2018/05/22 13:30トルコリラが過去最安値更新。中銀の対応を試す展開か
[レビュー]
22日東京時間の外国為替市場では、小動き。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(21日)のNY終値近辺での“もみ合い”となりました。日銀の黒田総裁が「現時点で出口に着手するタイミングを検討する状況にはない」などと語ったものの、為替市場に大きな反応はみられませんでした。
[これからの展開]
トルコリラは昨日(21日)、対米ドル、対円、対ユーロで過去最安値を更新しました。
足もとの為替市場は、米国の長期金利(10年債利回り)の上昇やFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続観測を背景に、新興国通貨全般に下落圧力が加わりやすい地合いです。
こうした状況に加え、トルコリラにはTCMB(トルコ中央銀行)の金融政策や独立性をめぐる懸念などマイナス材料があり、そのためトルコリラは下げが加速しています。*TCMBの金融政策や独立性をめぐる懸念については、15日のオセアニア・レポート『トルコ大統領の発言を受けて、トルコリラが過去最安値を更新』、22日のスポットコメント『2014年のトルコリラ防衛を振り返る』をご覧ください。
トルコリラの対米ドル相場(日足終値、2018/1/1~5/21)

(出所:トムソン・ロイターより作成)
トルコリラが下げ止まるには、TCMBが緊急会合の開催を含め、トルコリラ安対応に十分と市場が受け止める幅の利上げを行う必要があると考えられます。
TCMBは5月16日に声明を発表。「市場における不健全な価格形成を注意深く監視する。インフレ見通しに与える為替動向の影響を考慮したうえで、必要な措置を講じるだろう」と表明。必要に応じて利上げを行う姿勢を示しました。ただ、今のところTCMBは動いていません。
市場は今後、エルドアン大統領が利下げ圧力を加えるなかでTCMBが実際に利上げをできるのかを試す動き(=さらなるトルコリラ売り)になる可能性があります。トルコリラは一段と下落する可能性があるため、引き続き注意が必要です。
22日東京時間の外国為替市場では、小動き。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(21日)のNY終値近辺での“もみ合い”となりました。日銀の黒田総裁が「現時点で出口に着手するタイミングを検討する状況にはない」などと語ったものの、為替市場に大きな反応はみられませんでした。
[これからの展開]
トルコリラは昨日(21日)、対米ドル、対円、対ユーロで過去最安値を更新しました。
足もとの為替市場は、米国の長期金利(10年債利回り)の上昇やFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続観測を背景に、新興国通貨全般に下落圧力が加わりやすい地合いです。
こうした状況に加え、トルコリラにはTCMB(トルコ中央銀行)の金融政策や独立性をめぐる懸念などマイナス材料があり、そのためトルコリラは下げが加速しています。*TCMBの金融政策や独立性をめぐる懸念については、15日のオセアニア・レポート『トルコ大統領の発言を受けて、トルコリラが過去最安値を更新』、22日のスポットコメント『2014年のトルコリラ防衛を振り返る』をご覧ください。
トルコリラの対米ドル相場(日足終値、2018/1/1~5/21)

(出所:トムソン・ロイターより作成)
トルコリラが下げ止まるには、TCMBが緊急会合の開催を含め、トルコリラ安対応に十分と市場が受け止める幅の利上げを行う必要があると考えられます。
TCMBは5月16日に声明を発表。「市場における不健全な価格形成を注意深く監視する。インフレ見通しに与える為替動向の影響を考慮したうえで、必要な措置を講じるだろう」と表明。必要に応じて利上げを行う姿勢を示しました。ただ、今のところTCMBは動いていません。
市場は今後、エルドアン大統領が利下げ圧力を加えるなかでTCMBが実際に利上げをできるのかを試す動き(=さらなるトルコリラ売り)になる可能性があります。トルコリラは一段と下落する可能性があるため、引き続き注意が必要です。
※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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