市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/12/05 14:15豪ドルが対円、対米ドルで約3週間ぶり高値。小売売上高やRBA声明が支援材料に

[レビュー]

5日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが堅調に推移。一時、豪ドル/円は86.15円、豪ドル/米ドルは0.7648米ドルへと上昇しました。豪州の10月小売売上高が前月比+0.5%と、市場予想の+0.3%を上回ったことや、RBA(豪準備銀行)の声明が好感されました(後述)。

NZドルも強含み。一時、NZドル/円は77.67円、NZドル/米ドルは0.6903米ドルへと上昇しました。RBNZ(NZ準備銀行)のスペンサー総裁代行の発言がNZドルの支援材料となりました。スペンサー総裁代行は、非貿易財のインフレ率が2018年後半に上向かなければ追加の金融緩和を検討する必要があるとしながらも、「11月の金融政策報告では、生産に対する圧力の高まりとともに、非貿易財インフレは2018年後半から上向くとの見通しを示した」と語りました。


[これからの展開]

RBA(豪準備銀行)は本日(5日)、政策金利を過去最低の1.50%に据え置くことを決定しました。据え置きは15回連続です。

声明では、豪ドル高に対する懸念が若干弱まりました。このことが豪ドルの押し上げ要因となったようです。

声明は、「豪ドルは過去2年間のレンジ内にとどまっている」と指摘。「豪ドルが上昇すれば、経済活動の好転とインフレ率の上昇が、現在の想定よりも鈍くなる可能性がある」との見方を維持しつつも、前回までの「豪ドル高は物価圧力を抑制する一因になると予想される」、「(豪ドル高は)生産や雇用の見通しの重しにもなっている」との文言が削除されました。

声明は、「インフレ率は依然として低く、CPI(消費者物価指数)と基調インフレ率はいずれも2%をやや下回る水準で推移している」と指摘しつつ、前回の「基調インフレ率は、しばらくの間、低水準にとどまる可能性が高い」との文言が今回は削除されました。

賃金の伸びに関する文言は、前回11月から大きな変化なし。「賃金の伸びは依然として鈍く、この状況は当面続く可能性が高い」とする一方、「労働市場の改善によって、賃金はいずれ幾分押し上げられる」との見方が示されました。

金融政策については、前回と全く同じ。「低水準の金利が豪経済を引き続き支援している」と指摘し、「入手可能な情報を考慮すると、理事会は今回の会合で政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と一致していると判断した」と説明しました。

RBAは、賃金の伸びの鈍さや高水準の家計債務を理由に政策金利を据え置き続けてきました。今回の声明では、賃金の伸びや家計債務に関する文言は前回からほとんど変わりませんでした。声明を見る限り、RBAの政策金利を据え置く方針に変化はなさそうです

それでも、RBAが豪ドル高に対する懸念をわずかに弱め、また「基調インフレ率は、しばらくの間、低水準にとどまる可能性が高い」との文言を削除したことは、豪ドルにとってプラスと考えられます。豪小売売上高の堅調な結果とあわせて、豪ドルの支援材料となりそうです。

(シニアアナリスト 八代和也)

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