市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/12/07 16:35中銀声明を受けて加ドルが下落するも、先行きに上昇の材料も?

[レビュー]

7日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが軟調に推移。一時、豪ドル/円は84.79円、豪豪ドル/米ドルは0.7536米ドルへと下落しました。豪州の10月貿易収支が1.05億豪ドルの黒字と、黒字額が市場予想の13.75億豪ドルを大きく下回り、豪ドルの重しとなりました。

NZドルも弱含み。一時、NZドル/円は77.00円、NZドル/米ドルは0.6847米ドルへと下落しました。同じオセアニア通貨である豪ドルの下落に引きずられました。


[これからの展開]

BOC(カナダ銀行、中央銀行)は昨日(6日)、政策金利を1.00%に据え置きました。据え置きは2回連続です。

声明では、カナダ経済について楽観的な見方が示されました。声明は、「最近のデータは、10月時点の見通しに沿っている」としつつ、「雇用の伸びは非常に力強く、また賃金は若干改善し、堅調な消費支出を支えている」と指摘。「輸出は7-9月期に予想以上に減少したものの、最新の貿易統計は外需が強まるとともに輸出の伸びが回復するとの見通しを支援している」との見方が示されました。

インフレに関しては、「予想を若干上回っており、短期的にはガソリン価格などの一時的な要因によって一段と上昇する」と分析。「コアインフレ指標は、経済のスラック(たるみ)の縮小が続いていることにより、ここ数か月間は上向いている」と指摘しました。「雇用が増加し、労働参加率が上昇しているのにもかかわらず、労働市場のスラックは縮小しつつあることが示されている」との見方を示しました、

金融政策に関しては、「時間とともに、利上げが必要になる可能性がある」とする一方、「BOCは引き続き慎重姿勢であり続ける」と表明。そのうえで、「金利に対する経済の感度、経済の能力の変化、賃金の伸びとインフレの両方のダイナミクスを評価するため、BOCは今後発表されるデータに導かれる」とし、前回10月の文言を繰り返しました。

BOCの声明を受けて、6日のNY時間に加ドルが下落しました。11月の雇用統計が強い結果だったことで、市場の一部には今回の声明がタカ派的なトーンへと変化するとの期待感がありました。こうした状況のなかで、BOCが利上げに慎重な姿勢を改めて示し、前回10月と同様に、利上げのタイミングは経済指標次第としたことで、加ドルが売られました。

ただ、今回の声明ではカナダ経済に楽観的な見方が示されたことに加え、加ドル高に関する文言が削除されました。前回は、「最近の加ドルの上昇によって、インフレ率が2%に上昇する時期が7月時点の予想よりも若干後ずれする」「カナダドル高の影響で、輸出の伸びがいくぶん鈍化する可能性がある」と、加ドル高の悪影響に言及していました。また、市場では、BOCはいずれ利上げに踏み切るとの見方が有力です。そう考えると、今回の声明を材料に加ドルが下落基調を強める状況ではないのかもしれません。

(シニアアナリスト 八代和也)

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