市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/02/16 14:47トルコリラ/円が反発に転じるには、米ドル/円が下げ止まる必要!? 米国務長官がトルコを訪問

[レビュー]

16日東京時間の外国為替市場では、昨日(15日)NY時間の流れが継続し、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は105.50円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.2553米ドル、豪ドル/米ドルは0.7966米ドル、NZドル/米ドルは07422米ドルへと上昇しました。米ドル/円は約1年3か月ぶりの安値を記録し、ユーロ/米ドルは約3年2か月ぶりの高値をつけました。

麻生財務相の朝方の発言や日銀の総裁・副総裁人事に関する報道に対して、為替市場に大きな反応はみられませんでした。

麻生財務相は「為替レートの急激な変動や無秩序な動きは経済に影響を与える」と指摘。「為替の安定は極めて重要。必要な時は適切に対応するという政府の方針は変わらない」としたうえで、「引き続き為替市場の動向について、緊張感を持って対応していく」と語りました。

日銀の総裁・副総裁人事については、政府は黒田総裁の再任、および副総裁に雨宮氏(日銀理事)と若田部氏(早大教授)を充てる案を提示しました。


[これからの展開]

トルコリラ/円は14日に、一時27.98円へと下落。昨年11月28日に記録した過去最安値に並びました。

クロス円であるトルコリラ/円のレートは、「米ドル/トルコリラ÷米ドル/円」で算出されます。そのため、トルコリラ/円は米ドル/トルコリラと米ドル/円の双方の影響を受けます。

昨年秋の下落局面(下図、水色枠の部分)をみると、トルコリラ/円と米ドル/トルコリラがほぼ連動する一方、米ドル/円は比較的落ち着いた値動きでした。トルコと米国の関係が一段と悪化するとの懸念やTCMB(トルコ中央銀行)の独立性をめぐる懸念を背景に、トルコリラに下落圧力が加わったためです。

今回の下落局面(下図、橙枠の部分)は、トルコリラ/円と米ドル/円が似た動きをする一方、米ドル/トルコリラは比較的落ち着いた展開です。トルコリラ/円は、トルコリラのネガティブ材料によって下落したというよりも、米ドル/円に引きずられた面が大きいと考えられます。トルコリラ/円が反発に転じるには、米ドル/円が下げ止まる必要がありそうです。

トルコリラ/円、米ドル/トルコリラ、米ドル/円(日足終値、2017/9/1〜)

(出所:トムソン・ロイターより作成)

現在の市場は、トルコ関連のニュースに反応しにくい地合いです。ただし、シリア情勢にも目を向ける必要があります。トルコはシリア北西部の都市であるアフリンへの軍事作戦を継続中であり、さらに北部のマンビジへと作戦を拡大する可能性を示しています(両都市はトルコがテロ組織とみなすクルド人勢力が実効支配)。マンビジには米軍が駐留しているため、トルコ軍がマンビジを攻撃した場合、米軍と衝突する可能性が懸念されています。

米国のティラーソン国務長官とトルコのエルドアン大統領が15日、アンカラで会談。報道によると、ティラーソン長官が軍事作戦を自制するよう改めて求めたのに対し、エルドアン大統領はシリア情勢やテロとの戦いなどにおけるトルコの立場を伝えたようです。米国務省の報道官は会談について、「互恵的な米トルコ関係に関して、率直で生産的な協議が行われた」と語りました。ティラーソン米国務長官は本日(16日)、トルコのチャブシオール外相と会談し、その後、共同記者会見を行う予定です。

(シニアアナリスト 八代和也)

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