ドルは1.05ドル程度まで下落するかもしれません。 <山岸>

【ポンド】 EU離脱問題が尾を引く可能性。3月政策金利は据え置きか

【ユーロ】の項で触れたとおり、キャメロン英首相がEU残留の条件として求めていたEU改革案は、EU首脳会議で合意に漕ぎ着けました。これをうけてキャメロン首相はEU離脱の是非を問う国民投票を6月23日に行う意向を表明。今後は、自らの主張がEU首脳会議で受け入れられたという実績をテコに、国民に対し「EU残留」を呼びかけるとみられます。

最近行われた世論調査では、EU離脱が安全な政策と考える英国民の割合は31%、残留が安全と考える割合は43%と残留支持が上回っており、EU首脳会議での合意の影響と推測されます。

一方、離脱支持派のゴーブ英司法相は「全加盟国が支持しても、欧州司法裁によって合意内容が覆される可能性がある」と述べ、合意の実効性に疑問を呈しました。22日には議会下院で討論が行われ、離脱を支持する与党・保守党の議員は「イギリスの民主政治に立ち戻るには、EU離脱しかないのではないか」と糺(ただ)しました。下院議員も務めるジョンソン・ロンドン市長も離脱支持派のひとりです。

それに対し、キャメロン英首相は議会下院での討論で「国民が同意しない限り、これ以上、EUに権限を渡すことはない」などと述べ、EU離脱を支持する議員に反論しました。

6月の国民投票の結果が出るまで、英のEU離脱を巡る不透明感は払しょくされにくいとみられます。EU首脳会議の合意と国民投票の期日決定で、思惑先行のポンド安は一旦は止まるかもしれませんが、ポンドの戻りを抑える要因として残り続けると推測されます。

BOE(英中銀)は3月17日に政策金利を発表します。

カーニーBOE総裁は2月23日の議会証言で「必要ならば一段と金融を緩和する、相当大きな余地がある」と明言しました。金利をゼロに近づけることや、様々な資産を含めた追加の購入プログラムの実施などを具体策として挙げました。

その一方、シャフィクBOE副総裁は議会への年次報告書で、金融市場が予想しているよりも早く利上げを行う可能性があるとの見解を示しました。賃金の伸びが不透明のためタイミングは不明としながらも、いったん不透明感が払しょくされれば、市場が予想するよりも速いペースで利上げすることが正当化されるだろうとしました。
英MPC(金融政策委員会)内では、以前から英国経済の成長や賃金の伸び率の見通しについて各委員の意見が分かれており、3月のMPCでは政策据え置きが予想されます。 <山岸>


<資源・新興国通貨の動向>

【豪ドル】 鉄鉱石価格の反発が支援材料になりそう

豪ドルは個別材料よりも、各国株価や原油価格といった外部要因に左右される状況が続いています。株価や原油価格が落ち着きを取り戻せば、各国のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)や、中銀の金融政策がテーマになるとみられます。その場合、豪ドルは堅調に推移しそうです。

1月の雇用統計は、失業率が6.0%と12月の5.8%から上昇。雇用者数が前月比0.79万人減と、2か月連続で減少しました。市場予想は、失業率が5.8%、雇用者数が1.3万人増でした。

ただ、2015年の雇用の伸びは9年ぶりのハイペースでした。今回の雇用者数の減少は、昨年の大幅増の反動とみることもできそうです。また、雇用者数は月ごとのブレが大きい指標です。雇用者数の傾向を把握するために、6か月移動平均をみると、2014年終盤を底に上昇傾向となっています。1月の雇用統計は弱い内容でしたが、豪労働市場は改善が続いていると言えそうです。
 

また、豪最大の輸出品である鉄鉱石の価格が反発していることも、豪ドルの支援材料となりそうです。鉄鉱石価格は、供給過剰や最大の消費国である中国の景気減速による需要減少懸念を背景に、昨年12月半ばに約10年ぶりの安値を記録しました。その後、上昇に転じ、足もと約2か月ぶりの高値水準まで値を戻してきました。

堅調な雇用市場や、反発傾向にある鉄鉱石価格が豪ドルの支援材料となりそうです。< 八代>


出所:Bloombergより作成

【NZドル】 RBNZ追加利下げ観測で、弱含む可能性あり

豪ドルと同様に、各国株価や原油価格を背景としたリスク意識の変化(リスクオン/オフ)に左右される展開となっています。市場の関心が各国のファンダメンタルズや中銀の金融政策に移った場合、NZドルは弱含む可能性があります。

RBNZ(NZ中銀)が企業経営者を対象に実施した四半期ごとのインフレ期待調査では、今後1年間のインフレ率予想が+1.09%と、10-12月期の+1.51%から低下し、1987年の調査開始以来最低を記録。今後2年間のインフレ率予想も、10-12月期の+1.85%から+1.63%へと低下、1994年4-6月期以来の低水準となりました。

RBNZはCPI(消費者物価)前年比上昇率を中期的に1-3%の範囲内に収めることを目標としています。10-12月期のCPIは前年比+0.1%と、RBNZのインフレ目標を大幅に下回りました。先行きのインフレ期待は依然としてRBNZの目標範囲内にあるものの、下限に近づきました。

また、供給過剰懸念を背景に、乳製品価格が再び下落傾向にあります。乳製品国際価格の指標となるGDT価格指数は2月16日の乳製品電子オークション(GDT)で、前回2日の656から638へと下落。昨年8月18日以来の低水準となりました。RBNZは昨年4回利下げを実施しましたが、乳製品価格の下落による経済見通しの悪化が一因でした。

RBNZのウィーラー総裁は2月3日の講演で、「世界経済の見通しと、そのNZへの影響についての懸念が深まれば、今後1年間に若干の追加緩和が必要になる可能性がある」と述べ、追加利下げに含みを持たせました。一方で、目標を下回るCPI(消費者物価指数)については、原油安が低インフレの原因と指摘し、CPIが目標を下回る状況でも、追加利下げを急がない姿勢を示しました。

市場では、近い将来に利下げを行うとの見方が有力です。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、RBNZが次回3月10日の会合で利下げを行う確率が36.3%織り込まれており、利下げの確率は4月までで61.4%、6月までで71.9%へと上昇します(2月25日時点)。RBNZの利下げ観測はNZドルへの下押し圧力となる可能性があります。<八代>

【カナダドル】 3月も政策金利据え置きか。原油価格の動向に引き続き注意

BOC(カナダ中銀)のレーン副総裁は2月8日の講演で「現状では、カナダにはマイナス金利は必要ない」との認識を示しました。「中国の状況はカナダにとっては重要だが、中国経済は厳しい減速に至っていない」と述べ、中国経済への過度の懸念に釘を刺しました

BOCは2015年7月に政策金利を0.25%引き下げ、0.50%とした後、今日まで追加利下げを見送っています。レーン副総裁は「金融政策は金融安定を継続するための主たる担い手となることはできない」とも述べており、3月9日のBOCの金利発表では、政策据え置きとなる可能性が高いとみられます。

カナダドルとの相関が高いWTI原油先物は、2月に入り一時26.21ドルに下落しましたが、直近2月24日時点では32.15ドルと、30ドル台を回復しています。カナダドルの対米ドル相場も、2月高値1.3859ドルから2月24日安値で1.3674ドルに下落(カナダドル高・米ドル安)するなど、落ち着きを取り戻しつつあります。



世界有数の原油生産国であるカナダの通貨は、今後もWTI原油先物との相関が高い状態が続くとみられます。<山岸>

【トルコリラ】 地政学リスクに注意が必要

TCMB(トルコ中銀)は2月23日の会合で、政策金利を7.50%、翌日物借入金利を7.25%、翌日物貸出金利を10.75%に据え置きました。

トルコのインフレ率はTCMBの目標(前年比+5%、±2%が許容範囲)を大幅に上回っています。1月のCPI(消費者物価指数)は前年比+9.58%と、12月の+8.81%から加速。エネルギーと食品を除いたコアCPIは+9.63%と、12月の+9.51%から上昇率がやや高まりました。

市場では、TCMBはインフレを抑制するため、いずれ利上げが必要になるとの見方が根強くあります。ただ、TCMBはインフレ率が今後鈍化すると予想しています。また、バシュチュ総裁は4月19日に任期満了となります。任期切れ直前の金融政策の変更には慎重になるとみられます。利上げを含め、金融政策の単純化(3つある政策金利を最終的に一本化する)開始の判断は、次期総裁に委ねられそうです。

トルコでは、テロが頻発しています。2月17日に首都アンカラで爆弾テロが発生、18日にはトルコ南東部で爆発が起きました。トルコのダウトオール首相は17日のテロについて、クルド人組織YPG(人民防衛隊)の犯行と断定し、PKK(クルド労働者党)も犯行を支援したと批判、報復する姿勢を示しました。

また、シリア情勢をめぐってトルコとロシアの対立が一段と強まっています。15日にシリア北部の町アザーズの病院の近くの空爆について、ダウトオール首相はロシアがカスピ海から発射したミサイルによるものと非難しました。

トルコの地政学リスクが再び意識される可能性があり、そうなればトルコリラには下押し圧力が強まる可能性があり、注意が必要です。<八代>


出所:Bloombergより作成

【南アランド】 SARBは追加利上げに踏み切るか。ランドへの影響は?

南アフリカの1月CPI(消費者物価指数)は前年比+6.2%と、12月の+5.2%から加速。2014年8月以来の強い伸びとなり、SARB(南アフリカ中銀)のインフレ目標の上限である+6%を上回りました。

SARBのクガニャゴ総裁は0.50%の利上げを決めた1月28日の会合後の会見で、「SARBは依然として利上げサイクルにある」と明言。将来の追加利上げを示唆しました。
SARBは3月17日に政策会合を開催します。CPIが目標を上回り、またSARBがインフレ圧力の高まりを警戒感を示していることを踏まえると、3月の会合で追加利上げが実施される可能性があります。

ブルームバーグのエコノミスト調査によると、3月の会合では現行の6.75%に据え置かれるとの見方が有力です。エコノミスト12人のうち、9人が据え置き、3人が0.25%の利上げを予想しています。

据え置きとの見方が有力なだけに、利上げが行われればランド買いに反応する可能性があります。据え置きの場合は、クガニャゴ総裁が会見で近い将来の利上げを示唆するかどうかがポイントになりそうです。<八代>


出所:Bloombergより作成


(チーフアナリスト 西田明弘)
(シニアアナリスト 山岸永幸)
(アナリスト 八代和也)




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