市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/08/10 15:11トルコリラが過去最安値を更新。トルコリラが反発するためには!?

【ポイント】
・TCMBの独立性をめぐる懸念やトルコと米国の関係悪化から、トルコリラに下落圧力
・以下の条件のいくつか(あるいは全部)が整うことが、トルコリラの反発に必要か
(1)米国とトルコの関係改善
(2)TCMBの大幅利上げ
(3)経常赤字の縮小期待が高まる


[レビュー]

10日東京時間の外国為替市場では、米ドルが堅調に推移。一時、豪ドル/米ドルは0.7323米ドル、NZドル/米ドルは0.6587米ドルへと下落しました。ユーロ/米ドルが1.15米ドルを下回ったことで、ストップロスを巻き込みながら下げ幅を拡大。対ユーロでの米ドル買いが対豪ドルや対NZドルに波及しました。

トルコリラは対米ドルや対円で過去最安値を更新。トルコリラ/円は19円を割り込みました。トルコと米国の関係悪化が引き続き、トルコリラの下落圧力となりました(後述)。

[これからの展開]

足もとのトルコリラの下落は、TCMB(トルコ中央銀行)の独立性をめぐる懸念や、トルコと米国の関係悪化が背景にあります。

TCMBは7月24日の定例会合で、政策金利を17.75%に据え置きました。CPI(消費者物価指数)上昇率が14年ぶりの高水準を記録するなかで、TCMBが利上げを見送ったことを市場は、“(利下げを求める)エルドアン大統領に配慮した”“大統領の圧力に屈した”と見なしました。

トルコ在住の米国人であるブランソン牧師は、2016年7月のクーデター未遂事件に関与したとしてトルコ当局に逮捕され、同年10月に収監。今年7月25日からトルコ国内の自宅に軟禁されています。米財務省は8月1日、ブランソン牧師の逮捕・拘束を主導したとして、トルコのギュル法相とソイル内相に制裁(米国内の資産凍結、および米国人との取引禁止)を科すと発表。エルドアン大統領は4日、米国の制裁への対抗措置を発表。「米国の司法長官と内務長官の資産がトルコ国内にあれば、凍結する」と表明しました。

トルコ政府の代表団が8日、トルコと米国の対立について協議するため、サリバン米国務副長官と会談したものの、両国の関係改善に向けて進展はありませんでした。そのことで、トルコリラ売りが一段と加速しました。会談では、サリバン副長官がブランソン牧師を釈放する約束をトルコに求めたものの、トルコ側は拒否したようです。

市場ではトルコリラ安対応でTCMBが動けない(利上げできない)との観測があり、またトルコと米国の関係が改善する兆しが見られない状況では、トルコリラは一段と下落する可能性があります。

トルコリラの下落に歯止めがかかり、さらに上昇基調に転じるには、(1)米国とトルコの関係が改善する、(2)TCMBが緊急会合などで、市場を驚かせるほど思い切った幅の利上げを行う、(3)エルドアン政権が緊縮的政策を打ち出し、経常赤字の縮小が期待される、などの条件のいくつか(あるいは全部)が整う必要がありそうです。

(シニアアナリスト 八代和也)



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