市場調査部レポート

2019/01/18 13:31米シャットダウンやブレグジットの行方に要注意

◆ファンダメンタルズ◆
<<相場環境>> 
 21日の週は、予定される注目イベントはあまり多くありません。ただ、過去最長となった米シャットダウン(政府機関の一部閉鎖)の解消や、離脱日が接近するなかでのブレグジット問題のブレークスルーなど、実現すれば市場にポジティブな影響がありそうです。逆に、それらの問題で膠着が続けば、市場のリスクオフが強まるかもしれません。
 他方、中国が景気対策を打ち出したことや、主要中央銀行が利上げに慎重なハト派姿勢を強めていることなど、経済政策の軌道修正がやや長い目でみれば経済に好影響を及ぼし、金融市場のリスクオンをサポートする可能性があります。<西田>

【米ドル(/円)】
 17日、米シャットダウンは27日目に突入、過去最長だった95年末-96年初の2回計26日間を超えました。各省庁の予備費の払底、連邦職員の家計財務の悪化、民間企業への波及などから、日を追うごとにダメージは広がり、かつ大きくなりそうです。
そうした状況もあり、FRB関係者の中でタカ派一番手とみられるジョージ・カンザスシティ連銀総裁も追加利上げには慎重な姿勢をみせ始めました。早期に追加利上げを求める声はなくなったと言えそうです。

 17日時点のFFレート(政策金利)先物によれば、市場が織り込む年内据え置きの確率は72.5%、利上げ確率は19.7%、利下げ確率は7.7%です。つまり、年内据え置きが市場のメインシナリオであり、「次の一手は利上げ」との見方がやや強いものの、「次は利下げ」との見方も相応に高まってきたと言えます。「次が利上げか、利下げか」が米ドルの方向性を決める可能性があります。<西田>

【ユーロ】
 15日、ドラギ総裁は欧州議会で、「最近の経済動向は予想よりも弱く、世界的な要因に関連する不透明性が依然として顕著だ」と述べました。ブレグジット(英国のEU離脱)の仕方によっては、ユーロ圏経済への下押し圧力が増す可能性もあります。
 24日のECB理事会では、金融政策の現状維持が予想されます。ただ、従来の声明にあった「19年夏の終わりごろに利上げ開始」との文言が修正され、利上げ開始時期が後ろ倒しになる、あるいは明示されなくなる可能性はありそうです。<西田>

【英ポンド】
 15日、英国議会はブレグジット協定案を大差で否決しました。16日の不信任案の否決により続投が決まったメイ首相は17日、超党派での代替案の協議を開始しました。メイ首相は21日に協定案の代替案を提示議会は29日に採決を行う見通しです。ただ、英国議会には、強硬離脱派から親EU派まで幅広いグループが存在し、どのような提案が過半数の支持を取り付けることができるのか、大いに不透明です。

 膠着状態が今後も続く可能性があります。経済への打撃が大きい「合意なき離脱」を回避するため、3月29日の離脱日を延期することが現実味を増すかもしれません。

 一方、EUは協定案が大差で否決されたことに衝撃を受けたようです。英国が受け入れられる提案が不透明なため、現時点で新たな交渉の余地はなく、「次」を決めるのは英国との姿勢を一段と強めたようです。<西田>

【豪ドル】
 中国の劉鶴副首相が通商協議のため30-31日に訪米します。劉鶴副首相の訪米に向けて、市場では米中貿易摩擦緩和への期待が高まる可能性があります。また、市場では中国の景気対策期待もあります。豪州は中国を最大の貿易相手とするため、米中貿易摩擦や中国の景気対策への期待が一段と高まれば、豪ドルは堅調に推移する可能性があります。また、主要国の株価にも目を向ける必要があります。足もとで落ち着きを取り戻しつつある主要国の株価に再び大きな変動がみられた場合、豪ドルが反応する可能性があります(豪ドルは投資家のリスク意識の変化に反応しやすいため)。

 豪州の2018年12月の雇用統計が1月24日に発表されます。ただ、豪ドルは豪経済指標への反応は一時的に終わる状況が続いてきました。今回も同様の可能性があります。<八代>

【NZドル】
 NZの2018年10-12月期CPI(消費者物価指数)が1月23日に発表されます。その結果がNZドルの動向に影響を与える可能性があります。

 7-9月期CPIは前年比+1.9%と、RBNZ(NZ中銀)のインフレ目標中央値である+2%を下回りました。RBNZは2018年11月の金融政策報告で10-12月期のCPI上昇率を+2.0%と予想したものの、その後の原油安の影響によって+2.0%を下振れそうです。

 市場ではRBNZ(NZ中銀)の次の一手は利下げとの観測もあります。CPIが市場予想の前年比+1.8%を下回れば、利下げ観測は一段と強まるとみられます。その場合、NZドルに下落圧力が加わりそうです。<八代>

【カナダドル】
 BOC(カナダ中銀)は1月9日の会合で政策金利を据え置いたものの、声明で追加利上げを示唆しました。米FRB(連邦準備理事会)の利上げ休止観測が市場で強まるなか、BOCの利上げが継続される可能性があることは、カナダドルにとってプラス材料と考えられます。また、原油価格が足もとで反発しており、そのことも資源国通貨であるカナダドルにとって追い風です。

 来週(1/21の週)のカナダドルは、原油価格の動向のほか、カナダの2018年12月CPI(消費者物価指数。1/18発表)や同11月小売売上高(1/23)が材料になりそうです。CPIや小売売上高が市場の利上げ観測を補強する結果になれば、カナダドルが上昇する可能性があります。<八代>

【トルコリラ】
 TCMB(トルコ中銀)は1月16日、政策金利を24.00%に据え置くことを決定。声明では、2018年12月の前回会合時と同様に、「インフレ見通しが大幅に改善するまで、引き締め的な金融政策スタンスを維持する」と表明し、「必要に応じてさらなる金融引き締めを行う」との方針を示しました。市場ではTCMBが早期に利下げを行うとの見方が根強くあり、今回の声明で政策スタンスの変更が示唆されるとの観測もありました。これまでの政策スタンスが維持されたことは、トルコリラにとってプラス材料と考えられます。

 ただし、トルコでは3月31日に統一地方選が実施される予定であり、市場はエルドアン大統領が今後、TCMBに対して利下げ圧力を一段と強めることを懸念しています。また、シリア情勢にも注意が必要です。エルドアン大統領の発言やシリア情勢次第では、トルコリラに下落圧力が加わる可能性もあります。<八代>

【南アフリカランド】
 SARB(南アフリカ中銀)は1月17日、政策金利を6.75%に据え置くことを決定。据え置きは、市場予想通りです。

 SARBは今回、以下のように、インフレ見通しを下方修正しました。
 ( )は2018年11月時点の見通し
 ・2018年:平均+4.6%(+4.7%)
 ・2019年:同+4.8%(+5.5%)
 ・2020年:同+5.3%(+5.4%)

 また、クガニャゴSARB総裁は会合後の会見で、「インフレ見通しへの全体的なリスクはやや上向き」との見方を示しながらも、「短期のインフレ見通しは改善がみられる」と語り、政策金利を当面据え置くことを示唆しました。

 市場では、SARBが5月に追加利上げに踏み切るとの観測がありますが、インフレ見通しの下方修正やクガニャゴ総裁の発言によって、5月利上げ観測は後退するとみられます。南アフリカランドは目先、自力では上昇しにくいと考えられます。南アフリカランドが上昇するには、リスク回避の動きが弱まる(米中貿易摩擦緩和への期待が高まる、主要国株価が上昇するなど)必要がありそうです。<八代>



◆テクニカル◆

※上記想定レンジおよび投資戦略アイデアは、各種テクニカル指標を基に週間ベースの想定をしています。
※最終的な投資判断はご自身で行っていただくようお願いいたします。

〇“Pick Up”通貨:米ドル/円、英ポンド/円

【米ドル/円】 (1/21-25 戦略アイデア) コアレンジ:108.00-110.30円、売り・トラリピ

 
 上図チャートでは、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方に位置していること、そして、3) ローソク足が赤色の雲(=抵抗帯)の中にあることから、総体的な米ドル/円のトレンド指向は【下向き】継続と捉えて良いでしょう。

 その一方で、a) BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが21日MAに向かって収縮する“スクイーズ”となっていること、b) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、また、c) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、足もとの米ドル/円「相場の力を溜め込む時間帯」、ないしは「短期的な反発フローの時間帯」であると言えそうです。

 特に、ADXが高位置から右肩下がりになりつつあることから、これからの時間の米ドル/円は、トレンドレスの相場展開となる可能性も。

 以上を概括すると、次週(1/21-25)における米ドル/円の下値メドは、BB・-1σラインを基準とする「108.00円」、同上値メドはBB・+1σラインを基準とする「110.30円」と想定します。よって、当該ゾーン(108.00-110.30円、上図黄色四角枠)をベースとする「売り・トラリピ」を仕掛けるのも一案でしょう。<津田>

【英ポンド/円】 (1/21-25戦略アイデア) コアレンジ:138.90-143.60円、売り・トラリピ
 
 上図チャートでは、1) 21日MA(移動平均線)が横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態となっていること、そして、3) 各BBが21日MAに対してパラレルとなっていることから、日足レベルでの英ポンド/円は【レンジ相場】を形成中となっていることが視認できます。

 その他メルクマールを確認すると、a) ローソク足が赤色の雲(=抵抗帯)を上抜けブレークしていること、b) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、また、c) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、足もとの英ポンド/円「レンジ相場形成における上値トライの時間帯」であると言えそうです。

 ADXを見ると、米ドル/円同様、高位置から右肩下がりになりつつあることから、これからの時間の英ポンド/円は、トレンドレスの相場展開となる可能性も。

 以上を概括すると、次週(1/21-25)における英ポンド/円の下値メドは、先行1スパンを基準とする「138.90円」、同上値メドは昨年12/14時高値を基準とする「143.60円」と想定します。よって、当該ゾーン(138.90-143.60円、上図黄色四角枠)をベースとする「売り・トラリピ」を仕掛けるのも一案でしょう。<津田>


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【マーケットView】
マーケットViewは、毎日16時ごろアップの予定です。

※動画のアップ時間は前後する可能性があります。

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※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

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