市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/04/06 14:37米国が中国に対する追加関税を検討。トルコリラは対米ドルで過去最安値を更新

[レビュー]

6日東京時間の外国為替市場では、円が一時強含みました。「米国のトランプ大統領が1000億米ドルの対中追加関税の検討をUSTR(米通商代表部)に指示した」ことで、米中の貿易摩擦への懸念が再燃。一時、米ドル/円は106.99円、ユーロ/円は131.10円、豪ドル/円は81.98円、NZドル/円は77.67円へと下落しました。その後、米ドル/円やクロス円は反発。結局、昨日(5日)NY終値近辺へと値を戻しました。

[これからの展開]

トランプ米大統領の今回の指示(中国への追加関税検討)は、中国が4日に発表した報復関税への対抗とみられます。

トランプ大統領は3月1日、鉄鋼に25%・アルミニウムに10%の輸入関税を課す方針を表明(8日に大統領令に署名、23日に発動)。それをきっかけに世界的な貿易戦争への懸念が浮上しました。足もとで米国と中国間で報復合戦の様相を呈していることを受けて、懸念は米中の貿易摩擦へと変化しています。中国は4月1日、米国製品に最大25%の追加関税を発表(翌2日に発動)。米国は3日に500億米ドル相当の追加関税の計画を発表し、中国は4日に同規模の報復関税の計画を発表しました。

米中貿易摩擦への懸念が高まることは、リスク意識を反映しやすい豪ドルやNZドルにとってマイナス材料と考えられます。欧米株が下落するなどしてリスク回避の動きが強まる場合、豪ドルやNZドルに下押し圧力が加わる可能性があります。

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トルコリラが本日(6日)、対米ドルで過去最安値を更新しました。トルコのインフレ率の高さや経常赤字の拡大を背景に、トルコリラには下押し圧力が加わっていました。その状況のなかで、エルドアン大統領やシムシェキ副首相に関する報道を受けて、TCMB(トルコ中銀)の独立性をめぐる懸念が再燃しました。

トルコの現地紙は4月5日、エルドアン大統領が今週開催された与党AKP(公正発展党)の非公開会合で、TCMBの最近の利上げを批判したと報道。“最近の利上げ”がどの会合を指すのかは不明ですが、おそらく昨年12月の利上げ(後期流動性貸出金利を0.50%引き上げ)を指すとみられます。

同じく5日、シムシェキ副首相が辞任を申し出たと伝わりました。エルドアン大統領がTCMBに対して利下げ圧力を加えるなか、シムシェキ副首相は中銀の独立性を訴え、またTCMBのインフレ抑制に向けての引き締め的な金融政策に理解を示すなど、盾の役割を果たしてきました。大統領報道官は、シムシェキ副首相が辞任を申し出たとの報道を否定したものの、もしシムシェキ副首相が辞任した場合、TCMBの独立性をめぐる懸念は一段と強まるとみられます。

インフレ率の高さや経常赤字の拡大、そしてシリア情勢など、トルコリラにはマイナス材料が目立つ状況です。こうした状況のなかで、TCMBの独立性をめぐる懸念が再燃したことで、トルコリラは上値が一段と重くなりそうです。トルコリラ/円は、米ドル/円の動き次第では過去最安値の更新を試す展開になる可能性があります。

(シニアアナリスト 八代和也)

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