市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/05/02 13:10雇用統計はNZ労働市場の堅調さを示唆するも、賃金の伸びの鈍さも示す。NZドル/米ドルは下押し圧力が加わりやすい地合い

[レビュー]

2日東京時間の外国為替市場では、米ドルが小幅反落。一時、米ドル/円は109.59円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.2015米ドル、豪ドル/米ドルは0.7508米ドル、NZドル/米ドルは0.7019米ドルへと上昇しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を日本時間明日(3日)早朝に控え、ポジション調整が中心の値動きとみられます。

米格付け会社S&Pは昨日(1日)NY時間、トルコの格下げを発表。外貨建てと自国通貨建ての長期債務格付けをそれぞれ「BB」から「BBマイナス」(外貨建て)、「BBプラス」から「BB」(自国通貨建て)へと1段階引き下げました。格付け見通しは「安定的」です。S&Pは格下げの理由をトルコのインフレ見通しの悪化、そしてトルコリラの下落や大幅な変動への懸念などを挙げました。S&Pの格下げに対し、トルコリラに大きな反応はみられませんでした。


[これからの展開]

NZの1-3月期の雇用統計が本日(2日)発表されました。結果は、失業率が4.4%、就業者数が前期比0.6%増、前年比+3.1%増でした。失業率は昨年10-12月期の4.5%から改善し、2008年10-12月期以来、約9年ぶりの低水準を記録。失業率と就業者数のいずれも、市場予想(失業率:4.5%、就業者数:前期比0.4%増、前年比は予想なし)を上回りました。

労働参加率が昨年10-12月期の71.0%から70.8%と、市場の予想(70.9%)以上に低下しており、失業率の改善は割り引いて考える必要はあるものの、今回の雇用統計はNZの労働市場の堅調さを示したと言えそうです。

雇用統計では一方で、賃金の伸びの鈍さも改めて確認されました。賃金コスト指数は前年比+1.9%と、市場予想の+2.0%を若干下回り、上昇率は昨年10-12月の+1.9%と同じでした。

雇用統計の結果は、東京時間にほとんど材料視されませんでした。その理由として、賃金の伸びが鈍く、RBNZ(NZ準備銀行)の金融政策スタンス(政策金利を当面据え置く)を変化させるほどの結果ではないためと考えられます。

NZドル/米ドルは約3カ月間続いた0.72~0.74米ドルのレンジを下抜け、さらに200日移動平均線も下回りました。足もとの為替市場は米ドルが全般的に強含んでいることに加えて、NZドル/米ドルはテクニカル的にも下落圧力が加わりやすい地合いです。日本時間明日(3日)早朝のFOMCの声明次第では、NZドル/米ドルは昨年11月17日安値の0.6780米ドルに向かう展開になる可能性があります。

NZドル/米ドル(2017/11/1~)

(出所:M2JFXチャート)

(シニアアナリスト 八代和也)

次回の「オセアニア・レポート」は5月7日配信の予定です。

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