市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/04/10 14:37トルコリラが対米ドルや対ユーロで過去最安値を更新。経常赤字やインフレ、大統領の利下げ圧力が重し

[レビュー]

10日東京時間の外国為替市場では、円が軟調に推移。一時、米ドル/円は107.20円、豪ドル/円は82.88円、NZドル/円は78.55円へと上昇しました。中国の習近平国家主席の発言を受けて、米中貿易摩擦への懸念が緩和し、円の重しとなりました。習国家主席は、「中国は自動車などの輸入関税を年内に引き下げる」などと語りました。


[これからの展開]

トルコリラが本日(10日)、対米ドルや対ユーロで過去最安値を更新。対円も一時、26.11円へと下落しました。

先月(3月)のトルコリラの下落は、主にトルコの経常赤字拡大やインフレ率の高さへの懸念が背景にありました。トルコの今年1月の経常収支は約71億米ドルの赤字となり、赤字額は前年同月の約27億米ドルから急増。インフレ率は10%を超え(3月のCPI上昇率は前年比+10.23%)、TCMB(トルコ中央銀行)のインフレ目標の+5%を大きく上回っています。

インフレへの対応策として利上げが考えられるものの、エルドアン大統領はかねてよりTCMBに利下げ圧力を加え続けてきました。そのため、市場ではTCMBが利上げをするのは困難との見方があります。

こうした見方があるなか、エルドアン大統領が今月に入り、改めて利下げを要求。トルコリラへの下押し圧力はさらに強まりました。トルコの現地紙は5日、「エルドアン大統領が与党AKP(公正発展党)の非公開会合で、TCMBの最近の利上げを批判した」と報道。エルドアン大統領は9日、「金利を下げて投資家を高金利から救い、投資を実行してもらう必要がある」と語りました。

シリア情勢も注意が必要です。シリアのアサド政権が化学兵器を使用したとの疑いがあるなか、米国のトランプ大統領は9日、軍事行動を含めた対応策を48時間以内に決定すると表明しました。

トルコリラにはマイナス材料が目立つ状況であり、トルコリラは対米ドルや対ユーロで一段と下落する可能性があります。対円(トルコリラ/円)も、米ドル/円の動き次第では過去最安値の更新を試すかもしれません。

(シニアアナリスト 八代和也)

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