市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/01/22 13:20トルコの越境攻撃でトルコリラが下落。南アフリカランドは大統領の退陣期待が下支え

[レビュー]

22日東京時間の外国為替市場では、トルコリラが弱含み。トルコリラ/円は一時、28.80円へと下落しました。トルコ軍がシリアへの越境攻撃を開始したことで、トルコと米国の関係が一段と悪化するとの懸念が強まり、トルコリラに下押し圧力が加わりました。

ドイツのSPD(社会民主党)が21日の党大会で、CDU・CSU(キリスト教民主・社会同盟)との正式な連立交渉入りを決定。それを受けて、東京時間早朝にユーロが上昇したものの、その後反落。ユーロ/米ドルやユーロ/円は、19日のNY終値近辺へと押し戻されました。

米上院のマコネル院内総務が、暫定予算案に関連した採決を米東部時間22日正午(日本時間23日午前2時)に実施すると語りました。米上院は19日、暫定予算案を否決。それを受けて、20日から米政府機関の一部が閉鎖されています。


[これからの展開]

トルコ軍は昨日(21日)、シリアとの国境を越え、同国北西部の都市であり、クルド人勢力が実効支配するアフリンへの地上攻撃を開始しました。

トルコ政府は、シリア国内のクルド人勢力をテロ組織とみなし、安全保障上の脅威として敵視。一方で、米政権はクルド人勢力をIS(イスラム国)掃討作戦における重要な同盟軍として、武器を供与し、支援してきました。

トルコのエルドアン大統領は1月15日、テロリストを掃討するため、アフリンやマンビジ(シリア北部の都市、クルド人勢力が実効支配)への軍事作戦を近く開始する可能性があると発言。それに対し、米国政府は18日、軍事作戦を自制するように求めました。

米政府が自制を求めるなか、トルコ政府がアフリンへの攻撃を強行したことで、トルコと米国の関係が一段と悪化する可能性があります。トルコや米国の対応に注意が必要です。米政府は21日、事態を懸念しており、限定的な作戦にとどめるように求めるとの声明を発表。トルコ政府に軍事作戦を自制するよう改めて求めました。

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南アフリカランドが堅調に推移しています。ランドは先週金曜日(19日)、対米ドルで2015年6月以来、2年7か月ぶりの高値を記録。対円も昨年(2017年)12月高値に迫っています。

ランドが堅調に推移している背景には、ズマ大統領の早期退陣期待や、資源価格の上昇が挙げられます。資源国通貨であるランドにとって、原油や金など資源の価格上昇はプラス材料です。

南アフリカの与党ANC(アフリカ民族会議)は昨年(2017年)12月18日、党首選を実施。ラマポーザ副大統領を新党首に選出しました。

ズマ現大統領は多くの汚職疑惑を抱えるうえ、度重なる内閣改造により、政治の混乱を招いてきました。加えて、経済運営にも失敗。南アフリカは2014年以降、たびたびマイナス成長を記録しました。ラマポーザ副大統領は実業家であり、また選挙戦では汚職との戦いや経済成長の押し上げに取り組むことを訴えていました。そのため、市場ではラマポーザ副大統領が大統領になれば、政治が安定し、また経済改革が進むとの期待があります。

ただし、ラマポーザ副大統領がすぐに大統領に就任するわけではありません。ズマ大統領の大統領としての任期は2019年半ばまで残っており、規定通りならラマポーザ副大統領が大統領になるとしてもその後です。

南アフリカの複数のメディアが1月20日、ANCがズマ大統領に任期途中での退陣を求める方針を固めたと伝えました。ANCは18日から全国執行委員会を開催しています。ズマ大統領の早期退陣が決まれば、ランドは一段と上昇する可能性があります。ランド/円は、米ドル/円の下落が重しとなり、伸び悩んでいるものの、昨年12月高値の9.21円を超える可能性もあります。

(シニアアナリスト 八代和也)

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