市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/04/26 14:29トルコ中銀が0.75%利上げも、トルコリラの上昇は一時的

[レビュー]

26日東京時間の外国為替市場は、小動き。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(25日)のNY終値水準での“もみ合い”となりました。ECB(欧州中央銀行)理事会を今夜に控え、様子見ムードが漂いました。


[これからの展開]

TCMB(トルコ中央銀行)は昨日(25日)、0.75%の利上げを決定。4つの政策金利のうち、後期流動性貸出金利を12.75%から13.50%へ引き上げました(1週間物レポ金利、翌日物貸出金利、翌日物借入金利は据え置き)。利上げは昨年12月以来です。

TCMBは声明で、「現在の高水準のインフレやインフレ期待は引き続き価格設定行動にリスクをもたらす」と指摘。「(トルコリラ安や原油高による?)輸入価格の上昇がこうしたリスクを高めた」として、「物価安定を支援するため、金融引き締めを実施することを決めた」と説明しました。トルコリラは今月、対米ドルや対ユーロで過去最安値を記録しました。

声明は、「インフレ見通しが大幅に改善し、目標と一致するまで、引き締め的な金融政策スタンスを断固として維持する」と強調。「インフレ期待や価格設定行動、そしてインフレに影響を及ぼすその他の要因を注視し、必要に応じて一段の金融引き締めを行う」と表明し、追加利上げに含みを持たせました。

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トルコのCPI(消費者物価指数)上昇率は今年3月まで8カ月連続で前年比10%を超え、TCMBのインフレ目標である5%を上回り続けています。こうした状況にもかかわらず、TCMBは利上げに消極的であり、最近の利上げは今回も含めてトルコリラ安が加速した場面でした。今回の声明が政策金利を据え置いた今年1月と3月の会合時とほぼ同じだったことも踏まえると、TCMBが今後利上げをするとすれば、トルコリラ安が進行した場合との見方ができそうです。

TCMBの0.75%の利上げ発表後、トルコリラが上昇しました。市場では利上げ幅は0.50%との見方が有力でしたが、その予想を上回ったためです。

ただ、上昇は長続きせず、トルコリラは対米ドルや対円で一時、TCMBの利上げ発表後に上昇した幅以上に値を下げる場面がありました。市場は、インフレの抑制やトルコリラを押し上げるには、0.75%の利上げでは不十分と見なしたようです。

エルドアン大統領はTCMBに対して繰り返し利下げを要求。そのため、市場ではTCMBの独立性をめぐる懸念(大統領の圧力で利上げできない?)があり、その懸念がトルコリラに下落圧力を加えてきました。TCMBは今回、利上げを行うことで中銀が政府から独立していることを示しました。そのことは、トルコリラにとってプラス材料と考えられ、トルコリラを下支えする可能性があります。ただ、市場では今回の利上げは不十分であり、TCMBは今後、利上げ圧力を再び受けるとの見方があります。こうした状況では、トルコリラは上値も重い展開になりそうです。

(シニアアナリスト 八代和也)

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