市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/07/12 14:10カナダ中銀は追加利上げを示唆。トルコリラは対米ドルで過去最安値を更新

【ポイント】
・BOC(カナダ中銀)は段階的に利上げを行うことを示唆
・BOCの追加利上げ観測を背景に、カナダドルは堅調に推移か
・トルコリラは一段安の可能性があり、要注意


[レビュー]

12日東京時間の外国為替市場では、円が軟調に推移。一時、米ドル/円は112.35円、ユーロ/円は131.14円、豪ドル/円は82.80円、NZドル/円は75.84円へと上昇しました。日経平均や上海総合指数が上昇し、円安材料となりました。

[これからの展開]

BOC(カナダ銀行、中央銀行)は昨日(11日)、0.25%の利上げを決定。政策金利を1.25%から1.50%に引き上げました。利上げは今年1月以来、4会合ぶりです。

BOCのポロズ総裁は会見で、「インフレ率が目標に近く、経済は潜在成長率に近い水準で推移している」と指摘。BOCはこの状況が続くと見ており、インフレを目標に維持するために利上げを決定したと説明しました。

声明では、「米国が最近発動したカナダへの鉄鋼・アルミニウムの輸入関税や、それに対するカナダの報復措置が一部の産業や雇用の調整を難しくしている」としつつも、「関税が成長やインフレに与える効果は限定的」との見方を示しました。

声明は今後の金融政策について、「インフレを目標付近に維持するため、より高い水準の金利が正当化されるだろう」としたうえで、「データに基づいて段階的なアプローチを取ると予想している」と表明。政策金利を今後、段階的に引き上げる可能性を示しました。

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カナダ経済の先行き不透明感(米国とカナダの貿易摩擦、NAFTA再交渉の行方)から、市場では、BOCは今回の会合で0.25%の利上げを行いつつも、声明やポロズ総裁の会見では追加利上げに慎重な姿勢が示されるとの観測がありました。

実際は、声明では米国とカナダの貿易摩擦が与える影響は限定的との見方が示され、また追加利上げも示唆されました。それを受けて、市場ではBOCが年内に追加利上げを行うとの観測が高まりました。追加利上げ観測はカナダドルにとってプラス材料であり、カナダドルは今後、堅調に推移する可能性があります。年内に行われるBOCの会合は、9月5日、10月24日、12月5日です。

カナダドル/円のテクニカル分析は、本日12日の『注目のチャート』をご覧ください。

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トルコリラは本日(12日)、対米ドルで過去最安値を更新しました。TCMB(トルコ中央銀行)の独立性をめぐる懸念が一段と強まったことが要因です。

エルドアン大統領は9日、娘婿であるアルバイラク氏を財務相に起用したうえ、市場からの信任が厚いシムシェキ副首相を閣外に追いやりました。さらに、10日には「TCMB総裁や副総裁、金融政策委員会メンバーは、大統領が指名する」との大統領令を発令しました。

エルドアン大統領は今年5月、「6月の大統領選と議会選に勝利した場合、自身が金融政策に対してより多くの責任を担うだろう」と語りました。

エルドアン大統領はシムシェキ副首相を入閣させず、またTCMB総裁の指名権を握ることで、実際に自身の金融政策への影響力拡大に向けて行動しました。エルドアン大統領はさらに、昨日(11日)、「金利は低下すると信じている」と語り、TCMBに対して暗に利下げを求めました。

市場では、エルドアン大統領が金融政策への関与を強めることで、TCMBの独立性が損なわれるとの懸念があります。エルドアン大統領の一連の言動は、その懸念を一段と強めるものと言えそうです。また、市場は今後、トルコリラ安に対するTCMBの対応(利上げできるのか?)にも向く可能性もあります。トルコリラは一段と下落する可能性があり、注意が必要です。TCMBの次回会合は7月24日です。

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今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』はこちら(9日更新)
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(シニアアナリスト 八代和也)

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