市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2018/01/18 14:45カナダ中銀が0.25%利上げも、利上げペースは今後鈍化!?

[レビュー]

18日東京時間の外国為替市場は、方向感に欠ける展開。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(17日)のNY終値水準で推移しました。豪州の昨年(2017年)12月雇用統計を受けて、豪ドル/円や豪ドル/米ドルが下落したものの、その反応は一時的でした。雇用統計は、雇用者数が前月比3.47万人増、失業率が5.5%。雇用者数は市場予想の0.90万人増を上回った一方、失業率は市場予想(5.4%)よりも弱めでした。


[これからの展開]

BOC(カナダ銀行、中央銀行)は昨日(17日)、0.25%の利上げを決定。政策金利を1.00%から1.25%へ引き上げました。利上げは昨年9月以来です。

BOCは声明で、利上げの理由を「最近の経済指標は堅調で、インフレ率は目標に近く、経済がほぼフル稼働しているため」と説明。一方で、NAFTA(北米自由貿易協定)の将来をめぐる不透明感が経済見通しに影を落としていると指摘しました。

BOCは、2018年と2019年のGDP成長率見通し、および2018年のインフレ率見通しを以下の通り上方修正しました。

( )は昨年10月時点の見通し
<GDP成長率>
・2018年:+2.2%(+2.1%)
・2019年:+1.6%(+1.5%)
<CPI上昇率>
・2018年:+2.0%(+1.7%)
・2019年:+2.1%(+2.1%)

声明は、「経済見通しは、今後の利上げを正当化するとみられる」と、追加利上げに言及する一方、「経済成長率を潜在水準近辺にとどめつつ、インフレ目標を達成するためには、一定の金融緩和の継続が必要になるだろう」と分析。「将来の政策金利調整を検討するにあたり、慎重であり続ける」としたうえで、利上げのタイミングは経済指標次第と強調しました。

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昨年後半以降の原油価格の上昇もあって、カナダの最近の経済指標は堅調です。昨年12月の失業率は5.7%と、1976年以降最低を記録し、雇用者数は13か月連続で増加。11月のCPI(消費者物価指数)は前年比+2.1%と、BOCのインフレ目標(+1〜3%)の中央値である+2%をわずかに上回り、コアCPIは+2%に近づきました。

一方で、米国・カナダ・メキシコの3か国によるNAFTA再交渉は協議が難航。米国のトランプ大統領はNAFTAからの離脱を示唆しています。カナダ経済は米国経済への依存度が高いため、米国がNAFTAを離脱すれば、カナダ経済は大きな打撃を受ける可能性があります(カナダは輸出先の7割強、輸入元の約5割が米国)。BOCは、カナダ経済の最大のリスク要因としてNAFTAの将来をめぐる不透明感をこれまで挙げており、今回の声明でも言及されました。

BOCは直近5回の政策会合のうち、3回利上げを行いました(2017年7月、9月、2018年1月。2017年10月と12月は据え置き)。ただ、NAFTA再交渉をめぐる不透明が残るなかで、今回の声明では「一定の金融緩和の継続が必要になるだろう」との文言が新たに加わりました。それらを踏まえると、利上げペースはこれまでよりも緩やかになる可能性があります。


(出所:トムソン・ロイターより作成)

(シニアアナリスト 八代和也)

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