2018/05/07 14:44トルコリラが4日、対円や対米ドルで過去最安値を記録。CPIや中銀の利上げが難しいとの観測が下落圧力に
[レビュー]
7日東京時間の外国為替市場は、方向感に欠ける展開。米ドル/円やクロス円は、日経平均の変動に反応しつつも(下げ幅拡大→米ドル/円・クロス円が下落、下げ幅縮小→米ドル/円・クロス円が上昇)、おおむね先週金曜日(4日)のNY終値近辺で推移しました。
[これからの展開]
トルコリラが再び下落基調を強めています。トルコリラは先週金曜日(5月4日)、対円や対米ドルで過去最安値を更新しました。
トルコリラへの下落圧力が強まったきっかけとして、3日に発表されたトルコの4月CPI(消費者物価指数)が挙げられます。CPIは前年比+10.85%と、3月の+10.23%から上昇率が加速。TCMB(トルコ中央銀行)のインフレ目標である+5%から一段とかけ離れました。
インフレ圧力への対応策として利上げが考えられます。しかし、エルドアン大統領がTCMBに対して利下げを要求しているため、市場ではTCMBは大統領に配慮して利上げに消極的との懸念があります。TCMBは今年1月と3月の会合で、CPI上昇率が10%を超えたにもかかわらず、利上げを見送りました。4月25日の前回会合では0.75%の利上げ(後期流動性貸出金利の引き上げ)に踏み切ったものの、市場はインフレを抑制するには不十分と見ているようです。
TCMBの次回定例会合は6月7日。市場では、トルコの大統領選と議会選が6月24日に控えているため、TCMBが利上げを行うのは一段と難しいとの観測もあり、それもトルコリラへの下落圧力となっています。
トルコリラ/円は今後、過去最安値をさらに更新する可能性があり、注意が必要です。

(出所:トムソン・ロイターより作成)
7日東京時間の外国為替市場は、方向感に欠ける展開。米ドル/円やクロス円は、日経平均の変動に反応しつつも(下げ幅拡大→米ドル/円・クロス円が下落、下げ幅縮小→米ドル/円・クロス円が上昇)、おおむね先週金曜日(4日)のNY終値近辺で推移しました。
[これからの展開]
トルコリラが再び下落基調を強めています。トルコリラは先週金曜日(5月4日)、対円や対米ドルで過去最安値を更新しました。
トルコリラへの下落圧力が強まったきっかけとして、3日に発表されたトルコの4月CPI(消費者物価指数)が挙げられます。CPIは前年比+10.85%と、3月の+10.23%から上昇率が加速。TCMB(トルコ中央銀行)のインフレ目標である+5%から一段とかけ離れました。
インフレ圧力への対応策として利上げが考えられます。しかし、エルドアン大統領がTCMBに対して利下げを要求しているため、市場ではTCMBは大統領に配慮して利上げに消極的との懸念があります。TCMBは今年1月と3月の会合で、CPI上昇率が10%を超えたにもかかわらず、利上げを見送りました。4月25日の前回会合では0.75%の利上げ(後期流動性貸出金利の引き上げ)に踏み切ったものの、市場はインフレを抑制するには不十分と見ているようです。
TCMBの次回定例会合は6月7日。市場では、トルコの大統領選と議会選が6月24日に控えているため、TCMBが利上げを行うのは一段と難しいとの観測もあり、それもトルコリラへの下落圧力となっています。
トルコリラ/円は今後、過去最安値をさらに更新する可能性があり、注意が必要です。

(出所:トムソン・ロイターより作成)
(シニアアナリスト 八代和也)
= = = = = = = = = = = = = = = = =
【FXマーケットスクウェア】
FXマーケットスクウェアは、毎日18時ごろアップの予定です。
※動画のアップ時間は前後する可能性があります。
※音声にご注意ください。
= = = = = = = = = = = = = = = = =
※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
バックナンバー
- 2019.02.18 13:58 更新豪ドルは19日のRBA議事録に注目【ポイント】・RBA(豪中銀)の政策スタンスは、“引き締めバイアス”から“中立”へシフト・議事録では、政策スタンスがシフトした背景が判明しそう[レビュー]18日…
- 2019.02.15 15:43 更新エスコムをめぐる懸念で南アフリカランドに対して下落圧力【ポイント】・エスコム(南アフリカの国営電力会社)が経営危機。公共企業省は実質破たん状態との見解・南アフリカ政府はエスコムを支援する方針。20日に詳細を発表する…
- 2019.02.14 14:25 更新トルコリラは15日の格付け発表が重要!?【ポイント】・S&Pが15日にトルコの格付けを発表する予定・市場は「Bプラス」の格付け、「安定的」の見通しのいずれも据え置きと予想・格付けや見通しが変更…
- 2019.02.13 14:55 更新NZドルが急伸。引き続き堅調に推移する可能性も!?【ポイント】・RBNZ(NZ中銀)は政策金利を据え置き・利上げ開始時期の予想は、“2020年7-9月期”から“2021年1-3月期”に後ズレ・国外経済のリスク増…
- 2019.02.12 12:40 更新13日、RBNZが政策金利を発表。NZドルの行方が決まる!?【ポイント】・RBNZは政策金利を据え置くとみられる・RBNZは利上げ開始時期の予想を後ズレさせる可能性あり[レビュー]12日東京時間午前の外国為替市場では、豪…
「市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。
そのほかのマーケット情報
- 今週はこう動く! マーケット羅針盤 【2019.02.18 更新】今週の注目通貨(米ドル/円)
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る) 【2019.02.16 更新】マーケット: 来週の外為相場、米ドル方向探る
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る) 【2019.02.16 更新】米中協議は進展、それとも不調?
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる) 【2019.02.16 更新】トランプ非常事態宣言、次に起こること
- 週刊2分でわかる豪・NZ 【2019.02.14 更新】NZドルと豪ドル、微妙な違いが相場に反映
- 週刊2分でわかるトルコ 【2019.02.18 更新】トルコリラ相場は適正か
- 市場調査部エクスプレス Todays'Flash! 【2019.02.18 08:47 更新】米中通商協議は今週も継続!? 米国休日で流動性の低下に要注意
- 市場調査部エクスプレス スポットコメント 【2019.02.18 09:12 更新】トランプ大統領は自動車関税に踏み切るか
- 市場調査部エクスプレス 注目のチャート 【2019.02.18 08:54 更新】豪ドル/円、下値しっかりの相場展開となりそう
- FXニュース 最新のFXニュースヘッドラインを提供しております。
- FXチャート リアルタイムのFXチャートをご覧いただけます。
- 経済カレンダー 市場に影響を与える可能性がある各種経済イベントをカレンダーで提供しております。
- 政策金利データ 主要各国の政策金利表を提供しております。
- ヒストリカルデータ 日足・週足・月足の4本値データをダウンロード提供しております。
- 主要指標 LDN-NY関連・アジア・オセアニア関連の指標を提供しております。
- みんなのリピート 各通貨ペアのリピート注文発注状況および成立状況をご覧いただけます。