市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/12/29 13:25トルコと米国の関係改善?でトルコリラは上昇。1月3日のトルコCPIに注目

[レビュー]

12月29日東京時間の外国為替市場は、小動き。経済指標発表がなく、新たな手掛かり材料に乏しいなか、米ドル/円やクロス円はおおむね昨日(28日)のNY終値水準で推移しました。


[これからの展開]

米国とトルコは2017年12月28日、相手国内でのビザ発給業務を完全に再開すると発表しました。米国とトルコは2017年10月8日、非移民ビザの発給を停止。その後、11月に両国とも限定的に再開していました。

トルコ政府は2016年7月のクーデター未遂事件の首謀者と断定するギュレン師の身柄を引き渡すように米国に繰り返し求め、米国がそれを拒否していることで、両国の関係が悪化。そして、ビザの発給業務が停止されたことで、関係は一段と冷え込んでいました。今回のビザ発給の完全再開を受けて、両国の関係の改善が進めば、トルコリラにとってプラス材料と考えられます。

日本時間2018年1月3日16時、トルコの2017年12月のCPI(消費者物価指数)が発表されます。その結果にトルコリラが反応する可能性があります。

トルコでは、食料品価格の上昇やトルコリラ安を背景にインフレ圧力が増大。前回11月のCPIは前年比+12.98%と、10月の+11.90%から加速し、トルコ統計局がCPIの基準年を2003年に変更して以降、最も高い上昇率を記録しました。

TCMB(トルコ中央銀行)は12月14日の会合で、4つの政策金利のうち、後期流動性貸出金利を0.50%引き上げることを決定しました。TCMBは利上げの理由を「現在の高いインフレ水準や最近のコスト要因の動向により、インフレ期待や価格設定に関するリスクが高まった」ためと説明。また、必要なら追加利上げを行うと強調しました。

その時の議事録(12月21日公表)では、TCMB政策メンバーが「12月のCPIは、ベース効果によって(11月から)上昇率が鈍化するものの、依然として高い」と予想していることが判明しました。

政策メンバーの予想に反して12月のCPI上昇率が高止まり、あるいは加速した場合、市場では次回会合での利上げ観測が高まる可能性があります。その場合、トルコリラが上昇しそうです。一方、CPI上昇率が11月から大きく鈍化すれば、利上げ観測が後退し、トルコリラの重しになる可能性があります。TCMBの次回定例会合は2018年1月18日です。

 
(出所:トムソン・ロイターより作成)

「オセアニア・レポート」は、本日が2017年最後です。1年間ご覧いただき、誠にありがとうございました。2018年は1月4日(木)から配信します。新年もよろしくお願いいたします。どうぞ良いお年をお迎えください。

(シニアアナリスト 八代和也)

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